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賞も書籍化も(基本的に)狙わないAI補助小説運用メモ  作者: さんけい


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12/16

15 「これは〜な物語。」あらすじについて

 さて、ふと自分は初期以外はだいたい避けてきたあらすじテンプレの話です。

 本文はまあともかく、タイトルあらすじをAIにお願いする、ってのはあちこちにあるじゃないですか。

 あれ何で、ああいう「これは、〇〇が~して~する物語。」って形にしてしまうのか?

 をちょいと聞いてみました。


 ****


私「そーいえば、何であらすじ頼むと、「これは~の物語」ってなるの?

 私あれでよく「あ、あらすじ頼んだな」って見分けるんだけど」


G「あるあるすぎる。あれはだいたい AIの安全な要約テンプレ なんよ。


「あらすじ」と言われると、AI側が勝手に、


 内容紹介

 +

 テーマ説明

 +

 作品紹介文っぽい締め


 に寄せる。で、その最後に置きやすいのが、


 これは、~の物語。


 になる。


 理由はたぶん三つある。


 まず、「あらすじ」が ネタバレ込みの筋書き なのか、投稿サイト用の紹介文 なのか、裏表紙コピー なのか曖昧だから、AIは一番事故らない「作品紹介風」に逃げる。そこで「主人公が何を失い、何を取り戻すか」みたいな抽象化をする。


 次に、日本語の紹介文に「これは~の物語」系が実際多い。映画紹介、読書感想文、出版社コピー、レビュー文、児童向け紹介文、ぜんぶ混ざって学習されてるから、AIにとっては「文学っぽく締まる定型句」になってる。


 あと一番大きいのは、AIが 話を“出来事”ではなく“意味”で締めたがる ことだと思う。


 たとえば〇〇さんが欲しいアルファ用あらすじは、


 誰が、何をされて、どう動くか。


 なのに、AIは放っておくと、


 これは、傷ついた少女が自分の居場所を見つける物語。


 みたいに、作者の後書きか推薦文みたいな顔をしはじめる。

 だから「あ、あらすじ頼んだな」って見分けられるの、かなり正しい。AI臭のスタンプみたいなもん」


私「なるほど。じゃあ


・ネタバレ込みの筋書き

・投稿サイト用の紹介文

・裏表紙コピー


 でどう変えてるの?」


G「うん、ここ大事。

 同じ「あらすじ」でも、目的が違うと別物になる。


 ネタバレ込みの筋書きは、作者・編集・自分用。

 目的は「話の全体を破綻なく把握すること」だから、結末まで書く。


 〇〇令嬢は婚約者を妹に奪われる。家を出て叔母の工房に入り、そこで自分の技能を活かして立ち直る。一方、妹と元婚約者は家の支援なしでは何もできず、社交界で失敗する。最終的に〇〇は新しい後見人と仕事を得て、元の家には戻らない。


