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第46話 公爵家

中空にジェシカとエイミーの裸体が浮かんでいる。

ジェシカが10人、エイミーも10人だ。


谷の入り口の砦を守るために、今回は剣士型ガーディアンを召喚した。

砦に梯子等を掛けて上って来られた時の為に屋上に配置する。


20人分のおっぱいが露なままゆっくりと回っている。


なんでだろう?女の裸は好きなはずなのに、いまひとつ嬉しくない。

ジェシカもエイミーも美人だし、スタイルもいいのにな。


20人の裸体が形のいいヒップを見せ付けるように回る。

そのお尻にベージュのTバックがはめ込まれた。


ひょっとして下着が好みじゃないせいか?

衣装をビキニアーマーにしたら、下着はノーブラ&Tバックになった。

召喚演出に折角下着フェーズがあるのに、これではちょっと華がない。


Tバックだけの半裸で林立する女体を虹色の光が包み、衣装が完成する。

顔まで隠す兜とビキニアーマーに身を包んだ20人の剣士が並んでいる。


その姿を見ると、さっきまで感じていたざらつきが溶けたような気がする。

やはり、下着がかわいくないのがいけないのだろう。

きっとそうだ。次はかわいい下着と合わせられる衣装にしよう。


一樹「なるみ、こいつらの下着、もっとかわいいのにできないか?」

なるみ「おおー!」

一樹「ん?」

なるみ「うんうん、下着はやっぱりかわいいのがいいよね!」

一樹「まあ、そうだな」

なるみ「やっとかずきおにぃちゃんから言い出してくれたね。なるみおねぇちゃんはうれしいよ」


なるみが砦の縁に立って俺の頭をなでなでしはじめる。

ちょっと危ない気もするが、こいつは落ちる心配はないだろう。


一樹「あー、やっぱ今のでいいか」

なるみ「ごめんごめん、もうちゃかさないから。ちゃんと考えるよ」


実際、今のままでこれといった問題はないはずだ。

我ながら何を言い出したのか。


なるみ「でも、ビキニアーマーの下ってことになるとけっこう制約が大きいんだよね。見えない、目立たないって方向性だとどうしても肌に近い色の極小ぱんつになっちゃう」

一樹「やっぱ見えちゃまずいか」

なるみ「半端にはみ出ちゃうのはかっこ悪いと思うんだよね。見せるならちゃんとシンメトリーに見せたいよ」

一樹「見せブラとかいうやつか?」

なるみ「そうそう。もしくは、普通のかわいい下着の上にベージュのタイツを履くとか、あるいは濃い色のピッチリしたタンクトップとスパッツをきるとかかな」


今度は下着を完全に隠してしまう方向か。

それだともうエロ衣装ではなくなってしまうな。

いや、別にエロ衣装である必要はないんだが。


なるみ「でも、肌の露出が減るのはおにぃちゃん的には嫌だよね」

一樹「いや、別にそんなことはないぞ」

なるみ「そういえば、ブルマからちょっとだけはみ出たぱんつが好きな人も多いんだっけ?かずきおにぃちゃんはどう?」

一樹「いや、特に好きってことはないな」


ブルマからすらりと伸びた足をきれいだと思うことはあった。

だが、はみ出たパンツに魅力を感じたことは特にない。

むしろ、目にしたときはリアクションに困ったのを覚えている。

女の子に「パンツはみ出てるよ」なんて、ちょっと言い難いしね。


なるみ「じゃあ、ビキニアーマーよりちょっとだけ小さいぱんつにするのはどう?はみ出したりはしないと思うんだけど、動くたびにちらちら見えちゃうの」

一樹「あー、いいかもな。というか、別に今のままでもいいぞ」

なるみ「おっけー!じゃあ、その方向で行くね。ぱんつの紐とかブラのストラップが見えちゃうのは別にいいよね?」

一樹「その辺は任せるよ」

なるみ「はーい。あ、かずきおにぃちゃん、アウラエルさんが帰ってきたよ」

一樹「わかった、すぐに行く」


アウラエルは停戦の糸口を探すために王都へ行っていた。

ここを通らなかったのは空を飛んで山脈上を直進したからか。


天使族以外にも空を飛べる者は居るだろう。

早いところ航空戦力も揃えないといけないな。

対空兵装が砦の屋上の弓兵型ゴーレムだけでは心細い。


一樹「ジェシカとエイミーは数人ずつ交代で屋上を見張ってくれ。残りは仮眠室で待機だ」

剣士たち「はっ!」


ここにいるのはジェシカ016~025とエイミー016~025の計20人だ。

同じ名前が10人ずついるから妙な言い回しになってしまうな。


さて、ここから開拓村の拠点までは1kmちょっとか。

地面を凹ませない様に加減しながら走ると数十秒はかかる。

石畳にしたらもっと速く走れるようになるかな?


