63. 話の王者は大体主人公で決まる。
遅刻しましたが、皆様、明けましておめでとうございます。昨年は大変お世話になりました。今年もどうぞよろしく御願い致します。皆様の今年に幸多きことをお祈りしております。
それでは、前回の続きからどうぞ!
長が倒れたことにより、私の称号は≪ギルドloudness団員≫から≪エクストドラゴンの長≫になってしまった。それはまぁいい、ひとまず置いておく。しかし、問題は依頼だよ。
「あのぉ、私は別に≪エクストドラゴンの長≫という称号が欲しいわけじゃないんですよ。依頼のあった『エクストドラゴンの産み出す鋼鉄の印の採取』をクリアしたいんです。鋼鉄の印ってなんですか?」
私は取り合えず近くにいたドラゴンの足に手を当てる。すると、脳内に直接言葉が流れ込んでくるような不思議な感覚に襲われた。
『鋼鉄の印とは本来、我々エクストドラゴンの特徴からその名ができました。我らは鋼鉄のような硬さが取り柄であり、我らの硬さは、他のドラゴンの種族のそれから逸脱しております。よって、そのような呼ばれ方をするのです。そして、印とは、我らの長の別名です。正式な印とは、王者の証を示します。ですから、鋼鉄の印とは長を倒した貴女自身ということになりますね。』
はじめは驚きもしたが、これが彼らの意思疎通方法なのだろう。そう一人で納得した私は、先ほどの言葉を思い出す。
エクストドラゴンはドラゴン族の中でも最強に硬い→鋼鉄は硬い→鋼鉄とはエクストドラゴンの別名のようなものらしい。
印というものは王者を示すらしい→私は長と思われるドラゴンを一撃で倒してしまった→私、長になった?→長になった私=印?
ここから推測するに、鋼鉄の印=私、という式が成り立つのか...?
...じゃあ、依頼の品って私?それとも元長の首?どっちだ?
私が無意識に元長の眠っている姿を見ていたからだろう。先ほどからずっと足に触れているドラゴンが言葉を脳内に送ってきた。
『この者は既に印ではありません。長である貴女こそが我らの印なのです。』
「でも、私はドラゴンじゃないけれど、そこは問題じゃないの?」
『我らの長は世襲制ではありません。より強い者が率いてこそ、我らは生存できるのです。』
情け容赦ないな。けど、これで依頼は達成だ。
「さ~って、帰るか。依頼達成報告しに行かないと。」
言った瞬間この場にいた全ドラゴンが、『置いてかないで!?何でとっとと帰ろうとしてんの!?』みたいな目をしてきたが、総スルーでギルドへ戻るべく旅支度を始める。
ドラゴンの涙目を初めて見たが、それを見て見ぬふりする自分も情け容赦ないんだろうなと思いつつ、山を下りたのだった。
総スルーしちゃいましたね、サツキちゃん。さて、これからどうなるのでしょうか?それは次回のお楽しみです!
今年もどうぞ作者作品共々、どうぞよろしくお願い致します。




