第83話 委任
山脈南西部への『領域』拡張は、30万へクス程で頭打ちとなった。
他のダンジョンマスター達も『根』を伸ばしてきているからだ。
できれば半島南部の海まで『領域』を広げたかったが諦めるしかないか。
現状ではお互いに1ヘクス分の緩衝地帯を挟んで睨み合っている。
『領域』を隣接ヘクスまで広げるのは宣戦布告のようなものらしい。
だが、『根』で殴りあうのは効率が悪く、反撃されるリスクも高い。
おそらく当面はこのまま膠着状態が続くのだろう。
俺は『魔王』を目指すつもりはないし、十分な『領域』も確保できた。
できればこのまま他のダンジョンマスターとは戦わずに現状を維持したい。
念のため、他の『領域』と近い場所では『根』に防御用の魔力を込めた。
差し当たっては1ヘクスに100万ポイントずつだ。
今後俺が『領域』を広げるなら、西側の王国領土に進むことになる。
そちらは樹木も疎らで、ほとんどは荒地や畑などが広がる平野部だ。
黒曜さんが守っていた山脈の原生林と違い、魔力収入は低いだろう。
『根』の維持コストを考えれば赤字になる可能性が高い。
それに、『魔族』の俺が『領域』を王国側に広げれば無駄に刺激してしまう。
上位の魔法使いはダンジョンの気配を感じることができるらしいからね。
開拓村の司祭が早々に逃げ出したのも、おそらくそれが原因だろう。
非公式に俺の統治を認めてくれた公爵家も手の平を返すかもしれない。
だが、王国側に『領域』を広げれば、俺が向こうの街に行くこともできる。
今のままでも行けなくはないが、俺は『領域』を出ればただの非力な人間だ。
非力な『魔族』が人間の街でどうなるかなんて考えたくもない。
俺が力を保ったまま人間族の街を直接見られるメリットと比べるとどうなる?
人間の街にも行ってみたいが、リスクとデメリットが大きすぎるか。
行くとしたら、魔石をたっぷり蓄えてからになるかな?
『領域』の面積については当面は現状を維持して内政に精を出すことにしよう。
今取り組んでいるのは、開拓村や『経済特区』住民の入浴習慣だ。
伝染病や寄生虫の蔓延を防ぐためにも、できるだけ毎日入って欲しい。
その為、公衆浴場の利用料は大人が銅貨1枚、子供は無料となっている。
入浴励行と低い価格設定により、大人たちには入浴習慣が浸透しつつある。
現状で問題になっているのが子供達の入浴習慣だ。
なにしろ住民はわざわざ『魔族』が支配する街に移住してくるような者たちだ。
いわゆる「普通の家族」ばかりと言うわけではない。
片親で仕事もある状態では半放置状態の子供も増えてくる。
それに、いつの間に入り込んだのか、未登録の子供も居る様だ。
そういった子供たちに対し、託児施設で食事の提供等は行っている。
帰る家がない子供、親との関係が良好でない子供は泊まることもできる。
それに止まらず、彼らにも日常的な入浴習慣を身に付けて欲しい。
最近部下になったシェリーという娘に、そんな女の子達を集めてもらった。
俺のベッドが「ぱんつ風呂」仕様になった原因の女でもあるが今は置いておこう。
スラム育ちの彼女は、孤児や放置子の行動パターンもある程度知っている。
色街など、いわゆる「社会の裏側」で働く女達との付き合いもある。
親に風呂に連れて行ってもらえない女の子達をシェリーが案内する。
脱衣所ではコインロッカーの使い方を教え、浴室のマナーを教える。
全員が簡単に身体を洗い終えると、浴室奥の防音の二重扉に向かう。
