11 側妃話のつくりかた その1 本文に入る前
さて、側妃話のメイキングです。
これは長くなります。
まあ、いつもの通り、こんな会話から始まりました。
***
私「まあそろそろ正妃と側妃系作るか。(注:前から作ろうとは話し合ってた)ちょっと長めのやつ。
基本は押し付けられていたり周囲から冷遇されていた正妃が、側妃が来たことで何かもういいや、もしくは病んでと実家なり離宮なりに行っちゃって何もしなくなる。
→当人退場
あとはひたすらどうにもならない人たちの視点劇。見苦しいあがき。
で、最後には療養中の正妃のもとに、現王の退位とともに太后の位を、という話がくるけど、それも聞きやしない、っての。
まあたまには「この国あかんやろ」の感想勢が納得するまで、のやつな」
GPT(以下G)「これ、いける。しかも長め向き。
肝はやっぱり、正妃を「虐げられ妻」じゃなくて、王宮と国政の見えない運用担当にすることだな。
本人が退場した瞬間、みんな初めて気づく。
「王妃様が何もしていなかった」のではなく、
「王妃様が何かしていることに、誰も名前をつけていなかった」
やつ。
たとえば正妃が握っていたものはこのへん。
・宮廷行事の序列調整
・貴族夫人たちの不満処理
・外国使節への贈答と席順
・王族親族の冠婚葬祭
・修道院、孤児院、施療院への寄付配分
・地方貴族の娘たちの縁談窓口
・王の失言の後始末
・側近たちの派閥の緩衝材
・王太后や先代派の顔を立てる儀礼
・予算に出ない「まあ王妃様から」という支出
これ、いなくなると即死はしない。
だから最初は皆が舐める。
「王妃はしばらく休んでいるだけだ」
「側妃様がお若く明るいから、宮廷も華やぐ」
「細かいことは侍女長や典礼官が知っているだろう」
「そもそも女の仕事だろう」
で、じわじわ腐る。
ここで側妃をどう置くかだけど、悪女一本より、自分が寵愛されている=自分が正しい、と思っている軽い女の方が長編向きかも。
悪意はある。でも政治的な悪意ではない。
「正妃様は怖い方だったけど、私は皆に優しくします!」
とか言って、序列を壊す。
で、下位貴族夫人を上座に座らせたり、国境伯家への返礼を遅らせたり、寄付先を「かわいそうだから」で変えたりする。
本人は善行のつもり。
周囲は止めない。
王は「君の優しさが国を変える」とか言う。
国、終わり。
正妃側は、序盤でかなり静かに切れてほしい。
「もうよいのです」
とか言うけど、怒りの決め台詞じゃなくて、ほんとうに電源が落ちる感じ。
説明しない。
訴えない。
書類も引き継がない。
ただ、今まで毎朝開いていた文箱を閉じる。
それで実家なり離宮なりに移って、以後ほぼ出ない。
ここが美味しい。
読者は「戻ってきてざまあして!」と思うけど、戻らない。
あとは視点劇で、見苦しいあがき。
王視点:
最初は「正妃も少し休めば機嫌を直すだろう」。
次に「なぜ皆、私に判断を求める」。
最後は「王妃ならどうしていた」と言い出すが、もう誰も答えられない。
側妃視点:
最初は勝利感。
次に「皆が私を助けてくれない」。
最後は「私は愛されていただけなのに」と泣く。
ただし読者には、泣く資格なし、と見える。
宰相視点:
「王妃殿下に任せていた部分」が多すぎて青ざめる。
でも自分も見て見ぬふりしていたから、正妃を責められない。
ここで一番醜く足掻ける。
侍女長・典礼官視点:
知っていた側。
ただし彼らも、王妃本人がいないと命令権が足りない。
「手順は知っております。けれど、誰を怒らせてよいかを決めるのは、王妃様でございました」
