第四話 交差する時空
魔王の秘書、オメマは困惑していた。
(あぁ…愛しの魔王様、何処へイッてしまったの?確かこの村までは一緒に…)
「まぁいい…きっと見つけるわ」
ボゥワ〜!グツグツ…
町娘姿から、半裸に戻った彼女の背後には、火の手が上がり…人々の悲鳴がこだましていた。村を全滅させる情け容赦無いオメマ。
「姫様、お誕生日おめでとうございます!」
パンッ!
宮殿の広間に、大きなケーキが運ばれて来る。メイドのマリスは、クラッカーを鳴らした。
「あん、カワイイ娘…チュッ」
エリザは、彼女を抱き寄せ…ホッペにキスをする。
「ジュルル…(ヨダレを拭う)姫様、この特大イチゴをご覧下さいませ〜」
「わぉ、大っきいわね。」
「我を助けよ…」
明らかにソコから、声がする。
「ん?このイチゴ喋った…は、気のせいね」
何かに気づくが、知らんフリをするエリザ。
「もうっ姫様ったら、おちゃめ。」
うっとり見つめるメイドは、このケーキの異変に気づこうともしない。
その頃…魔法使いエルフのメーソンと共に、冒険者ギルドを訪れるネイビー夜空。
「何だ、この高額の依頼は?」
「夜空様…コレって例の。」
(そうだ、この街に来る間…彼女に聞かされた話で、ウルトランドの中央国の王女エリザの悪政によって、民が苦しめられていると)
「そう…政府は見かねて、極秘に王女の暗殺を我らに依頼したのです。」
ギルド長の獣人女性が、小声で教えてくれた。
「よし、受けた。」
「えっ…ダメですよ。あの王女、トンデモない妖術使いと聞きます。」
メーソンは、慌てて止める。
「俺を誰だと思ってるんだ?」
「人のパンツに、顔突っ込む変態野郎です…」
(えっと…メーソンは、実は喜んでいると。)
スマホ画面に加筆する夜空
「夜空様…次は、パンティの中入りますか?」
彼女は、恥じらいながらスカートをめくる。
「ほ…ほう〜。」
(い、いかん…パンティについ、ほう〜させられてしまった。)
「ホォ〜ホッホッホ!ワタクシこそ、魔王の第一秘書、オメマ様よ。」
依頼を受け、砂漠を進むふたりを、魔王の側近が待ち受ける。
「え、エロ…」
ガンッ!
彼が、半裸の女に見惚れていると、連れに足を踏まれる。
「えっと…」
言葉を詰まらせるオメマ。
(あっ、そうか…この続きまだ書いて無かった。)
スマホ画面には…彼女との出会いまでしか書いて無く、後は空白だった。
「そうだ。メーソンとオメマに、俺は…レズバトルで、イカされる…と。どうだ!」
「するかいっ!(女子ふたり、声合わせ)」
彼女達に、頭を思いっきり叩かれて…街の入口の看板にぶち当てられ、出血する夜空。
「イグッ!」
その街の名は…〈レズバトール市〉だった。