そこにあるのが今回の政策の目玉、温水プールアスレチックだ。
楕円形の流れるプールの中央には、滑り台などの遊具が並ぶ。
高さ2m、傾斜は段階的に45~100度になるボルダリングもある。
縄梯子を水平に渡したような雲梯も作っておいた。
落ちても下は温水プールなので、怪我をするようなこともないだろう。
シェリーがそれらの遊具の注意事項を説明しながら周って行く。
シェリー「次はここ、『ターザンロープ』です」
少女「ターザン?」
シェリー「ターザンっていうのは、あたしもよく分からないんだけど、なんか、魔族に伝わる伝説のレンジャー?みたいな感じらしい」
俺もうろ覚えだったもんでちゃんと説明できず申し訳ない。
シェリー「ともかく!遊べればいいのよ!みてて」
シェリーはロープを掴むと、助走をつけて飛び出した。
シェリーの体は空中で弧を描くと、そのまま元の場所に戻る。
少女「おもしろそう!」
少女「こわい。落ちちゃわないかな?」
シェリー「だーいじょうぶ!落ちても下はプールだからね。それに、これは本当は派手に落っこちて遊ぶんだよ。今からやってみせるけど、すぐに戻ってくるからこのままここで待っててね。注意事項説明する前に勝手に始めちゃ駄目だよ?」
春風「はーい!」
シェリーは再びロープを掴み、助走をつけて身を躍らせる。
そのまま手を離すと、お尻で着水して派手に水しぶきを上げた。
シェリー「どう?楽しそうでしょ?あ、まだ始めちゃ駄目よ。そっちに行くから待っててね」
目を輝かせる少女たちを手で制してシェリーが走る。
すぐにやりたそうな少女を春風がさりげなく制止する。
シェリー「おまたせー!始める前に、注意事項をちゃーんと覚えてね。今から水の中にダイブするわけだけど、下に人が居たらどうなる?」
少女「ぶつかる」
シェリー「そう!ぶつかって怪我をするよね?だから、飛ぶときは下に人が居ないことをちゃんと確認すること!」
春風「はーい!」
シェリー「それと、ダイブしたあとは早めに避けてね。次の人が待ってるからね」
少女「はーい」
シェリー「それと、下のプールは勢いよく落ちても大丈夫なようにちょっと深めになってるよ。足が着かない子もいると思うけど、慌てないようにね。泳げない子が居たら、周りの人が助けてあげてね」
少女「はーい!」
サクラを演じる春風の誘導もあって、子供達は素直に従っている。
シェリー「最後にもう1つ!落ちるときは前に倒れこむようにガバーッっていきたくなるじゃない?けど、それはやっちゃ駄目!体の前ではなく、必ず足か、お尻か、背中で着水するように!」
春風「なんでですか?」
シェリー「ガバーッて前向きに行っちゃうとね、おっぱいがめっちゃ痛い!」
子供たちからどっと笑いが起きる。
シェリー「いや、ほんとに痛いからね。みんな気をつけてね」
春風「はーい!」
一頻り遊ばせた後、シェリーは少女達を呼び集める。
シェリー「はーい、遊びは一旦終了して案内を続けるよ。ここは未成年のうちはいつでも無料で入れるから、遊び足りないようなら明日も明後日もまた遊びに来ればいいよ。その代わり、毎回体はきちんと洗うこと!」
春風&少女達「はーい!」
サクラの春風に釣られてか、少女達も元気に返事するようになってきた。
シェリー「成人してからも銅貨1枚で入れるから、仕事終わりに寄るとさっぱりするよ。さて、最後にちょっとだけご褒美があるから、もう一度軽く体を流してから脱衣所で服を来て集合!」
春風&少女達「はーい!」