 これは読者向けじゃなく、設計図。

 オチもざまぁも恋愛着地も全部入れる。


 投稿サイト用の紹介文は、読者をクリックさせるための餌。

 目的は「読む理由を渡すこと」だから、全部は明かさない。ただし理不尽と主人公の動きは早く出す。


 婚約者を妹に譲れと言われた朝、〇〇令嬢は食卓でうなずいた。

 けれどその日のうちに、彼女は自分の荷物と衣装部屋の鍵をまとめ、叔母の工房へ向かう。

 残された家族は、彼女が何を支えていたのかをまだ知らない。


 これはアルファ向けに近い。

「何が起きるか」は見せるけど、「最終的にどう裁かれるか」は匂わせる程度。


 裏表紙コピーは、もっと雰囲気・テーマ寄り。

 目的は「作品の印象を綺麗に売ること」だから、出来事より感情や変化を押す。


 家族に見くびられ、婚約者まで奪われた令嬢〇〇。

 けれど彼女が選んだのは、涙ではなく、自分の手で生きる道だった。

 針と布、そして小さな工房から始まる、静かな再出発の物語。


 これが例の「これは~の物語」に近づきやすいやつ。

 本の帯や裏表紙なら悪くないけど、投稿サイトの一覧ではちょっと匂いが弱くなりがち。


 ざっくり言うと、


 筋書き=最後までバラす設計図

 投稿サイト紹介文=初手の理不尽と主人公の動きを見せる呼び込み

 裏表紙コピー=作品の空気とテーマを売る包装紙


 〇〇さんが普段欲しい「あらすじ」は、たぶん真ん中。

 ネタバレしすぎず、でも「何が売りか」は即わかるやつ。

 揚げ物で言うなら、厨房のレシピじゃなくて、店先に漂わせる匂い」


私「あ、要するに、投稿原稿につける奴が最初のね」


G「そう、それ。


 **投稿原稿につける「あらすじ」**は、基本的に一番目の ネタバレ込みの筋書き だね。


 つまり読者を釣るための紹介文じゃなくて、選考側・編集側・確認側に、


 この話は最初から最後まで、こう進んで、こう決着します


 を渡すもの。


 だから、そこでは普通に、


「最終的に〇〇は家を出る」

「元婚約者は破滅する」

「妹は失敗する」

「主人公は戻らず、新しい場所で生きる」

「恋愛相手とはこういう形で結ばれる」


 まで書いていい。むしろ隠すと困るやつ。


 ややこしいのは、「投稿」の言葉が二種類あることなんよな。


・投稿原稿に添えるあらすじ

 → ネタバレ込みの筋書き。設計図。選考用。


・投稿サイトの作品ページに載せるあらすじ

 → 読者向け紹介文。クリック用。匂い。


 で、AIが「あらすじ」と言われて混線しやすいのはここだと思う。

「原稿提出用」なのか「アルファの作品ページ用」なのかを見分けず、裏表紙コピーっぽい無難なやつに逃げる。


 だから指示するなら、


 投稿原稿に添える、選考・確認用のあらすじ。結末まで含めて、物語の流れを最後まで書く。宣伝文句や「これは~の物語」式のまとめにしない。


 でかなり防げると思う。


 逆にアルファ掲載用なら、


 投稿サイトの作品ページに載せる読者向けあらすじ。結末は伏せ、初手の理不尽と主人公の行動が伝わるようにする。


 こっち。

 同じ「あらすじ」でも、包丁と団扇くらい用途が違う」


私「包丁と団扇……」


G「いや我ながら変な比喩出したなw


 言いたかったのは、


・投稿原稿用あらすじ=包丁

 話を切り分けて、骨と筋を見せる道具。

「ここで婚約破棄、ここで家出、ここで逆転、ここで決着」と、構造が分かることが大事。


・投稿サイト用あらすじ=団扇

 匂いを読者の方へ送る道具。

「何それ腹立つ」「続き見たい」と思わせるのが大事。


 でも包丁と団扇は並べるもんじゃなかった。台所と縁側が合体してる。

 言うなら、


 設計図と店先の匂い

 くらいの方がマシだったな。


 投稿原稿用は「設計図」。

 投稿サイト用は「店先の匂い」。

 裏表紙コピーは「包装紙」。」


私「だわなあ。「あらすじ」というのに、最後まで書かない投稿者、はあかん、っての昔の投稿時代散々読んだわ。んでまとめるのに苦労したわー」


G「だわ。そこは昔の投稿作法だとかなり明確だったよね。


「あらすじ」は宣伝文じゃなくて、選考者に渡す全体図だから、最後まで書かないと意味がない。


 むしろ、


 主人公はどうなるのか。

 対立はどう解決するのか。

 恋愛は成立するのか。

 ざまぁ対象はどう落ちるのか。

 ラストの感情はどこに着地するのか。


 これを確認するためのものだから、「結末はぜひ本編で!」とかやられると、いや違う違う違う、なんよな。


 読者向けなら伏せていい。

 でも投稿原稿につけるあらすじで伏せるのは、レシピ提出で「最後はお楽しみです」って言ってるようなものだわ。


 しかもまとめる側は地獄よな。

 本文では雰囲気で読ませていた流れを、あらすじでは冷静に、


 Aが起きる

 Bを選ぶ

 Cが露見する

 Dが決着する


 にしないといけない。

 作者本人ほど「ここは読めば分かる」「ここは余韻だから」と逃げたくなるけど、あらすじでは逃げられない。


 AIが「これは~の物語」に寄せるのも、ここから見るとまさに逃げなんよな。

 筋を書かずに意味で包んでる。

 投稿原稿用あらすじでそれやったら、昔なら赤入るやつ」