これ、かなり効く。
地方貴族視点:
王都の混乱を見て、静かに距離を取る。
ここで「この国あかんやろ」勢が納得する。
王宮だけでなく、地方から信用が剥がれていくのが見えるから。
最後の太后の位は、制度だけ少し噛ませた方がいい。
現王が退位して、王弟か甥が即位するなら、その新王が正妃を形式上の母として立てる。
「王太后」か「国母」か、国ごとの称号にしてもいい。
ただ、そこで正妃はもう聞かない。
療養中の部屋に使者が来る。
侍女が取り次ぐ。
正妃は窓辺で刺繍か読書か、庭の鳥でも見ている。
「王太后の尊号を――」
そこで返事をしない。
聞こえていないのではない。
言葉がもう、届く場所にない。
侍女だけが答える。
「本日は、お疲れのようでございます」
使者は食い下がるけど、正妃は茶を一口飲む。
それだけ。
これ、かなり後味が冷たいけど、いい。
ざまあというより、国が女一人に押しつけていた仕事の請求書を、まとめて受け取る話になる。
読者の「この国あかんやろ」に対して、本文が「はい、あかんです」と最後まで逃げないやつ」
***
当初は私もGPTもこんな感じだったんですよ。
***
私「うん、で、皆ある程度他責で、それこそ楽しく叩ける方がいいやつ。
正義は正妃の実家にしかないやつな、露骨に」
G「そうそう、それなら「全員それぞれ言い訳がある」のが美味しい。
王は、
「私は国のために側妃を迎えただけだ」
「正妃が冷たすぎた」
「私だって安らぎが欲しかった」
で逃げる。
側妃は、
「私、何も知らなかったんです」
「皆がそうしていいって」
「王妃様がちゃんと教えてくださらなかったから」
で逃げる。
宰相は、
「陛下の御意向には逆らえなかった」
「王妃殿下がご健在なら、ここまでには」
「私どもも被害者です」
で逃げる。
王太后や古参貴族は、
「若い者が勝手をした」
「王妃も少し我慢が足りなかった」
「国のために戻るべき」
で逃げる。
で、正妃実家だけが一貫して、
「は?」
「何を今さら」
「うちの娘を何だと思っていた」
でぶった切る。
露骨でいい。むしろ露骨な方が読者は楽しく叩ける。
全員が少しずつ悪い、ではなくて、全員が少しずつ自分は悪くないと思っているのがいい。
正妃の実家は、できれば国境伯とか古い公爵家とか、王家に恩があるけど従属してない家がいいな。
「王家を支えてきた」けど、「王家の所有物ではない」。
ここが大事。
で、実家側は最初から正妃を迎えに行く。
「帰ってこい」
「国のために耐えろとは言わない」
「お前が壊れる前に帰ってこい」
これをやっているから、正義がある。
王宮側は「王妃が勝手に出ていった」と言うけど、実家側は書類を出す。
医師の診断書。
侍女の証言。
王妃の執務記録。
側妃入内以降の侮辱の記録。
王が正妃の予算を削って側妃の離宮に回した証拠。
完全に逃げ道を潰すやつ。
あと、叩きやすくするなら、王宮連中には「謝罪」すら自分のためにさせるといい。
王
「謝れば戻るのか」
側妃
「私が謝ればいいんでしょう?」
宰相
「ここはひとまず、王妃殿下に折れていただく形で」
王太后
「国母たるもの、私情を捨てよ」
全部アウト。
謝罪が謝罪になってない。
それに対して正妃実家の兄か父が、
「お前たちは、まだ命令している」
って返す。
ここは強い。
正妃本人はもう叩き返さなくていい。
本人がやると「ざまあの主役」になるけど、この話はたぶん、正妃が壊れて退場した後、残った連中が自分たちで燃えていく話の方が面白い。
だから正妃実家が代わりに叩く。