少女達はそれぞれ遊びでかいた汗を流し、乱れた髪を整える。
防音用の2重扉を抜けて、浴室を静かに進んで脱衣所に戻った。
シェリーが先導し、後ろからさりげなく春風がサポートする。
体を拭いて服をきると、ロッカーから戻った銅貨を握り締めて集まった。
シェリー「最後にこのカードを配るから、名前を書いて大事にとっておいてね。このカードを持ってここに来ると、なんと毎日1個飴がもらえまーす!」
シェリーが配るカードには数字の書かれた30の升目が書かれている。
この世界の暦は1ヶ月が30日で、1年が12ヶ月だ。
上に名前と月を書く欄があり、升目に書かれた数字は日付を表している。
字が書けない子も多いため、シェリーや年上の者達が代筆していく。
シェリー「行き渡ったかな?じゃあ、見ててね。おばちゃーん、お願いしまーす!」
おばちゃん「はいよ。体はちゃんと洗ったかい?」
シェリー「はい!ばっちりです!」
おばちゃん「よーし、いい子だ。何味にするね?」
シェリー「スターベリー味でお願いします!」
おばちゃん「はいよ。明日もまたおいでね」
シェリー「はーい!」
受付のおばちゃんはカードの今日の数字に判子を押し、飴を渡した。
シェリーが少女達に並んで後に続くよう促す。
春風「おばちゃん、お願いしまーす!」
おばちゃん「はい。体はちゃんと洗ったかい?」
春風「はい、ちゃんと洗いました」
おばちゃん「いい子だ。何味にするね?」
春風「レモネ味でお願いします」
おばちゃん「はいよ。明日もまたおいでね」
春風「はーい!」
シェリー「全員分ちゃんとあるから慌てずに並んでね。今みたいにカードを見せてきちんとおばちゃんにお願いするんだよ」
同じやり取りをきっかり人数分繰り返してもらう。
おばちゃんには苦労をかけるが、自己申告でも体を洗った事は確認したい。
カードは日本でやっていたラジオ体操のアイデアを使わせてもらった。
遊具と飴で釣って入浴を習慣付ける作戦。
成人すると有料だし飴も貰えなくなるからアンダーマイニング効果が少し心配か。
まあ、体がさっぱりする感覚を覚えれば、それ自体が十分な報酬になるよな?
一応、成人も飴が欲しいときは買えるように売店に常備するようにしておこう。
アウラエル「面白い考えですね。子供を風呂に入らせる為にここまでする領主はなかなか居ません」
一樹「それなりに魔力は使ったが、ダンジョンの機能のおかげでそう手間はかからなかったよ」
アウラエル「便利なものですね。では、経過もご自身でしっかりと観察なされたほうがよいでしょう」
一樹「俺がか?」
今回は初めての案内という事でアウラエルに見守りを説得された。
確かに一度くらいは使用の現場を確認しておいたほうがいいだろう。
それに、女湯とはいえシェリーとは既にいい仲だし、残りは子供だ。
次回からの経過観察はだれか女性スタッフを雇うつもりだった。
アウラエル「子供達が怪我をするといけません。問題が見つかったときに改修できるのは主様だけです」
一樹「見守りスタッフを用意するつもりだ。危なそうな場所について報告があれば対応するよ」
アウラエル「主様はお忙しい身ですし、常に見守るわけには行かないというのは分かります。しかし、伝聞では具体的な所が伝わりにくいこともありますし、出来れば未然に防ぎたいものです。事故が起こりそう、というだけでは上に報告するのを気後れするものもおりましょう」
ヒヤリハット・・・なんだっけ?ハインリッヒの法則?
