13. 話のお約束的展開は大体主人公で決まる。
さて、ギルさんの魔法とは一体どのようなものなんでしょうか?
そして、リチ君は一体どうなってしまうのでしょうか?
それでは、どうぞ!
キズ一つない美しい大理石の床から突如現れたオレンジ色の魔法陣。何て書いてあるのか分からない謎の文字のようなものが、俺を中心に、直径2、3メートルほどの円となっている。そこから天に向かってまばゆい光を放ち、さながら神秘的なヴェールやオーロラのような美しさを醸し出している。
俺の傍に控えていたはずのグランは、危険を察知したのか、無言で俺からかなりの距離を取っている。この教会は見た目以上に奥行きも高さもあるから、余計にそう感じるのかもしれないが。
・・・あれ、グランが何か言ってる。何々、『安心しろ、お前の骨はきちんと拾ってやる』....。
「ふざけんなよグラン!?この状況ってそんなにマズイものなのか!?おいおい、俺、齢18でおじゃんとか嫌だぞ!?」
俺は魔法陣から湧き上がる風を気にせず頭を横に振る。漫画やアニメみたく、風にたなびく服や髪を演出するのって、実は結構な強風がいるんだということが、今分かったよ。...分かっても嬉しくないけどな。
あれだ、巨大扇風機で風の強さは強か中、首降りなし、それを寝かせた状態から俺がその上に乗っかってる感じのイメージだ。
...どんなイメージだよそれ、かなりカオスだな。
俺は半ば現実逃避をしながら、この魔法が発動されるのを待つ。強力な魔法ゆえか、時間を費やすようだ。
「悲しみに暮れる者に、ささやかな幸福を。苦しむ者に、大いなる癒しを。生きとし生ける者に更なる繁栄を!『大いなる幸福の調べ』!!」
ギルが右手に持っていた分厚い書物を天に投げた。書物はギルの頭上に止まったかと思ったら、そのまま自分の意思で動いているかのように本を開き、ページをドンドンめくっていく。そして、左手の長杖の先は、俺からその書物へと変えられ、あるページを開いた時、杖の先端がページに触れる。書物もめくるのを止め、静止した。
すっと、ページに書いてある文字が黄金に輝きはじめたかと思いきや、その文字たちは書物から脱走し、俺の元へと向かってくる。俺は怖くなって、少し、後ずさりしてしまったが、正確には、俺というより俺の周りを囲んでいる魔法陣の光に向かっていたのだ。そして、その光に沿うように文字がくるくると光に巻き付いていくさまを、俺はずっと見ていた。
全ての文字が書物から溢れた時、俺を囲んでいた魔法陣の光が一層強くなり、目が開けられなくなった。俺は左腕で目をガードした。
教会の窓という窓にオレンジ色の強烈な光が溢れ出し、教会をオレンジ色で包み込んだ。
それから暫くの間の記憶を、俺は持ってはいなかった。
記憶のないリチ君のため、次回、何が起こったのか、そしてその後のリチ君について、書いていきたいと思います。このサブタイトル通りの展開と言えば、大体こんなものかな、というような予想がある程度たつと思います。お楽しみに!
そして、ブクマ件数がまた+1されて、合計6件となっておりました!ありがとうございます。嬉しい限りです。これからもどうぞよろしくおねがいします。




