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話の流れは大体主人公で決まる。  作者: 櫻井 千桜
7章 話の甘い雰囲気は大体場所で決まる。
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63/69

62. 話の討伐劇は大体主人公で決まる。

良かった良かった、年内にもう一話分投稿できればと思っていたのですが、無事にできて良かったです。


それでは、サツキちゃんの冒険、続きをどうぞ!


 『エクストドラゴンの産み出す鋼鉄の印の採取』という依頼を受けたサツキ・アリスガワだが、シルクーレ山を目指し、一人(ボッチ)で歩いていたのだった。



『ここら辺は、森っていうよりも一種のダンジョンだよね~。』


これと言って強いモンスターが出るでもなく、出てきたかと思えば、サツキを見た瞬間に魔物が逃げ出す始末。どうやら、自分と魔物のレベル差が激しいため起こる現象のようだ。尻尾巻いて逃げる様子に呆れつつ、進足を止めることはない。そうして数10分歩いていくうちに、目の前の木々は薄暗く、聳え立つ高い切り立った山が出現した。


『ここだね?』


一々ガイド通りに登山するのは面倒臭いので、お見せしよう!今日ご紹介する商品はこちら!


てれれれっててーん(謎の音)


「『≪着脱楽々!冬の低山や夏の雪渓歩行に最適な軽アイゼン!≫&≪トレッキングポール!≫だ!説明しよう!トレッキングポール(ストック)とは杖の事で、歩行のバランスを保ち、足腰への負担を軽減させる役割を持っている。特に斜面を歩行する際にバランスがとりやすくなり、転倒を防止するのにも有効な登山用品だ。しかし使い方には慣れが必要だから、うまく使えないと余計に疲れやすくなる。ストックは1本のタイプと2本のタイプがあるが、2本のタイプは1本のものよりバランスがとりやすくなり、より脚力を補うことができる。ストックの種類にも様々あり、カーボン素材の超軽量のもの、地面からの衝撃を軽減するもの、カメラの一脚として使用できるものなどもある。コンパクトに縮めることができるので、必要のない時にはザックにかけたりしまっておくことができる。もちろん必ず必要な登山用品ではないので、必要に応じて用意しよう。健闘を祈る!by≪loudness≫一同』...って、皆さん説明長過ぎでしょ?...けど、ありがとうございます。頑張りますね。」


皆からのメッセージに若干感動しつつ、受け取ったプレゼントを無事装着したサツキは、目の前に立ち塞がる壁を一睨みし、足をその壁へと押し当て進んだ。ガリガリと岩を削る音と、ボッチで登り続ける荒い呼吸が響く。



~数10分後~


「着いた!」


その一言とともに、頂上に手をかける者を見て、ドラゴン達は驚きを隠せずにいた。たった一人のひょろっこい人間が、普段なら安全策を取って以前訪れた奴等の通った道とは真逆の場所から現れたのだ。ドラゴン達は密猟者か!?と騒ぎながらも、冷静さを欠くことなく状況を把握する。


『貴様、何をしに来た?』


咆哮ともとれる威嚇で要件を聞くエクストドラゴンの長。それを察知したサツキは、しかし慌てたり怯えたりすることなく、まっすぐに長を見つめる。その眼の鋭さ、まっすぐさに恐れを抱いた長だが、威厳を損なうような真似をするほど、若くはなかった。


『我の住む場所を汚すような真似だけは許さんぞ?小娘。』


「私はただ、あなた方から手に入れられると伺った鋼鉄の印をいただきに来ただけです。それさえ手に入れば、私はこんなとこ、さっさと退散しますよ?」


先ほどよりは威圧感の薄れた咆哮に笑顔を取り戻すサツキ。その笑顔がさらに不気味に映った長だが、目的を聞いた途端、態度は一変した。


『貴様!今、『鋼鉄の印』と言ったか?それはつまり、私の首が欲しい、と言ったと同義と受け取るぞ?そなたのような小娘如きに負ける私ではないわ!!』


「あ、私、もしかしなくても地雷踏みましたよね?どうやら、あなたと戦わないといけないみたい...ですね?安心してください。すぐ済みますから。」


サツキが徐に取り出したのは、以前のギルド初期装備の武器ではなく、Aランカー以上のランクの保持者御用達、エマンド武具店の一級品にしてサツキ専用≪Luz del ángel≫という名の片手剣である。見た目はレイピアのように細長いのだが、火力は抜群のため、重宝している。


「はい。痛くないですよ~?...じっとしていてくれれば、ね?」


自身の脚力を十分に使って飛び上がったサツキは、そのまま笑顔で左で持っていた剣を両手に持ちつつ体を回転させ、勢いを失わずに長の首へと剣を当てた。その様はまるで闇より現れし大鎌を携えた死神のようだった。






 長は最後に大きなうめき声を上げ、地に臥した。それきり、ピクリとも動かなくなった。これにより、この山に新たなる王者が生まれることとなったのだ。

皆様今年の一年間はどうでしたか?後数時間で来年でございます。お世話になりました。作者はコーヒーでも飲んで徹夜したいのですが、飲まなさすぎていざ飲むと二日ほど眠れないという悲しい現象が起こってしまうため、若干恐怖しております。

因みに、余談になりますが、サツキちゃんの片手剣≪Luz del ángel≫は、意味を≪天使の灯り≫と言います。ちょっと可愛らしい仕様にしてみました!

それでは皆さん、よいお年を!

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