それはともかく、今はやはり飛行魔法を練習しよう。

ドローンをイメージして魔力を展開すると、体がふわりと浮かぶ。

回転翼を傾けるイメージで推進力を得て、開拓村へと飛行する。


飛ぶだけならばそれほど難しくはなかったが、機動性は今ひとつだ。

今の状態は例えるならドラ○もんみたいな感じだろうか?

長距離移動や戦闘を考えるならもっと速度や機動性が欲しい。

イメージを、例えばドラ○ンボール的な何かに切り替えるべきか?

それともこのまま習熟度を上げていけばよいのだろうか?


そうこうしている内に砦と開拓村が見えてくる。

踏み固めただけの土が剥き出しの街道の周囲に小さな木造住宅が並んでいる。

そんな中で30m四方の石造りの俺の拠点はちょっと異彩を放っている。


当然ながらこの村には貴人を迎えるような高級ホテルなど存在しない。

仕方がないのでカトリーヌ一行には拠点の使用人部屋に泊まってもらっている。

ごねられるかとも思ったが、意外にすんなり受け入れてもらえたので助かった。

いや、いきなり押しかけられたのはこっちだし、感謝する理由もないのだが・・・。


アウラエル「主様、ただいま戻りました」


拠点に戻った俺をアウラエルが出迎える。


一樹「おかえり。戻って早々ですまないが、カトリーヌという女に心当たりはあるか?」

アウラエル「はい。もう会われたのですか?」

一樹「ああ、2階に泊まってもらっている」

アウラエル「報告が遅くなってしまい申し訳ありません。カトリーヌ様は今は除籍されていますが、元はローゼンヴァルト公爵家の四女になります。王国とのこれ以上の戦争を避けるために、主様はあの娘を妾として受け入れて頂けないでしょうか?」


あの娘を俺の妾にすれば王国との戦争が避けられる?

なにか政略結婚的な意味があるということか?

仮にそうだとして、なぜ除籍された娘が送られてくる?

そもそもなぜ彼女は除籍されたんだ?


戸惑う俺にアウラエルが説明を続ける。


まず、俺たちが戦っていたのは人間族の国で聖アウローラ王国というらしい。

王国といっても貴族領の自治性が比較的高く、連邦国に近い感じであるそうだ。

名目上は王国全土が王家の土地だが、王都周辺を直轄領としてあとは貴族たちが統治している。

王国の北部がローゼンヴァルト公爵領、南部がリーリエシュタッヘル公爵領だ。

それぞれの公爵もまた、一部を直轄領として残し、残りを下位貴族に統治させている。


今俺たちが居る場所は、クワルラハメン山脈と呼ばれているらしい。

王国北東部に接し、『人間界』と『魔界』を隔てる境界となっていた。

昨年、この山脈南部を拠点としていた『東の魔王』が王国主導で『討伐』された。

これにより王国は山脈南部の領有を主張、開拓団を送り込んだ。


王国的にはここはローゼンヴァルト公爵領内のヘーゼルホーヘン伯爵領内のバルバス男爵領。

開拓はバルバス男爵が直接の指揮を執っていたが、性急過ぎる領土拡大で鬼族と衝突した。

その流れで俺たちとも戦う事になったということらしい。


『魔界』の開拓を推進しているのが南部貴族を中心とするリーリエシュタッヘル派閥だ。

北部貴族だがバルバス男爵とヘーゼルホーヘン伯爵も血縁の関係でそちらに属している。

『東の魔王』こと黒曜さんのダンジョンへの『聖騎士』派遣を推し進めたのも彼らだ。


これに対しダンジョンを資源として維持活用しようと考える者達も居る。

北部貴族を中心とするローゼンヴァルト派閥がそれに当たる。

『魔界』の産物は地理的に北部貴族領を経由して流通するため、恩恵も多いのだ。


俺よりずっと強かったであろう黒曜さんがどうして『聖騎士』共に負けたのか?

この間のトネールとか言う奴が特別弱かったのだろうか?

いや、あれは状況に助けられただけで、接近戦に持ち込まれていたら負けていたか?

