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第11話 魔族の子供は、石をしゃぶって眠っていた

 画面を閉じて立ち上がると、セレナが少し離れた場所で待っていた。


 こちらに声をかけるタイミングを測っていたらしい。レオンやカイルとは違い、相手の手が空くまで自分からは割り込まない子だ。


「配薬表のことで、少しいいですか」


「ああ。何かまずかった?」


「いえ、逆です。怪我の深さと熱の有無で先に分ける、という考え方はなかったので。すごく助かりました」


「現場の人間ほど『目の前の重そうなやつ』から見がちだからね」


「それで、軽く見える発熱者を後回しにしていたかもしれません」


「あるあるだな」


「便利な言葉ですね」


「便利な人間よりはマシな立場だと思いたい」


「……?」


 通じなかったらしい。まあいいか、と健治は流した。


 セレナは笑ってから、声を落とした。


「皆、寝るようになりました」


「うん」


「眠れると、人はこんなに違うんですね」


「違うよ。身体は正直だから」


「それを、王都の人たちは分かっていなかった」


「現場から遠いほど、気合いで何とかなるって言いがちなんだよ」


「ケンジ様は、そういう人たちが嫌いなんですね」


「嫌いというか、知ってるだけ」視線を遠くへやり、


「そういうやり方の先に、何があるかを」


 セレナは一瞬黙り、それ以上は聞かない。その距離感がありがたかった。距離を測れる子だ、と改めて思った。


 あの召喚の場面で、彼女は小さな声で「あやせ れいな」と名乗った。けれど声が届かず、神官長は語尾だけ拾って「セレナ様」と復唱した。訂正の機会はあったのに、しなかった。波風を立てるより受け入れるほうが合理的だと、あの場で判断したのだろう。こっちの名前で戦うことを、静かに選んだ子だ。自分だって「ケンジ」だ。こっちの名前で呼ばれることに、もう違和感はない。


◆ ◆ ◆


 絶望の砦が持ち直して三日目の朝、空はやけに高かった。

雲は薄く、風は乾いている。砦の上から北西を見れば、魔王軍の野営地は昨日よりやや後ろへ下がっていた。撤退ではない。距離を取り直しただけだ。火の数はまだ多く、見張りの影もある。戦意を折ったわけではなく、砦の立て直しに合わせて向こうも呼吸を整えているのだろう。


 壁上でその景色を眺めていた健治の隣に、アリシアが立った。


「視察の準備が整いました」声は低い。


 昨日からずっと、その声音には緊張が混じっていた。


「護衛は最低限。白旗を持たせます」


「向こうがそれを守る保証は?」


「ありません」


「ですよね」健治は素直にうなずいた。


 捕虜から聞いた話だけでは足りない。魔族の兵がなぜあれほど飢えていたのか。前線だけの話なのか、領地全体の問題なのか。そこを見誤れば、補給で押し返した先に、また同じ戦争が戻ってくる。


 だから行く。危ないのはわかっている。でも、現場を見ずに判断するのはもうたくさんだった。


「本当に、行かれるのですね。怖くないのですか?」


「そりゃまあ」


「即答ですね」


「怖くないやつのほうが信用できないでしょ」


 そう返すと、アリシアは口元を緩めた。だが次の瞬間には、また王女の顔に戻る。


「私も同行します」


「王女が?」


「私が見なければ意味がありません」


「護衛が止めるんじゃないですか」


「止めました」


「で?」


「止めきれませんでした」


 その言い方に、健治は少し笑った。


「それは頼もしい」


「褒めているのか呆れているのか、どちらですか」


「半々」


 アリシアは小さく息をつき、壁下へ視線を落とした。中庭では、捕虜にしていた年嵩としかさの魔族兵が拘束を緩められた状態で待っている。名をゴルダというらしい。昨日、スープを二杯飲んだあとで「案内くらいならしてやる」と吐き捨てるように言ったのだ。


