48. 話の面倒臭さは大体主人公で決まる。
随分開けてしまいました、すみません。最近のリアルは本当に忙しい(苦笑)。...という言い訳はさて置き、今回も投稿しますよ!今回は、頭が凹んじゃったリチ君のその後の話です。それでは、どうぞ!
俺は暫くの間、凹んだ頭を抱えて蹲っていた。真っ黒笑顔の元勇者は、本を片手にグランを起こし、俺が復活するのを静かに待っていた。俺はどう足掻いても無駄なんだなと痛感しつつ、涙目になりながらも二人を眺めた。
「あなたは、何のために剣を持っているのですか?それはお飾りなのですか?」
セバスチャンさんが笑みを深くして聞いてくる。表情は笑っているのに、目がブリザードのように冷たい。俺は情けなくも小さく叫ぶと、言い訳をするべく口を開いた。
「だ、だって、セバスチャンさn「黙らっしゃい、言い訳無用。」...そ、そんな...。」
遮られた、しかも何も言えてないのに。俺は地面に胡坐をかいて座り込み、不貞腐れてみた。だが、俺の反応が気に入らなかったのか、セバスチャンさんは深いため息を吐いた後、俺の前にしゃがみ込んだ。
「私が体術を教えたのは、剣が折れてしまったりはじかれた場合の最終手段にと思ったからです。しかし、先ほどの様子を見ていると、クリは自ら剣を捨てて捨て身の覚悟で体当たりしたように見えました。...私達はあなたに武闘家になれ、と言っているのではないのです。望みは唯一つ、『聖剣を持つに相応しい剣豪』になってほしいというものです。剣を自ら捨てるような人に、剣を握る資格はございませんよ?」
まるで幼子をあやすように、また、子供に諭すように語るセバスチャンさん。俺は初めから何か言い返そうという気でいたのだが、しまいには凹んだ頭を擦るように優しく撫でるから、結局膨らませていた頬を萎ませる結果となってしまった。
その後、グランも『言い過ぎた、悪かったな』と言って、クーラン少年に腕の手当を依頼していた。クーラン少年はセバスチャンさんのスパルタ教育を長年受けていたからか、流れるような手捌きであれよあれよと言う間に治療は完了していた。俺もその技を学びたい、と少年に訴えると、顔を真っ青にして目を横に逸らし、『あれは、今のクリさんの修行に比べたら、吐き気が止まらなくなるほどの地獄を見ますよ?』と言った。俺は、少年のそのあまりに豹変した表情に、若干の恐怖を覚えた。
この世界には治癒魔法は確かに存在する。しかし、それを扱える者はかなり限定されているのだとか。そして、その魔法は、傷を癒すのではない。あくまで人間の本来持つ自然治癒力を一時的に底上げし、早く傷が治るようにしているだけらしい。嫌な話、魔法詠唱後、傷を負っていた人物を見ると、体全体の発毛が促進されるようで、ゴリラ並みに毛で覆われるらしい、何それ怖すぎ。
そんなわけで、貴重かつそんな特殊な副作用のある治癒魔法をそんなにホイホイ使うようなことはできないので、基本は治療をするのだ。俺が以前ギルより受けた全身麻痺の治療法が見つからないっていうのも、最近の筋肉痛が自然治癒に任せっぱなしだったのも、これが理由だからなんだよ。
俺はそんなことを考えながら、グランの治療を眺めていたのだった。
前回の投稿は、調子に乗って二話upしたんですけど、あれから更にブクマ件数が1件増えまして(若干の変動は、投稿時の件数で判断します)、35件となりました!ありがとうございます!Twitterの方でも、作品を読んで下さった方、作者の名前を綺麗かつかわゆいと褒めて下さった方等、本当に嬉しく思っております!この場をお借りして、お礼を申し上げます。これからも、話主をどうぞよろしくお願いします!




