第二話 え〜!ワタシが悪役令嬢?
(ここからは、彼女の独白でお送りします)
ワタシの名は、王女エリザ。この異世界ウルトランドに転生した、美少女。
(うう…前世での容姿は、思い出したくも無いわ)
このミラクルスマホ…(ただの携帯)この中のWEB小説を書き足すだけで、この世界は思い通りになる事に気付いてしまった。
「王女様、お御足をマッサージします。」
王室の宮殿…豪華な部屋で、可愛いワタシの侍女マリスが、今日も甲斐甲斐しく世話をしてくれる。
「今日の予定は?」
「ハイ…ご婚約なさってる、隣国の王子様との会食の準備が整っております。」
「あぁ…あの、いけ好かないグッドウィル王子か、そうだっ」
カキカキ…
[エリザ王女は隣国の王子に、こんやく破棄される。]
っと…
(いっぺん、やってみたかったんよね〜)
美しい、クラシック音楽の調べ…王室の宴会場で長いテーブルを挟み、向かい合うワタシと、金髪の美形(性格最悪)王子。
「エリザ様、相変わらずお美しい…お顔だけは。」
(は?テメーにだけは、言われたくね〜よ!この、腹黒王子め)
「オホホホ…ご冗談の上手な、王子様ですこと。」
「時に、ご婚約の件ですが…」
(キタキタキタ〜!さっさと破棄しやがれっですわ。)
「このまま、進めてもよろしいですか?」
「え?」
目が点になるワタシが、手元の料理を口にしようとした時…
シュパッ!
王子の投げたナイフが、具材に刺さり…そのまま地面にそそり立つ。
「な、何をなさって?」
戸惑うワタシをよそ目に、立ち上がりる王子…
「料理長を呼べ!」
我が王家お抱えの、一流コックを連れて来させ、膝まづかせる。
「コレは何だ?王女を殺す気か…」
足下に突き刺さったナイフを抜き、料理を見せる。
「腐ってるぞ、コレ。すぐに破棄しろ!」
王子のその手にある具材…ワタシが、過去世に見た事のあるソレ。
「こ…こんにゃくぅ〜?」
慌てて、スマホを確認すると
[エリザ王女は、隣国の王子に…こんにゃく破棄される。]
(しまった、婚約と蒟蒻を間違えて打っちゃた…えへへっ)
その後、遺憾ながら王子に謝罪し、料理の管理を徹底する事にしたんだけど
「えっと…料理の灰汁抜きって、どうしてるの?」
調理場で料理長と共に、煮立つ鍋を覗き込んだ時
「危ないです、姫様!」
中からの強烈な湯気で、目を刺激され…手に当てて、料理をひっくり返してしまった。
ジュ〜!
「良かった、ご無事で。焼けたのが灰汁だけで良かったですよ。」
「あぁ…灰汁焼く令嬢ってか、ハハハ」