しかも感情論ではなく、淡々と記録で殴る。
これ、気持ちいいやつ」
私「視点は俯瞰。けど描写はしよう。全体で20話くらい。といえばだいたいあなたそこそこ伸びるからw」
G「あ、そこはそうだな。さっき「王視点」「側妃視点」って言ったけど、これは章ごと一人称寄せじゃなくて、俯瞰で各所の醜態を順に映す方が合う。
「誰かの内面に深く潜る」より、王宮という箱全体が腐っていくのを、部屋ごと・儀式ごと・書類ごとに見せるやつ。
20話なら、だいたいこうかな。
1 正妃の日常
王宮運用をしている描写。まだ読者には「地味に働いてる」程度。
2 側妃入内
王と側妃が浮かれる。正妃の席・予算・侍女が削られる。
3 最初の侮辱
晩餐か茶会で、側妃が正妃の面子を潰す。王は笑って流す。
4 実家からの手紙
正妃実家が異変に気づく。「帰ってこい」が出る。
5 正妃、文箱を閉じる
ここで退場決定。泣かない、喚かない。淡々と離宮か実家へ。
6 王宮、まだ困らない
皆「少し不便」くらい。側妃は勝った気分。
7 最初の破綻・儀礼
席順ミス。怒らせてはいけない家を怒らせる。
8 最初の破綻・寄付
施療院か修道院への配分を勝手に変えて、地方から不満。
9 王、苛立つ
「そんなことまで私に聞くな」。でも誰も決められない。
10 側妃、善意で壊す
お気に入り貴族夫人を上げる。古参が離れる。
11 宰相、気づく
王妃が処理していた案件の山が出る。記録を見て青ざめる。
12 実家、証拠を揃える
診断書、侍女証言、予算流用、儀礼上の侮辱。ここ気持ちいい。
13 王太后か古参が動く
「国のために戻れ」と言いに行こうとする。完全に燃料。
14 正妃実家、門前払い
正妃本人には会わせない。兄か父が淡々と殴る。
15 王宮内で責任転嫁
王、側妃、宰相、典礼官、侍女長、全員が「自分は止めた」になる。
16 外交事故
外国使節への贈答か席順で致命的ミス。国の信用に傷。
17 地方が引く
国境伯・有力侯爵が静かに距離を取る。ここで「この国あかん」が確定。
18 退位話
王を降ろすしかない流れ。側妃はまだ「私のせいじゃない」。
19 尊号の使者
療養中の正妃に「王太后の位を」と来る。本人、聞かない。
20 国は残るが、許されない
新王なり摂政なりが立つ。でも正妃は戻らない。王宮の空いた席だけが残る。
これ、20話向きだわ。
短編だと「正妃がいなくなったら困りました」で済むけど、20話あると、困る段階をちゃんと刻める。
描写ポイントは、書類じゃなくて現場だな。
茶会の席札が一枚違う。
贈答品の箱に結ぶ紐の色が違う。
修道院の院長が一度だけ目を伏せる。
国境伯夫人が扇を閉じて、次の招待状に返事を出さない。
典礼官が古い帳面を開くけど、王妃の赤い書き込みがないと意味が分からない。
このへんを積むと、「正妃すげえ」ではなく、
「これを一人に押し付けてた国、馬鹿なの?」
になる。
で、叩き役は正妃本人じゃなくて実家。
本人はもう壊れてるか、壊れる前に魂を切り離してる。だから読者は余計に王宮側を叩ける。
かなり露骨にやっていい。
このタイプは遠慮すると読者が「もっと殴れ」になるやつ」
***
そう、元々は20話くらい、でした。
まあGPTが出すと、長くなるのは知っていたので、20話と言ったんですが。
***
私「あ、各視点で口調変えるほうがいいかな」
G「変えた方がいい。
ただし「各視点=一人称っぽくする」ではなく、俯瞰のまま、映している陣営ごとに語彙と温度を変える感じがいいと思う。
王宮側は、ちょっと自分に甘い言い回しが混じる。