確かに「子供が膝を擦りむいた」とかの報告が領主まで上がるとは考え難い。
それに、俺がダンジョンの中を自由に見れるという情報は外に出したくない。
アウラエルにさえ、俺がこうやって観察できる条件を詳細には教えていない。
つまり、ここからの見守りは俺かなるみにしか出来ないことだ。
アウラエル「子供達に怪我人か死人が出るまで様子見を続けるわけにも参りませんでしょう?」
一樹「そうだな。ときどきは俺も様子を見ることにしよう」
アウラエル「はい。特に女湯のほうはしっかり見守ってあげてくださいね」
一樹「そっち?」
アウラエル「女の子の体に傷跡でも残っては大変ですわ」
一樹「そうだな」
最近はあまりきかないが「男の傷は勲章」なんて言葉もあったか。
武勇伝でもないただのどじであっても傷跡を自慢げに見せる男は少なくない。
だが、女の子ではそうもいかないか。
アウラエル「安全には十分注意しているとはいえ、事故が起こらないとは限りません。何かあった時、男湯であれば対応出来る者なら誰が駆け込んでも大きな問題にはならないでしょう。主様が直接駆け付ける事も出来ます」
一樹「それはそうだな」
アウラエル「しかし、女湯であればそうも行きません。事態を確認し、対応できる者を女の中から選ぶ必要が出てきます。そう言った制限がある分、対応に余計に時間がかかってしまうでしょう」
一樹「なるほど」
アウラエル「例えば怪我人が出た場合、対応が遅れれば遅れる程、死や後遺症の危険は増します。ならば対応に時間が掛かりがちな方を重点的に見守るべきだとは思いませんか?」
一樹「まあ、そうだな。・・・確かにそうかもしれない」
アウラエル「はい。では、よろしくお願いしますね」
一樹「・・・分かった」
子供が相手とはいえ、女湯の見守りを俺がやらないといけないのか?
公衆浴場に限らず、ダンジョンの一部を街のいろいろな施設として提供している。
そうなると、俺が直接見守りや操作をしないといけない部分も多くなる。
大きな建物が簡単に作れるのはいいが、その辺りは問題があるな。
アウラエル「後は人の集まり具合を見て遊具ごとの人気不人気の判断もするのもよいでしょう。それに事故以外にも遊具の取り合いなどといった問題も避けたいものですね」
一樹「そうだな。そういったトラブルにはどう対処したらいいかな?」
アウラエル「状況次第ですね。該当の遊具を増やす、無くす、改装する、ですとか、お金はかかりますが指導員を置くという手もあります」
一樹「なるほど」
しばらく様子を見て必要そうなら指導員を置く様にするか。
子供のけんかの仲裁くらいなら学生かシニアのバイトでもいいのかな?
いや、職場が高温多湿でしかも立体アスレチック構造だし若者のほうがいいか。
ヒヤリハット案件も細かく記録させ、集計報告させよう。
ダンジョン改装自体は俺がやるにしても、任せられる部分を増やす必要がある。
女子刑務所の看守の件もあるし、戦える女や女性救命師の育成が必要だ。
人材育成と言えば、建築技師の問題もあるな。
ダンジョンの魔力の源である緑地面積は出来るだけ減らしたく無い。
だから地上部は俺が提供したダンジョン以外は極一部しか建設を許可していない。
これではこの街では大工の仕事が内装くらいしかない。
それでは俺の領で建築技術が発達しない事になるか。
街の人間が自由に建築出来る区画も設けるべきだろうか?
俺がいる間は建物の枠組みは作ってやれるが、居なくなった後はどうなる?
俺の領は建築技術の発達が周辺と比べ半世紀程も遅れてしまう事になる。
それどころか、基礎工事の出来る人間が1人も居ないなんて状況もあり得る。
そうなれば、領内の建設業を外資に牛耳られる事になるかもしれない。
だが建設業を育てて行くとなると、継続的な需要を提供する必要がある。
耐久性の検証を考えると数十年、数百年は置いておける様にすべきだろう。
ってことは1年間に建築できる量の50~100倍の面積が必要か。
具体的な数字は分からんが、建設解禁エリアはかなりの面積が必要になる。
だが、ダンジョンの魔力の源である森の削減は俺となるみの弱体化に繋がる。
ダンジョンの一部を提供している街のインフラも機能が低下又は停止する。
俺が居る間は住民達の為にダンジョンを住居やインフラとして提供出来る。
しかし、俺が居なくなった後のダンジョン管理を誰に任せるのか?