 信用していい相手ではない。ただ、腹を満たしたあとの人間——いや魔族か——の目としては、少なくともその場しのぎの嘘をついている感じは薄かった。


「行きましょうか」健治が言うと、アリシアは短くうなずいた。


◆ ◆ ◆


 砦を出て半刻も歩かないうちに、景色は変わり始めた。王国側の荒野も楽な土地ではない。しかし魔族側へ入っていくにつれ、それは「痩せた」というより「削られた」景色へ変わっていった。


 地面はひび割れ、赤黒い土が剥き出しになっている。草は生えていても丈が短く、葉先が白く乾いていた。ところどころに立つ木も、枝先から順に枯れている。川筋らしき跡はあるが、水はほとんど見えない。あるのは底にこびりついた泥と、乾いた石だけだった。


 先を歩くゴルダが、振り返りもせず言う。


「見ての通りだ」


「ひどいな」呟くと、ゴルダは鼻で笑った。


「人間の言う『ひどい』は、だいたいまだ余裕がある」


「これは余裕ないほうだと思う」


「だったら話が早い」


 護衛の騎士が険しい顔になる。しかしアリシアが目で制した。


 しばらく進むと、畑らしき土地が見えた。

 畑、と呼んでいいのか迷うくらいの有様だった。うねはある。耕した跡もある。けれど植えられている作物は背丈が低く、葉は虫に喰われ、実はほとんど付いていない。


 その畑の真ん中で、角の生えた痩せた女が一人、しゃがみこんで土を掘っていた。人間とそう変わらない姿だ。


 違うのはこめかみから伸びる黒い角と、耳の形、それから目の色。しかし痩せ方や背中の丸まり方は、この前オークヘイブンで見た村人たちと同じだった。女は一行に気づくと、びくりと肩を震わせた。


