第三話 最強魔王ウィズ爆誕
光に包まれ実体の無い、転生神バシアの足下に傅く少年…いや少女にも見える、美しい姿。
「我が子ウィズよ…お前を愚かな人間の姿に変えたのには、理由があるのだ。」
「父上…胸と股間に、違和感を感じます。」
「女性体の乳房と、男性器の両方を授けた。」
「何故その様な事を?」
「下界の調整を頼みたい…世界のバランスを崩す存在が2つ、神の力を乱用しておる。」
「ですが、いかにして?」
「魔王となるが良い…そうして、ウルトランドを支配するのだ。」
「魔王の概念が分かりません…」
「頭に角でも生やして、私が最強だ!とか言ってりゃいいんじゃね」
「ですね…我が名は、魔王ウィズ。我に勝てる者など、この世に存在しない。何故なら、我こそが最強だから!」
その瞬間、彼のカラダは巨大化し…頭部の、こめかみと額に3本の角を生やした。
「頭、重っ…」
下界に降りた魔王は、村々を襲い…勢力を拡大していった。
大地は裂け、人々の血が川を作り…強制労働で建設させた巨城に、君臨するまでに至る。
「えっと…大体こんな感じで。」
玉座に座るウィズは、何処か自信なさげだ。
「魔王様…地上には、ふたつの脅威が存在します。」
手下の、露出過剰美女サキュバス…オメマが跪き、報告する。
「知っているさ…勇者夜空と、悪役令嬢エリザだろ。」
「イヤ〜ン、さすが魔王様…で、いかに致しましょう?」
「カワイイお前を討伐に行かせ、倒されては適わん。我、自ら視察に向かうか」
「では、ご一緒させていただきます。バレない様、人間に化けて」
シュルシュルシュルシュル…
カラダを霧に包むと、ハダカ同然の姿から…町娘へとスタイルチェンジする。
「では、我も…」
ビカッ!
一瞬の光で、角を引っ込め…冒険者になる魔王。
「魔王様…お美しい」
男装しても、大きな胸を隠しきれないウィズ。
「股間のモッコリ、ジュルリ…」
ヨダレを拭うオメマ。
「そっちかい…」
何気に、女性寄りの思考を持つウィズは、心外だった。
「オメマ(ギリの名前だな…)くれぐれも、下々の民に気づかれない様に」
「ハイ、魔王…いえ、ウィズ様」
開けた村の商店街を抜けて…町外れの民家を通り過ぎるふたり。
「お気をつけ下さい。この村には、魔力の強い者が多いと聞きます…バレない様にしませんと。」
「そうだな…」
言いつつ、体に道端の木を巻き付けるウィズ。
その時、ひとりの子供が近づいて来る
「あ…」
「え…(しまった、魔力を抑えるのを忘れてた)」
彼は油断して、オーラを消していなかった。
「あ、魔王…」
そう言われた次の瞬間…ウィズの姿は、高品種のイチゴに変わっていた。