王国の一部として公爵家、人間族に管理を委ねる事になるのか。
それとも飽くまで『魔族』の土地として誰か後継者を探すのか。
ダンジョンを操作出来る者が居る限りは『領域』内では基礎工事は不要だ。
その前提で行くなら、無理に国内の建設業を育てる必要はない。
稀に必要になる時だけ外注するくらいなら、経済的な損失は軽微だ。
だが、やはり問題になるのは誰をダンジョンマスターにするかだ。
人間族に管理を任せるとなると、森林保護の重要性を説明する必要がある。
俺の領のインフラを支えて居る原生林は可能な限り保存しなければならない。
だが、それはダンジョンの弱点、同時に『魔族』の弱点を教える事にもなる。
ダンジョン周囲の森を切るか燃やすかすれば、俺たちは一気に弱体化する。
この情報は人間族には既に知られていたりするのだろうか?
俺が死んだ状態でダンジョンコアに触れれば支配権を奪えるんだったか。
ダンジョンコアは『素材』として高く売れると言う話でもあった。
目先の金よりダンジョンの支配権を手にしようとする冒険者は居ないのか?
そもそも、その情報が人間族に知られていない?
一樹「なるみ、ダンジョンマスターが死んだ状態でダンジョンコアに触れればその支配権を奪えるんだよな?」
なるみ「そうだよ」
一樹「冒険者には俺たちを殺してダンジョンの支配権を奪おうとする者は居ないのか?」
なるみ「居るだろうけど、それは無理だよ。この世界の人間だと魔力波長がなるみ達と合わないからね」
一樹「奪えるのは地球からの転生者だけって事か?」
なるみ「そうじゃなきゃわざわざ地球からかずきおにぃちゃんを喚んだりしないよ。地球以外にも適性者は居るかもだけどね」
このダンジョンをこの世界の人間族に託すって選択肢は端から無い訳か。
一樹「なるほど。ところで、なるみは何で俺を選んだんだ?」
なるみ「選んだっていうか、なるみが生まれた時には既にかずきおにぃちゃんとリンクが繋がってたんだよ。かずきおにぃちゃんに最適化されたインターフェースって事だね」
そういえばなるみは自分の事を人型インターフェースと言っていたか。
ダンジョンコアが俺を選び、それに合わせてなるみを作り出した?
一樹「ダンジョンの支配権を他のダンジョンマスターに奪われた場合、なるみの存続は相手の意向次第と言っていたな」
なるみ「まあ、そうなるね」
一樹「もし、俺がなるみを守る闘い以外で死んで、誰もなるみを奪いに来なかった場合、なるみはどうなるんだ?」
なるみ「その場合はなるみは消えちゃうんじゃ無いかなぁ。ダンジョンコアが新しいマスターを選んで、新たにその人に最適化したインターフェースが生まれると思うよ」
一樹「消える?」
俺が死ねばなるみは消える?
なるみは俺と一連托生と言う事か。
なるみ「うん。だから、かずきおにぃちゃんは長生きしてね」
一樹「ああ、そうだな。気をつけるよ」
自分が消える、という割になるみの口調に悲壮感は無い。
少女の様な見た目と裏腹に、随分と達観している様だ。
意思は消えると言っても、ダンジョンコアの一部として生き続けられるからか?
そう言えば、人間を含む地球の生き物は遺伝子の乗り物と言う説があったな。
動物番組を見て覚えた色々な違和感が氷解し、妙に腑に落ちたのを憶えている。
俺たちの自我は生命の主役では無く、身体の制御用プログラムの一部と言う訳だ。
ダンジョンコアとなるみの関係は、遺伝子と人間の自我と似ているのかも知れない。
だが、俺たちの自我の消滅は、多くの場合は肉体の死と同義だ。
しかし、なるみの場合は本体であるダンジョンコアは生き続ける。
生死感というか、自我の消滅への悲壮感や恐怖が根本的に違うのかもしれない。
そうは言っても、自分の自我が消滅するなんて考えたくも無い。
なるみは平気なのか?それとも平気な振りをしているだけだろうか?
なるみを守るのはもちろんとして、俺自身も長生きしないといけないな。
そして、なるみを残してくれる『魔族』の後継者を探さないといけない。
他の『魔族』との交流を進め、信頼出来る者を選ぶ必要がありそうだ。




