56. 話の注意事項は大体主人公で決まる。
さて、12月となりました。周りはすっかりクリスマスシーズンで浮足立っておりますが、皆さんは如何ですか?作者は久しぶりの休日を休日らしく過ごすことなく投稿しております。
それでは、どうぞ!
「いらっしゃいませ。ギルド≪loudness≫へようこそ!ご用件を承ります。」
おはようございます。今日も今日とて異世界に生きるサツキ・アリスガワ、18歳。つい先日、私はひょんなことから、こちらの世界に迷い込んでしまい、森の中で眠ってしまったところをリアム・オリヴァーという農夫に助けられ、現在は隣町プリマヴェーラに来ている。此処は、一年中温かい地域であり、寒さや暑さを知らぬ町という意味で、プリマヴェーラ、つまり春という名を付けられたのだそうだ。そして、この町は、王都の王国騎士団に次ぐ強さと規模を持つギルドが存在することで有名でもあるのだ。そのギルドの名が先程受付のお嬢さんが言った≪loudness≫である。
「あの、新規でギルドに入団したいのですが...。」
何でも、リアムはその昔、此処のギルドに属していた元冒険者であり、此処のマスターとは幼馴染なんだとか。それで、リアムに頼んで話を通してもらったのだ。
「あぁ、それでは貴女がサツキさんですね?お話はギルマスより伺っております。どうぞ、奥の部屋へ。まずは魔力と身体能力、並びにランクの確認をしましょう。」
魔力測定は異世界もののテンプレだね。水晶玉を使ったり木片を使ったり、道具は様々でもやることは変わらない。ただ魔力量とその質を測るだけだ。
私が連れてこられた部屋には何もなかった。6畳位の小さな部屋は、灯りも窓も存在しない漆黒の空間で、私は受付嬢に手を引かれながら、中央と思わしき場所へと進んだ。足元でカチッという、何かのボタンを押したような音がしたが、黒の世界では確認することもできない。人間の視力とは不思議な物で、暗い空間に居ると目が暗闇に慣れ、うっすらではあるが周りが見えるようになるのだ。それがどうだ?ここでは全然目が慣れない。全く見えないのだ。受付嬢の後ろ姿も、自分の手でさえも。おかしい。何が、と具体的には言えないが、意図的にこの暗闇を作り出しているとしか思えない。
「それでは、これよりサツキさんのギルド入団への手続きを行います。1分後にこの部屋が明るくなりますので、お気を付けください。では、私はこれで。」
受付嬢はそう言うと、私の手を放し、気配を消した。突然のことで訳も分からず周りをキョロキョロと見渡す。しかし、暗闇から解放されることはない。
...よし、寝るか。ここで変に焦っても仕方ないのだし、此処は夜みたいに落ち着く暗闇だ。何だか睡魔が襲ってくる。自然と目を閉じ、まどろみに身を任せていく。体はその場を動くことをせず、そのままの体制での睡眠を試みるのだ。
...結論から先に言おう。寝ようとした時に、いきなり強力なフラッシュが私を襲い、寝るに寝られなかったのだ。その光は暗闇を一気に吹き飛ばした。6畳だと思っていた場所は、小さな闘技場の様なドームに早変わり。そして、観客席からは大勢の声が聞こえ、満席状態だった。何だこのカオスは。
「驚かせて悪かったね、サツキ・アリスガワ君。俺はこのギルドの長を務めているエドガー・デ・ラヴィーヤだ。早速私と手合わせ願おうか。」
今日もやります、余談コーナーです!プリマヴェーラは≪春≫や≪早春≫という意味のスペイン語です。中々よさげな町の名前になったのではないでしょうか?そして、急に現れた謎のドームと謎のギルマスさん。サツキちゃんの運命や如何に!?...次回もお楽しみに!
そして、とても嬉しく、また大変ありがたいことに、ブクマ件数一気に2件増えまして、計41件となりました!!読んで下さり、また、ブクマして下さり、誠にありがとうございます。この場をお借りしましてお礼申し上げます。これからも、どうぞ話主をよろしくお願い致します。




