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トライ・ワールド  作者: 英心
2/5

二話  「岐路。 新たな道」

二話目です


いつも通り、物音を立てず家を出て町の南門に向う。馴染の門兵ボブと言葉を

交わし町を出る。向う先は『南の森』だ。


森へ向う途中で回復薬が無い事に気付く。丁度良い所で行商に出会った。


「すまんが回復役は持っているか?」

「はい。有りますよ。普通に効く奴が5$。無茶苦茶効く奴が15$です」

財布の中身は50$在ったが、町で買えば1つ3$だ。


「では、普通の…」

突然頭痛が走る。『うっ』声を漏らし蹲る


「旦那大丈夫ですかい?…アッシも一通り商売を終え帰るトコです。今日は

 特別にお安く譲りましょう。無茶苦茶効く薬が3つ残ってます

全部買って下さるなら、1つ7$にマケときますよ」

「そうか。済まないな、ではソレをくれ」

「ついでですから、頭痛薬も1つオマケしときましょう」

俺は行商に礼を言いながら、21$払い行商人と別れた。



いつも居る筈の赤鹿が今日に限って見当たらない。そのまま次の狩場へと進む。

さっき飲んだ薬が効いたのか、頭痛はもうしない。普段より調子が良い位だ

足取りが軽い俺は、最近踏み入らなかった、更に森の奥へと進む事にした。


普段なら足腰に響く為、越えない段差も今日は飛び降りる。生い茂る草木を

掻き分け先に進むと見慣れない洞窟の穴を見つけた。


「…これは、まさか」


穴を覗くと結構深そうな穴が続いている。松明を取り出し中に入っていく。


「結構深い。それに…人の手が加えられた足場だな」


一歩一歩確かめながら前に進むと分岐路に辿り着いた


「右か左か…さてどうしたものか」


悩んだ挙句、俺は右に向う事にした。所が足が勝手に左へと進んでしまった。


「…まぁ~良いか。体に正直に進むのも偶には良いものだ」


暫く進むと赤土の床は石畳へと変わっていた。俺は立ち止まり、松明で辺りを

照らす。すると壁に僅かばかりの凹みがある事に気付く。何気に触れるとソレは

隠し扉だった。


「ほぉ~こんな所に仕掛けが在るのか…」


そっと中を覗く。意外と小さな部屋の様だ。用心の為、扉が閉め切らない様に

床に停め石を置き中へ入った。


「これは…」


小さな部屋には、宝箱が在った。

中身は、見た事も無い幅広の刀身を持つ大剣だ。

恐る恐るその大剣を構えると見た目のゴツさとは裏腹に非常に軽い剣に驚く


「俺のブロードソードと同じ…否、それより軽いぞ」

一度試しに振り下ろしてみると空になった宝箱がパックリと真っ二つに切れる


「凄い!これほどの切れ味は、今まで見た事が無いぞ。

 刀身剥き出しのままだと危ないな。…帰ったら専用の剣帯を考えてみるか」

「…他にも隠し部屋が在るかもしれん。探してみるか」


その後3つの部屋と3つの宝箱を見つける。


「『リミット・ブレスレット』ギリギリの所で体力が残…るか。

 素早く回復薬を飲めば危機を脱せれる訳か…橋梁で即効性の高い薬を

幾つか用意しとくと良いのか。うんこれも使えるな」

「今度は、『リピート・リング』一定の時間を戻す事が出来る指輪か…なるほど、

 選択を迫られた時に選び直せるのに使えるな。よしコレも使えるぞ」


この指輪も腕輪と同じ様に装着する。

そして最後の宝箱に収められていたのは『若返りの薬』だ。これは飲まずに

持ち帰る事にした。旦那が若返って帰ったら妻のケリーが怒ると思ったからだ。

そしてついに、俺はこの遺跡の最深部と思える場所へ辿り着く


「今までと造りが違う扉だ。…きっと此処が最深部の部屋だ」


気合を入れ手に入れたばかりの大剣『ギガントバスター』を握り締め扉を開く

中は大き目のドーム状室内だ。中央ほどまで進むと異変が起こった。

入ってきた分厚くて大きな扉が勝手に閉まる。


「やっぱ…そうきたか」


