3 文章のAI臭問題~英語からの直訳系
2で出したのは、実際のGPTとの生成時やりとりです。
本当にふらっと「次何する~?」のノリで始めて、こっちが浮かんだざっくりした内容を投げると、そこから登場人物を肉付けしていく訳ですね。
ここで気をつけたいのが名前でして。
……ホトラン見てるとよく出てくる名前というのがあるじゃないですか。
ここでも「アシュフォードは使った」みたいなことを私は言ってますが、AIは好きに出させると、かなり「使いやすい名」を出してきます。
なので例えばさっきの話でしたら、アマンダ、ウィリアム、みたいな名前は指定しておきます。
「ガリ勉地味女は要らないから婚約破棄?ありがとうございます!」は主人公家族の出身をロシア風縛りにしたり、とそのままでは済ませないように。
とはいえ、分かり易い名前、ではあるのでそのあたりのバランスは必要かな、と。
たとえば「病弱な従妹に思いやりがない」? 婚約者様、それが私に何の関係が?」この話の場合は、イブリンやリチャード、という英国風名前に統一したんですが、結局私の中では「エミリーの話」になっています。強烈なキャラは、案外シンプルな名の方が強いのではないかと。
そして大体の方針で、仮スタート…… すると、だいたい止まります。
で、何度かやり直し、本スタート。
この話の場合は、逃走・追跡劇なので、「現在形で」と指定しました。そうしないと、でした~でした~でした~の連呼になります。
……そう、何がここから問題だったかというと、文章のAI臭問題です。
これがどこから来るか、というと、彼らは基本英語で考えるから、というのがあります。
こういうのは、後々投稿する際に手入力で修正しました。
……が、その中でも厄介だったのが主に三つ。
①会話+~は言った。
この連呼になるのは、(名前)said. を会話の間にはさんで、直訳する癖があるからです。
訳す時に代名詞を文脈から出してくることが少なく、そのまま出してしまうと、ひたすら文頭に名前をくっつけた短文が連打される、ということになってしまいます。
②短文連打・一文一動作
これも禁止事項にしておかないと、彼らが疲れるとすぐに出てしまいます。
見たことないでしょうか? 投稿された話の中でも、最後の方になると短文連打や、やたらと短い会話になることが。
だいたい二話に一回は振り返りをさせると、綺麗に出るようになりました。
③否定形から入る
not~butの構文の場合が一つ。
それと、もう一つが、彼らに言わせると、これは英語の視点と日本語の視点の違いらしいんですね。
英語の文章は、基本的に動いている状態だから、~しなかった。が唐突に出てくるそうです。
たとえば普通に何かを言われて悔しい、悲しいという状態だったとき、
彼女はその場で押し黙った。(が、涙がこぼれそうだった)
みたいに日本語で表現してほしいな、というとき、
彼女は涙は流さなかった。ただ、~だけだった。
のような、いや、その「流さなかった」はどこから来るの? 前提はどこにあるの? というのが疑問としてわいてきます。
そういう時に、否定形から入る、not~but構文禁止をこれもかけておかないと本当によく出てきてしまいます。
これをまた日本語としてスムーズな形にするのが、なかなか厄介なのです。
④よく使うまとめてしまう表現。
もう少しAI小説を見慣れると、分かってしまいますね。「整う」。
間違ってはいないんです! 日本語としても。
ただ、まとめすぎなんです。辞書における、1番の意味でなく、4番くらいの意味を頻繁に使うから、違和感があるんです!
こういうのは、「きちんとする」あたりに一旦一括置換させておいて、更にその場に適した表現にすることが多いです。
その他にも、細かいものでは色々あるのですが、一番分かり易い例が「整う」です。
元を聞いてみると、
>一番濃いのは settle 系。
my thoughts settled
my emotions settled
her breathing settled
the room settled into silence
a strange calm settled over me
このへんが、日本語にすると全部、
思考が整った
感情が整った
呼吸が整った
場が整った
胸の奥が静かに整った
みたいに流れやすい。
……とのこと。
⑤顔とか手とかでまとめてしまう
~の顔ではない、~の顔だった。
not~but構文とも繋がるんですが、そこにまた表情や顔つきといったものを全部「顔」でまとめてしまったり、何かしら単純化した単語にすることも往々にしてあります。
この場合は、顔だの何だのの片方を変えたりもしました。
⑥指先が冷える・胸が冷たくなる・喉の奥が詰まる等
これはもうシンプルに聞いてみて、
>たぶん元ネタはこのへんの英語表現だと思う。
指先が冷たくなる
→ my fingers went cold
→ my fingertips turned cold
→ cold crept into my fingers
→ my hands went cold
これは恐怖・緊張・ショックで血の気が引く描写。日本語でも物理的には通るけど、小説で頻出すると翻訳文っぽい。
胸の奥が冷たくなる
→ a cold feeling settled deep in my chest
→ a chill settled in my chest
→ something cold sank into my chest
→ my heart went cold
このへんだな。特に deep in my chest が「胸の奥」になってる可能性高い。
なので、AI文や翻訳調のラノベで見る
「指先が冷たくなった」
「胸の奥が冷たくなった」
「胃の底が冷えた」
みたいなやつは、だいたい英語の身体感覚描写の直輸入だと思う。
とのこと。
まあ要するに、以前翻訳小説みたいと言われたことがあるんですが、その方は慧眼です。
……と、そういうことはまだこれだけではないんですが、ざっくり大きな点としてはこんなものですかね。
要は、「元が英語」であるということは、かなり大きいということです。




