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宇宙の月陽に照らされて  作者: 伊集院 大和
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過酷な労働の基に愛の無い対応







昨夜は 私の業務に関係の無い仕事に駆り出され

帰宅も 23時を越える配送を終えたのだが


湾岸線を走っていた視界の先には

海側に建つ 工業地帯のパイプラインや

人々が住む 町並みの灯りを観ながら

オレンジ色の街灯の下

暗闇の中を 巨大な紅い橋を目指した


湾岸からの分岐を越え

海側の市内から山手の方角へ


左手には徳川時代の城が見え始めた


ライトアップされた姿を横目に

東へと車を走らせた



その後 昼間に向かう納品先の

昼間とは違う 商品を納め


自家用と乗り換え

会社に辿り着いたのは23時15分



無理を押して遠くまで出掛け

こんな時間まで働かされ

普通なら ご苦労さんの一言でも

あるのが妥当ではなかろうか


その前日まで何事も無く

業務を終えた 仕事で使う車が

早朝からの1本の電話で

気分を奈落の底まで突き落とした


まだ変えて数ヶ月しか経っていない

左前輪のタイヤが

パンクしているとの電話


その後 仕事で使う車を目の前に

左後輪のタイヤもパンクしているのを観つけた


夜勤の早い対応に

仕事で使う車が足らず

故障寸前の仕事の車で

早朝の仕事を終えた


その後 いつも使う仕事の車の

応急処置が終わり


乗り換えの為に

夜勤の疲れを引きづっているドライバーが

わざわざ遠くまで

業務で使う 応急処置の済んだ

仕事の車を運んでくれた


その後 昼間の業務を終え

応急処置のタイヤを

新品のタイヤに履き替える為に

東洋のタイヤ工場へ出向いたのである


タイヤ交換も素早く

到着から30以内に交換も終わり


その後 会社へ1本の電話を入れ

折り返し掛かってきたのが

私の普段の業務とは全く関係の無い


業務の為に 海の向こうに建つ

海外行きの飛行場の方角へ向かうのだが


Pocket WiFiが使えず

インターネットも止まった

スマートフォンのマップが

稼働したのもメインの大通り過ぎた頃である


品数の多さと緊急の為に

予定された業務は 本日は無く

本来なら帰宅の筈であったが

告げられた高速の降り口を名を頼りに

一般道から高速に乗り

南下を始めたのである



その後 日付も翌日に変わる23時台に

私が通ったルートと指定されたルートが

有るらしく 緊急の為に駆り出され


事細かく告げられていない私は

早朝から使う高速に乗り

海の向こうに建つ海外行きの飛行場も

場所なんて把握しているはずも無く


通ったルートが違うために

高速料金が貰えないらしいが


人を先ず疑って掛かる

物の言い方をする事務所の人間に

唖然としたと同時に 腹立たしさを覚え

想わず 溜息が溢れた

もう之で何度目の溜息だろうか


人を選んで物の言い方を変えるのか

言いやすい奴には追求するような言い方


怒鳴るように激しく断る奴には

過酷な労働時間までは働かせず

何も言わぬ奴には 過酷な労働時間でも働かせ

小言の一つでも言いたいのではなかろうか


早朝からパンクに付け加え

1日うんざりしていた私に


優しさの欠片も無い一言に


苛立ち覚え


赤いラベルのラガーが

その日までの私を 瞬時に

眠りの世界へと導いたのである


普段 酒など飲まない私が

酒など手にする事は珍しく


今迄の 私に対する

物の言われ方と

それに対する苛立ちは

まだ 消え去ってはいない


私の怒りの矛先は一体何処にあるのか

今日の雨の中を

ずぶ濡れになりながら探し求めても

見つかる事は無いだろう



怒りの矛先は

昨夜のラガーが 頭痛へと変わり


私の心を癒してくれるのは

雨の様子を伺いながら

私に 唄声を届けてくれる

鳥達だけである



もう いいだろうと思いつつ

前の会社の廃業から

今の会社に 務めて10年


合わない奴らの中に

なんとか耐えながら

ここまで来たが

それも今年いっぱいで終わりだろうか


何もかもどうでもいいと思えて来た

何もかも終わってしまえばいいのに


この苛立ちは 壁を殴っても

癒される事は無いだろう

壁を殴り 仲間の胸ぐらを掴み

辞めて行った 過去の同僚を情けなく思う

そんな奴を思うと


少しずつ頭痛も 消え始め

苛立ちも治まり始めたのである



だがしかし 今迄の過去の

私に対する物の言い方と

この苛立ちを忘れた訳では無い



何かにつけて揚げ足を取るような言い方をする輩に

天罰あれ


私の中に眠る過去の武将の遺伝子よ

私の怒りが怨念となり

嘲笑う奴等と溜息を覚えさせた奴等に

天誅を下せ

















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