神話や昔話では、決まってこの手の部屋には仕掛けが施されている。そしてこの

状況が整うと何かが出てくるパターンだ。

扉が綺麗に閉まると室内に明かりが灯る。全体がハッキリと見渡せる様になった

前方に、それっぽい祭壇がある事に気付く。

『ゴォオオオ』と呻り音を挙げ中から身の丈3M程の石像が出て来た。


「うはっ!固そうだな。それに腕が4本かよ」


ギガントバスターをしっかりと構え先制攻撃を仕掛けた。

今日は、目覚めてからずっと足取りが軽い。いつもより早く駆けれると信じ、

相手の出方を探るより封じる戦法で斬りかかる。


「悪いな!今日の俺は調子が良いんだ。暴れさせて貰うぞ」


袈裟斬りで相手の出鼻を挫く俺。ギガントバスターはそれに応えてくれた。

たった一発放った壱の太刀が石像の右肩をザックリと削る。

一気に右腕2本が切り落とされた。


「いけるぞ!」


いつもの俺と違う俺は、休む間を与えず攻撃を繰り返す。右腕をを失った石像は

バランスが取り辛く攻撃が散漫となり、あっけなく倒す事が出来た。

室内に静けさが舞う。



『フィールドボスが倒された。これより新たなるフィールドを開放する』

『フィールドボスが倒された。これより新たなるフィールドを開放する』


何処からとも聞こえるアナウンス。意味の通じない言葉だが殺気は感じられない。

きっと、何かが解き放たれたと感じた俺は、これ以上敵が出てこないと核心した


『討伐者にはボーナスとして覚醒を行ないます。第二ステージへ進めます』

『討伐者にはボーナスとして覚醒を行ないます。第二ステージへ進めます』


また意味の判らないアナウンスが流れたと聞き流す俺。ここで再び治まっていた

頭痛が駆け巡る。前よりも激しい痛みに俺はもがき、苦しみのた打ち回り、

意識が薄れて行った。


暫くして痛みは治まり、俺は遺跡を後に町へと帰った。門には古い知人のボブが

いつもの様に仕事をしている。声を掛け通り抜けようとする俺を呼び止めた。


「坊主!悪いが証明書かギルドカードを提示してくれ」


コイツの悪い癖だ。時々俺に悪戯を仕掛けてくる。お互い『いい歳』だのに暇な

ボブはコッチの疲れ等お構い無しで、仕掛けるのだ。


「おいおい。ボブ今日は疲れてるんだ。お前の遊びには付き合えん」


「『おいおい』はコッチの台詞だ小僧。…何故?俺の名を知ってる。妖しい奴だ

 ギルドカードか証明書を出せ!でないと一歩も町には入れんぞ」

言葉に力を込め腰にぶら下げた剣に手を掛けるボブ。


「まったく…判った。ほら!カードだ。しっかりと見ろ」


「エレイン・バレット。歳は17。犯罪歴は…無いな。ギルドランクは…Cだと

 お前…歳の割りに凄腕なんだな。それに背中の剣も見た事が無い。

まぁ~犯罪歴が無いな…おい!坊主どうした!?」


ボブの言葉が俺に三度、頭痛を引き起こさせた。苦しみで倒れかけるが、

今までの苦しみよりも軽い為、耐えれた。心配するボブは台詞を切り上げ、俺を

町の中へと入れた。…それよりも今日の奴の悪戯は辛辣だった。俺を坊主

呼ばわりするは、他人の名で呼ぶわ…他人の名?…エレ…イン??


『エレイン・バレット。17歳。冒険者ランクC』慌てて自分のギルドカードを

確かめ、記載されている名が違う事に始めて気づく。エレ…イン。どこかで

聞いた名だ。記憶を振り返る。今朝ボブが心配していた若造…

あれ?今朝は奴とそんな会話はして居無いぞ。何時だ?いつボブと俺は消息を

絶った若造の話をしたんだ? 


『森に狩りへ出かけた…行商と出会い薬を買った。安い薬を1つ。否高い奴を

 3つだ。アレ?変だ。遺跡の分岐路で右に行き…石像に俺は…殺された…』


だが、俺は生きている!同じ事象の記憶。だが、所々で違う記憶が入り混じる

ボヤケタ記憶。入り混じった記憶が俺の脳を襲う。



二話  「岐路。新たな道」  完

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