そうでなくとも、複数の『聖騎士』が相手ならほぼ確実に負けていただろう。

『賢者』だの『聖者』だのと共闘することで戦闘力が跳ね上がる可能性もある。

黒曜さんが何らかの罠に嵌められたって可能性もあるか。


何にしても、『聖騎士』を1匹倒した程度で慢心するわけには行かないな。

今後も警戒と鍛錬を続ける必要がある。

まあ、とりあえず今は王国貴族共の話に戻ろう。


ローゼンヴァルト派閥は元より交戦など望んではいないとのことだ。

彼らは停戦と鬼族との交易再開を望んでいる。

加えて、『魔界』の産物が交易で安定供給されるなら更に望ましい。

これは俺の描く構想とも合致するところだ。


ローゼンヴァルト公爵からの提案はこんな内容だ。

開拓地についてはバルバス男爵らへの委任を取り下げ、公爵家直轄領の扱いとする。

公爵家から役人が派遣され、俺の統治の下で開拓などの指揮に当たる。

俺とカトリーヌ嬢の婚姻により関係を結び、地域の安定と平和的な交易に繋げたい。

ただし、宗教的な理由などから表立って『魔族』と関係を結ぶわけにはいかない。

そのため、当面は「諸事情により勘当された娘が勝手に魔族と通じた」事にする。

正式な国交が結ばれた暁には、公爵家に一旦籍を戻した上で正式に婚姻関係を結ぶ。


一樹「ここがローゼンヴァルト公爵の直轄領になるのか・・・・」

アウラエル「そこは王国向けの建前ですね。公爵といえど王家の領土を勝手に放棄するわけにはいきません」


元を正せばなるみの母親と黒曜さんの土地だったはずだけどな。

だからと言って俺の土地に出来るかといえばそれも疑問ではあるのだが・・・。

黒曜さんを殺したことで王国が領有を主張するなら、俺が責められる謂れもない。

その辺りはもう割り切るしかないだろう。


一樹「王国による領有が既成事実化してしまう心配はないか?」

アウラエル「そこは懸念材料ではありますね。なるみちゃんの領地継承を根拠に正当性を主張しつつ、実質的な統治を堅持していきましょう」

一樹「そうだな」


人間族に『魔界』が脅かされることが無くなるなら建前はどうでもいい気もする。

しかし、一時の平和の為に王国の領有を認めるのはおそらく悪手だろう。

それは人間族の勢力拡大を許すことになり、『魔界』のリスク増大に繋がる。


そういう意味では公爵側の役人を受け入れるのもリスキーではある。

だが、俺の方で統治に必要な人材を揃えるのは現状ではまず無理だ。

俺と住民の間に王国側の人間が入ってくれるのもいろいろと助かる。

リスクはあってもうまいこと利用させてもらうしかないだろう。


俺の最優先事項はダンジョンの安全。

大事なのは最高権力者の地位を堅持し、開拓とダンジョンへの立ち入りをコントロールする事。

実務を任すことで公爵がこの地の利権を握り、多少うまい汁を吸ったとしても問題はない。

『魔族領』というスタンスだけは譲らなければ、ある程度は自由にさせても大丈夫か。

基本的にはこの提案を受け入れる方向で問題ないだろう。


一樹「ところでカトリーヌ嬢は行き遅れと言っていたが、いまいくつなんだ?」

アウラエル「今年16歳になったはずです。人間族ですと15歳から17歳辺りで結婚することが多いのですが、貴族家の娘が16歳になって婚約者が居ないと言うのは珍しい事ですね」


なかなかシビアな結婚事情だな。

もっとも、人間の身体的な出産適齢期は20歳前後と聞く。

地球では晩婚化が進んでいるが、こっちのほうがむしろ健全なのかもしれない。


一樹「なにか問題のある娘なのか?」

アウラエル「お人柄に問題があるというような話は聞きませんね。娘も4人目ともなりますと、家格と年齢が釣り合う相手を探すのは難しいのでしょう」


問題児を厄介払いしたいというわけでもないのか。

容姿の方も問題が無い所か美少女といって過言はないだろう。

強いて言うなら胸が・・・なんというか、控えめであるというくらいか。

俺は好きだが、こっちの美的感覚ではどうなんだろう?


地球だと公爵家って準王族みたいな感じだったっけ?

こっちも同じか分からないけど、高位の貴族には違いないだろう。

結婚したがる男は多そうだが、政治も絡むとなるといろいろ難しそうではある。


一樹「それを言うなら、俺は貴族ですらないだろう。それどころか、奴等が言うところの『魔族』だ」

アウラエル「主様のことは『東の魔王』の継承者を擁立する魔界の有力者、と説明しておきました」


継承者ってのはなるみの事か。

そういえばそんな話したな。


一樹「あいにくと貴人の振舞い方など分からんぞ」

アウラエル「場所が変われば作法も変わるものです。ただ毅然としてご対応いただければそれで十分ですよ」


小心者にはそれが難しいんだよ!

それに有力者どころか新参の弱小ダンジョンマスターだしな。


それにしたって根回しも無しにいきなり娘を送りつけるってどうなんだ?

政略結婚とか縁がなかったから分からないけど、もっと手順を踏むもんじゃないのかな?

なんというか・・・頭が痛いね。

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