第一話 ドヒャ〜!俺が世界の新常識
(世界が、自分の思い通りになったら?誰もが一度は考えただろう。そんな想像の世界を実現するのは、スマホ上のWEB小説…そこには、俺の理想の全てが存在しているのさ)
人生の敗北者…[アラフォー借家暮らし、彼女無し童貞、低給料の社畜、低身長でブサメン]酒田トシオは、今日もサービス残業後、人気の無い交差点を歩きスマホで横断していた。
「おっもしれ〜な、この小説。俺そっくりの負け犬が、異世界では無双でモテモテじゃん…デヘヘ」
キキィ〜!ドッカ〜ン!
信号無視の車が、不注意な彼を吹き飛ばす…
「アラ〜!死んじゃうの〜俺ぇ〜」
ファンファンファン…
トボけたBGMが、トシオの耳に入る。
「クソッ…あ、あれ?ここは」
空間に浮かぶ肉体…白いモヤのかかったその周囲は鏡の様で、自分のカラダを映し出す。
「ハダカやんかいさ…でも、スマホ握ってんじゃん。」
手元の携帯を覗き見ると、今の状態をそのまま書き写した小説が、目に入る。
[トシオの持った携帯により、世界は都合良く書き換える事が出来るのだ]と。
「マジかコレ、まさかな?カキカキ。」
[トシオはイケメン勇者となり、異世界で無双する]
「なんちゃって…え、うわ〜!」
目が潰れそうな、強烈な光が彼を包むと…一気に地上に、叩き落とされた
ドサッ!
気がつくと鎧に包まれた手足、腰には剣、全身からみなぎるオーラ。
「ヤベ、俺勇者になっちゃった〜!」
異世界の集落手前で立ち上がり、スマホにまた書き加える。
[俺の名は、ネイビー夜空…最強スキルの勇者だ。でもその実力は理解されず、パーティーを追放されるのだった。]
「コレいっぺん、やってみたかったんだよな〜」
「夜空様っ」
目の前に彼を知る、巨乳の少女が現れる。
「待ってました!この娘は、小説のヒロイン魔法使いエルフの、メーソンちゃんだ。」
「あ、足がスベった」
ズルッ!
何故か、急に足を取られる夜空。
「キャ〜!イャ〜ン、そこダメ…夜空様ぁ〜!」
転んだ拍子に、彼女の股間に顔を埋めてしまう。
「夜空様の…バカァ〜!」
バッキィィ〜ン!
ぶん殴られ、吹っ飛ばされてしまう。空中をさまよいながらも、携帯を確認する。
「し、しまった…パーティーを追放じゃ無くて、パンティって書いちまったぁ〜!」
そう、彼はパーティー追放では無く、パンティを追放されてしまったのだった。
「な、何のこっちゃ〜!」
叫びながら星になる夜空…