 ゴルダが短く何かを呼びかける。魔族の言葉だろう。女はそれを聞いて、警戒しながらも逃げずに立ち上がった。その腕の中に、子どもがいた。


 眠っているのかと思った。だが違った。

子どもは目を閉じたまま、口元でもぞもぞと何かを噛んでいる。


 健治は近づいて、それが石だと気づいた。


 小さな、丸い石。口の中を傷つけないように角が削れているものを、子供はしゃぶっていた。腹が減ったとき、口を動かしていれば少しだけ紛れる。しかし……石は、ない。


 健治の足が止まる。


「何してるんだ」声がかすれた。


 女は最初、敵意のこもった目でこちらを睨んだ。だがその視線はすぐに力を失う。敵意を維持するにも体力が要るのだろう。


「眠る前に、しゃぶらせるの。空腹を忘れるのです」


「そんなので……」


「忘れません……。でも、泣き疲れて眠るよりは少しだけましです」


 隣で、アリシアが息を呑むのがわかった。


 健治は返す言葉を探したが、見つからなかった。


 目の前の子どもは、オークヘイブンのトウマより少し小さいくらいだろうか。頬はこけ、腕は細く、閉じたまぶたの下には青い影がある。


 この子が敵か。そんな問いそのものが馬鹿馬鹿しかった。


「収穫は?」ようやく健治が絞り出すと、女は足元の畑を見る。


「この通り」


「他の村からは?」


「来ない。来ても、奪い合い」


「王都……じゃない、人間の土地へ働きに出るとかは?」


「途中で死ぬ」短い答えが重い。


 アリシアが一歩前へ出た。王女としてではなく、ただ一人の人間として尋ねるみたいに。


「ずっと、この状態なのですか」


「去年より悪い。去年は根を煮ればまだ腹は膨れた。今年は根も細い」


 女はそこでようやくアリシアをまっすぐ見た。服装から身分の高さは伝わるのだろう。その視線に、憎しみより強いものはなかった。ただ、疲れていた。


「あなたたちの国には、パンがあるのでしょう」


 アリシアは答えられない。


 代わりにゴルダが吐き捨てる。


「あるから攻めるんだよ」


 護衛の騎士が腰の剣に手をかけた。健治がそれを手で制する。


「攻める理由にはならない」


「知ってる」ゴルダは苦く笑う。


「知ってても、腹は減る」


 その一言で、誰も何も言えなくなった。さらに奥へ進むと、魔族の小集落が見えた。


 オークヘイブンよりさらに荒れている。家は土壁が多く、屋根は藁と黒布で継ぎ接ぎされていた。井戸の周りには列ができているが、汲み上げられる水は少ない。鍋から立つ湯気も薄く、匂いはほとんどしない。


 集落の端で、年配の魔族の女たちが囲炉裏の前にしゃがんでいた。焼けた石を鍋の中へ落とし、灰色の草を煮ている。石焼きの調理法だ。薪が足りないから、あらかじめ火で焼いた石の熱で水を沸かすのだろう。


 湯気が上がると苦い匂いが広がった。ゴルダが足を止め、ぼそりと言う。


「ニガナ汁だ。こっちじゃ毎日これしか食えない」


「ニガナ?」


「荒れ地に生える雑草だ。根が太いから量は取れる。だが名前の通り苦い。腹は膨れるが、栄養はほとんど残らん」


 鍋の中身は、灰色というより茶褐色に近い濁った液体だった。具は草の茎と、申し訳程度の根の切れ端だけ。調味料らしきものは何もない。塩すらないのかもしれなかった。


 女たちの一人が木椀にニガナ汁をすくい、隣にいた子どもへ渡す。子どもは顔をしかめながら一口すすり、それでも飲み干した。慣れた動作だった。毎日これを飲んでいるのだろう。


 健治は倉庫からパンを一つ取り出した。子供は動かない。


 見たことのないものを見る目だった。警戒とも違う。そもそも「食べ物」として認識していないのだろう。手を伸ばさない。近づかない。ただ、じっと見ている。


 隣にいた大人の魔族の女が、健治からパンを受け取った。匂いを嗅ぎ、ひとかけら千切って、口に入れた。噛む。飲み込む。それを子どもに見せる。


 子どもはそれでもまだ動かなかった。女がもうひとかけら千切って、子供の手のひらに置いた。小さな指が、パンの表面を触る。柔らかさに驚いたように指を引っ込め、もう一度触り、それからゆっくり口に運んだ。


 噛む。


 目が、少しだけ大きくなった。


 もう一口、もう一口と、小さな手がパンを口に運ぶ速度だけが上がっていった。


 健治は、砦で自分が配った食事を思い出していた。パン、干し肉、塩漬けの根菜、温かいスープ。兵士たちが「うまい」と目を細めたあの食事は、この集落から見れば別世界の贅沢だ。


 同じ空の下で、片方は余った食糧の保存に頭を悩ませ、もう片方は苦い草を煮て腹を膨らませている。この距離は、歩けば半日もかからない。なのに流れが止まっているだけで、こうなる。


 前の世界で扱っていたのは、数字の上の在庫切れだった。ここでは、在庫切れが目の前で人の形をしている。


 子供たちは痩せていた。大人たちはもっと痩せていた。

 誰も大声を出さない。騒ぐ体力がないのだろう。ただ、一行を見て、じっと目で追う。その目の奥にあるのは敵意だけではない。期待も、諦めも、両方が入り混じっていた。


 集落の中央で、老人が倒れた荷車にもたれていた。荷車の上には黒曜石こくようせきの原石が積まれている。輝きは鈍いが、加工すれば十分価値が出そうな石だ。


 荷車の先、集落の裏手を見ると、丘の斜面に掘り跡がいくつも穿たれていた。黒曜石の採掘場だろう。素掘りの坑道が口を開け、その前に砕いた石くずが山になっている。坑道の一つから、痩せた魔族の男が二人、背中に黒い石を担いで出てきた。足元がふらついている。掘る体力すら残りわずかなのに、それでも掘り続けている。


