53. 話の平和ボケは大体主人公で決まる。
前回より日がまた開いてしまいました。不定期更新ですみません。
さて、今回は前回お知らせしたとおり、食事をくれた男性との出会い回です。それでは、どうぞ!
コンクリートとは程遠いが、きちんと整備された小道と平行して、木で造られた家が点々としている。ある家には小さな物干し竿に洗濯ものが干され、また、ある家の前にはレンガ製の花壇が。時折、子供達の遊んでいるであろう元気な声が聞こえる、そんなのどかな場所のようだ。
私はぼぉっとするのを止めると、ベッドから起きることにした。足元にブーツはなく、この世界の人達が使っているのであろう革のペタ靴がちょこんと置かれていた。私は素足のまま履くことをためらうも、他に何もないので、取り敢えず靴に足を滑らせた。驚くほどピッタリなサイズ感に驚きつつ、最初の一歩を踏み出す。高級ではないにしろ、丈夫なそれは歩きやすく、サクサクと進む。扉を開けるとリビングルームが広がる。小さなリビングルームは、キッチンも一緒のようで、お皿やフォーク類はやはり木でできていた。それを横目に玄関と思しき扉を開く。
草が芽吹き、風が吹く。空は雲が穏やかに流れ、鳥たちは楽し気に歌う。私は玄関先で一つ辺りを見回し、横に備え付けられた大き目の畑を見つけ、歩を進めた。着慣れない白いワンピースは膝下位の丈で、長めの草に直接肌が当たってむず痒い。というのも、今の服装は、真っ白い春先仕様のワンピースなのだ。そこまでデザインが凝っていないのだが、そこはsimple is the bestで良いと思う。肩下まで肌が露出しているのは如何なものかと思うのだが、肩下から胸元辺りはふんわりとした生地が包み、そこから袖が広がった長袖が続くようなデザインとなっている。ファンタジー系の小説で女の子キャラが好き好んできそうな服装である。っと、これは偏見だったかな?
隣の畑に着いた頃、私の気配を察したように、中央でしゃがんでいた男が立ち上がり、こちらを向いた。背が高く、ガタイも良い。日に焼けたのか、若干小麦色の肌をしている。しかし、筋肉劉裕という訳でもなく、どちらかと言うと細マッチョ体型だ。鮮やかな茶髪が風に吹かれて毛先がふわふわと遊び、無邪気な子供を連想させた。まぁ、見た目は30代位だろう。
「おう、起きたか。気分はどうだ?」
うわぉ、爽やか笑顔によく合うバリトンボイス。思わず鳥肌が立った。私は一瞬ポカンと口を開けた後、小さく答える。
「おかげ様で、だいぶ良くなりました。食事も有り難うございました。凄く美味しかったです。」
言い終わってからペコリと軽くお辞儀をする。男は快活に笑うと、気にするなというように微笑んだ。
「それより、よく俺達の世界の食い物食べれたな。あっちの世界と食文化違うだろ?」
「え!?どうして私がこの世界の住人じゃないって...」
焦る私を面白そうに眺める男は、次の一言を、まるで爆弾を投下するように言った。
「だって、お前の髪の色をした奴、この世界には居ないから。」
はい。爆弾投下でした。これ、以前リチ君も似たような話しましたね(汗)。これからこの女の子は一体どうなってしまうのでしょうか...?お楽しみに!
...この女の子の名前、そういえばまだ公表していませんでした(苦笑)。いずれ、近いうちに出します。




