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チェリーエレクション  作者: 今できる犬
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個人演説会

個人演説会とは、候補者が自分の政見の発表や投票依頼などの選挙運動のために、候補者自身が開催する演説会をいう。


この個人演説会は選挙期間中に開催され、候補者によっては最低1日1回、多いときには3回以上実施されることもある。個人演説会の回数は、その候補者の支持基盤の強さに表すものでもあり、場所は毎回異なる場所(選挙区内の各地域)で実施される。つまり、選挙区内の各地域の要所(基本は公共の施設だが神社や寺等の民間施設でもできる)を貸し切り、ある程度の支持者が集まることが見込まれることが必要であるため、無所属や党の新人候補には開催自体、ハードルが高いのも事実である。その点、大きい党の新人公認候補等は、知名度や基盤がある先輩候補者の演説会に相乗りをさせてもらうことができるだけでなく、また地方議員選挙であれば、選挙区の国会議員の応援も期待できるメリットがある。しかし、一太郎のような無所属の新人にとってこの個人演説会の開催はあまり効果がなく、むしろ駅頭演説の方がより多くの無党派層に訴えることが最善なのである。


だが、一太郎は、個人演説会は実施したいと考えていた。なぜなら、やはり自分の全力の主張をたとえ自己満足であっても伝えたいという想いがあったからである。しかも申請した場所は、なんと最大1000人収容できる希望区公会堂である。時間は2時間(だいたい公会堂等の公の施設の料金は2時間で設定されている)で予約しており、選挙管理委員会にも申請を済ませている。料金は公費で賄えるが一太郎はもちろん、公費を使用しない選挙を公言しているため自腹である


日時は選挙運動最終日の前日である。


あえてこの日に設定したのは一太郎の自分への発破をかける意味もある。この個人演説会までに誰よりもひたすら選挙区内をひとりで動き回り、「想い」を主張し続けるという固い決意があったからである。もちろん、個人演説会に来てくれる人が現れると信じて…


一太郎は選挙初日、午後8時までひたすら中街台駅で演説をし続けた。

「まだ選挙は始まったばかり。最後の最後まで諦めない」


星々が応援してくれると錯覚するほど、綺麗な夜空の日のことであった。


次号 桃太郎


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