 売る相手がいない石を。


「あれ、どこに持っていくんだ」問うと、ゴルダは肩をすくめた。


「どこにも。以前は南の商路で人間の行商と交換できた。だが戦が始まってからは道が塞がった。掘っても積むだけだ」


「積むだけ?」


「やめたら技術が途絶える。それだけは避けろと、年寄りが言い張ってな」


 ここへ来たのは敵を探すためじゃない。食糧がどこで止まっているのか、何が余って何が足りないのか。兵站の視察だ。前の世界で取引先の倉庫を見に行ったのと、やっていることは変わらない。ただし、ここでは在庫切れが飢えに直結する。


 食えない石を、食えない身体で掘り続ける。商路が生きていれば、あの石は食糧に変わっていたはずだ。流通が止まったせいで、富が富として機能していない。価値はあるのに、価値が届かない。


 同じ構造だ。良いものがあっても、物流コストと販路の不在で届かない。規模も世界も違うが「繋がっていないから死ぬ」という本質は変わらない。


「これ、魔族領の特産か」改めて問うと、ゴルダがうなずく。


「黒曜石、月光草、魔鉄。喰えないものならいくらでもある」


「人間側は欲しがるだろうな」


「だろうよ。腹の足しにはならんがな」


 健治は荷車の黒曜石を見上げた。喰えないものはある。人間側には余る食糧がある。単純に考えれば、もう答えは見えている。けれど、答えが見えることと、それが通ることは別だ。


 隣でアリシアが、集落の様子を食い入るように見ていた。表情は固い。王女として見ているのか、人として見ているのか、たぶん両方だ。


「……私は」アリシアが小さく言う。


「ずっと『魔王軍の脅威』としてしか見ていなかったのかもしれません」


「脅威なのは事実です」


「ええ。ですが、その前に民でもある」


「そうですね」


「もっと早く、知るべきでした」


健治は肩をすくめる。


「王都にいると、遠いとこは見えにくいんですよ」


「あなたは、よく見えていますね」


「痛い目に遭ったことがあるんで」


 アリシアが首をかしげる。


 健治はそれ以上は言わない。『現場を見ずに数字だけで人を動かすやつが嫌いだ』なんて、今さら説明しなくてもこの景色が全部代わりに言っていた。


 遠くの丘に、一人の魔族の男が立っていた。腕を組んで、こちらを睨んでいる。護衛でも斥候せっこうでもない。ただ、見ている。その目には怒りがあった。百年分の怒りが、交易話一つで消えるはずもない。あれは、たぶん仕組みの外にいる側だ。