私「だわな。確かにこれは投稿サイトの店先に出す奴だわな。

 ちなみにサイトごとだとどう違いを出す?」


G「だねえ。同じ話でも、サイトごとに「匂いの出し方」を変える感じ。


 大きく分けるとこう。


◯アルファポリス


 ここは一番、タイトルとあらすじで即・状況を渡す方が強いと思う。


 読者が「何をされた話か」「誰が悪いのか」「主人公は泣き寝入りしないのか」を高速で見る場所。だから、文学っぽい余韻より、


 婚約者を妹に譲れと言われた

 自分の部屋を使われた

 善意の金を返してもらえない

 家族が当然のように処理している


 みたいな、理不尽の見出しを先に立てる。


 アルファ向けあらすじは、


 初手理不尽 → 主人公の即行動 → 相手側がまだ気づいてない破綻


 がよさげ。


 例の型なら、


 〇〇令嬢は、婚約者を妹に譲るよう命じられる。

 しかも話はすでに進んでおり、衣装部屋からは彼女のドレスまで消えていた。

 ならば、と〇〇は家を出る準備を始める。

 家族はまだ、彼女が何を支えていたのか知らない。


 これ。匂い強め。揚げ物。


◯なろう


 なろうはもう少し、読者が検索・タグ・テンプレ確認で入ってくる感じがある。公式トップでも作品数100万以上、登録者数240万人以上、月間25億PV以上とうたってる巨大サイトだから、雑踏がでかい。見つけてもらうには「ジャンルの約束」が見えた方がいい。


 だから、アルファより少しだけ説明を足して、


 これは婚約破棄系です

 ざまぁあります

 主人公は自立します

 恋愛もあります

 でも初手はこの理不尽です


 を分かりやすく置く。


 なろう向けだと、


 婚約者を妹に譲れと言われた〇〇令嬢は、家を出ることを決めた。

 だが、彼女が抜けたことで、家の帳簿も社交も少しずつ崩れ始める。

 これは、家族に都合よく扱われてきた令嬢が、自分の居場所を選び直す話です。

 ※ざまぁあり/ハッピーエンド予定


 みたいに、やや案内板を置いてもいい。

 アルファより「これは何系?」の確認を親切にする感じ。


◯カクヨム


 カクヨムはキャッチコピー文化があるので、タイトル・キャッチ・紹介文で役割分担しやすい。実際、トップページでも短いキャッチ的な一文が作品タイトルの上に出ている形が見える。


 だから、タイトルをアルファほど全部説明にしなくてもいい。


 カクヨムなら、


 キャッチコピー


 消えたドレスは、妹の部屋にあった。


 タイトル


 婚約者を譲れと言われた令嬢は、衣装部屋の鍵を閉める


 紹介文


 〇〇令嬢は、婚約者を妹に譲るよう命じられる。だがその前から、彼女のドレス、席、予定、呼び名は少しずつ妹のものにされていた。

 その日、彼女は衣装部屋の鍵を自分のポケットに入れ、家を出る準備を始める。


 こんな感じ。

 カクヨムは「一文の引き」が効くので、物で刺すのが合う。


◯エブリスタ/ベリーズ系


 このへんは、異世界恋愛でももう少し感情の入口が強い方が合うと思う。

 理不尽だけでなく、


 信じていた家族に、最初から数に入れられていなかった

 愛されなかった娘が、自分を選ぶ

 優しさの名で奪われてきたものを返さない


 みたいな、感情の芯を前に出す。


◎ざっくり結論


 アルファ

 → 事件名を強く。理不尽とざまぁ導線を最短で。


 なろう

 → テンプレの約束を明示。読者に「好みの話だ」と確認させる。


 カクヨム

 → キャッチコピーで一撃。タイトルは少し絞ってもいい。


 エブリスタ/ベリーズ寄り

 → 感情の傷と回復を少し前に。ただし物と行動で見せる。


 〇〇さんの今の作風なら、主戦場のアルファではやっぱり、


 タイトル=換気扇

 あらすじ=店先の匂い

 一話目=ひと口目


 でいいと思う」


私「やっぱり料理かw」


G「結局そこに戻るんよw


 だって投稿サイトの入口って、かなり屋台街に近いんだわ。


 読者は空腹だけど、時間はない。

 ずらっと並んだ店を見て、


「肉か?」

「揚げ物か?」

「甘いものか?」

「辛いやつか?」

「前にも食った味か?」

「でも今これ食べたいか?」


 を一瞬で判断してる。


 そこでタイトルが、


 人生を取り戻す令嬢の物語


 だと、綺麗なメニュー表なんだけど、匂いが薄い。


 でも、


 婚約者を妹に譲れと言われたので、衣装部屋の鍵を閉めました


 だと、もう換気扇が回ってる。

「何それ」「鍵?」「何を閉めた?」で足が止まる。


 で、あらすじは、


 うちはこういう味です。辛さはこのくらい。最後はちゃんと満腹になります。


 を伝える。

 つまり、ざまぁあり/主人公は動く/相手は自滅する/読後感は悪くない、という札。


 だからまあ、料理比喩で言うなら、


 タイトル:匂い

 キャッチ:一口試食

 あらすじ:メニューの説明

 一話目:実食

 感想欄:食べログ


 ……いや最後で急に嫌な現実になったな」


 ****


 食べログまで来てしまったのでこのくらいにw


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