 そのとき、集落の外れでどよめきが起きた。誰かが走ってくる。若い魔族兵だった。痩せているが、目だけはぎらついている。ゴルダの姿を見るなり、息も絶え絶えに言った。


「前線へ伝令! ベヒモスが出る!」


「何だと」ゴルダの顔色が変わる。


 兵は健治たちがいることに気づき、露骨に舌打ちしたが、それどころではないらしい。


「上が決めた。今夜か、遅くても明朝には荒野へ出す。砦を潰しに行く」


「この状態でか」


「この状態だからだ!」若い兵が吐き捨てる。


「これ以上長引けば、前線も後ろも先に干上がる。ベヒモスで一気に押し切るしかないって……」言いかけて、その兵は唇を噛んだ。


 それがもう答えだった。健治はアリシアを見る。アリシアも健治を見返す。


 ベヒモス。


 捕虜が口にしていた、幹部級の巨大魔獣。ただの切り札ではない。もうそれしか残っていないから前へ出すのだ。


「飢えてるから、賭けに出る」健治が低く言う。


「ええ」アリシアの返事も低い。


「そして、砦を落とせば人間側の食糧へ届く、と考えている」


「間違ってはいない」


「でも、落とされたら終わりです」


 その通りだった。ゴルダが忌々《いまいま》しげに吐き捨てる。


「上の連中は、でかいのをぶつければ何とかなると思ってる。いつだってそうだ」


「どこの世界も似たようなもんだな」


 健治がぼそりとこぼすと、アリシアが一瞬だけ呆れた顔をした。


「感想が軽いですね」


「重く考えても腹は膨れないんで」そう返しながらも、先を考え始めていた。


 ベヒモスが出る。炎か突進か、あるいは両方か。巨大な魔獣なら維持コストが重い。飢えているなら、長期戦の駒ではない。一撃で決めるために使う兵器だ。


 なら、対策はある。事前準備。耐性。回復。座標。あとは……。


「戻りましょう。見たいものは、もう見た」


「ええ」アリシアはうなずいたが、その表情は沈んだままだった。


 帰り際、最初に会ったあの女が、子供を抱いたまま家の前に立っていた。子どもはまだ眠っている。口元には、小さな石が握られたままだ。


 健治は足を止め、倉庫画面を開いた。護衛の騎士が息を呑む。アリシアが何か言いかける。だが健治は止まらず、小さな布袋を取り出して女へ差し出した。中身は、丸パンが二つ。干した果物が少し。


 女は目を見開いた。


「いいの」


「よくはないかも。でも、見なかったことにもできない」


「人間の食べ物だ」


「食べられるなら何でもいいでしょ」


「……」

 女はしばらく健治を見ていた。疑い、ためらい、それから諦めたように袋を受け取る。その手は軽かった。軽すぎた。


「感謝は言えない。敵だから」


「それでいい」


「でも、忘れない……」


 健治はそれに返事をせず、きびすを返した。背中越しに、袋を開く微かな音がした。見なくてもわかる。きっとあの子は、今夜は石じゃなく親指をしゃぶって眠れる。


 それだけのことで、胸のどこかがひどく重くなった。


◆ ◆ ◆


 砦へ戻る道の途中、アリシアがぽつりと言った。


「あなたは、優しすぎます」


「そうでもないですよ」


「敵に食べ物を渡した」


「子供に渡しただけです」


「それを、皆ができるわけではありません」


「王女様も止めなかった」


「……止められませんでした」


 風が乾いた土を巻き上げる。二人の足音だけが続く。


「交易、できますかね」前を向いたままいた。


 アリシアは少し考えてから答える。


「理屈では、できるでしょう」


「感情では?」


「難しい。人間側も、魔族側も、血を流し過ぎました」


 健治はうなずく。


「でしょうね」


「ですが」アリシアの声に、力がこもる。


「できなければ、この戦争は終わりません」


「終わらないどころか、形を変えて続く」


「ええ」

 

 健治は深く息を吐いた。面倒だ。とても面倒だ。でも、この面倒から逃げたら、きっとまた同じ飢えた顔が増えるだけだ。だったら、やるしかない。


 その前に、まずは砦を守る。今夜か明朝に来るベヒモスを止める。


「王女様」


「はい」


「ベヒモス、火を吐くと思います?」


「可能性は高いです」


「耐火薬、足りないな」


「王都在庫では?」


「砦まで通常輸送なら間に合わない」


「でも、あなたなら」


「まあ、俺なら」


 アリシアが笑った。かすかに、しかし確かに笑っていた。その笑みにはさっきまでの重さとは別の色が混じっていた。


「戻ったら、すぐ準備しましょう」


「ええ。今度は、飢えた勢いで押し切らせない」


 砦の壁が遠くに見えてくる。その向こうには、ようやく眠れるようになった兵士たちがいる。こちら側にも、向こう側にも、飢えた人間がいる。


 だったら次にやるべきことは、もう決まっていた。


 まずはベヒモスを止める。


 話は、それからだ。



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