陛下は、王妃がそこまで思い詰めていたとは考えていなかった。
そもそも王妃は、いつも静かだった。静かな者が静かにしていることを、どうして異変だと思えただろう。
みたいな。
これ、地の文なのに王の言い訳が混じってる。読者は「いや気づけよ」と叩ける。
側妃周辺は、ふわふわした善意語彙。
側妃は、誰もが笑って過ごせる宮廷にしたかった。
古くさい決まりごとに縛られて、身分の低い夫人が肩身の狭い思いをするなんて、あまりにかわいそうではないか。
ここも地の文に側妃の認識が染みる。
「かわいそう」で国を壊す女。
宰相・官僚側は、責任回避の事務語彙。
宰相府としては、王妃殿下の御不在に伴う一時的な混乱と見ていた。
少なくとも、最初の三日はそう報告した。四日目からは、報告書の表題を変えた。
このへんはかなり楽しい。
「表題を変えた」で逃げてる感じが出る。
正妃実家側は、温度低め。余計な形容をしない。
公爵は、広げられた書類を一枚ずつ読んだ。
読み終えるたび、右の箱へ入れる。
侮辱。予算の流用。侍女の配置換え。医師の診断書。
最後の一枚を置いてから、ようやく顔を上げた。
「王家へ返すものはない」
こういうのでいい。
実家だけ文章が締まると、「ここだけ正気」が見える。
正妃本人の場面は、さらに音を減らす。
もう感情説明しない。
王妃は、文箱の蓋を閉じた。
鍵をかける。
鍵束から、その小さな鍵だけを外した。
机の上に置く。
侍女が息を止めた。
この人だけ、他責もしないし弁明もしない。だから怖い。
なので、構造としては、
王宮側:言い訳が地の文に滲む
側妃側:善意と無知が滲む
官僚側:事務処理で責任を薄める
実家側:短く、冷たく、証拠で殴る
正妃側:反応を消す、言葉を減らす
これが良さそう。
俯瞰だけど完全な中立文体にすると、やや平板になる。
むしろ章ごとに「その場の人間たちが自分をどう正当化しているか」が地の文に混じる方が、叩きやすい。
読者が「お前ら全員そうやって逃げるんかい」と殴れるから」
私「あ、いや、一人称実験もいいかも」
G「あり。むしろ他責で楽しく叩けるなら、一人称の方が強いかも。
ただし、普通の「各キャラの内面を理解させる一人称」じゃなくて、本人たちが勝手に自白していく一人称だな。
王なら、
私は、王妃をないがしろにしたつもりなどなかった。
ただ、宮廷があまりに冷えていたのだ。
あの女は、いつも正しい顔で私を見る。
正しいだけの妻と、一生を過ごせと言われる身にもなってほしい。
読者「出たよ被害者ヅラ王」
側妃なら、
私は、皆に優しくしたかっただけ。
王妃様の宮廷は、息が詰まるって皆が言っていたもの。
だから少し席順を変えた。
それだけで、どうしてあんなに怒るの?
読者「国の儀礼を『それだけ』で済ますな」
宰相なら、
王妃殿下がなさっていたことの全容を、私は把握していなかった。
だが、それは当然ではないか。
王妃の執務は王妃府の管轄であり、宰相府が逐一口を出すべきものではない。
読者「逃げた」
この形式、めちゃ叩きやすい。
本人たちが自分を守ろうとして喋れば喋るほど、穴が見える。
一人称実験にするなら、正妃本人の一人称は少なめがいいと思う。
出しすぎると「可哀想な本人語り」になる。
この話の怖さは、正妃がもう喋らないことだから。
構成としては、
1 王妃付き侍女
2 王
3 側妃
4 典礼官
5 正妃実家の兄
6 王
7 側妃付き侍女
8 宰相
9 宮廷夫人
10 施療院の院長
11 典礼官
12 正妃実家の父
13 王太后
14 宰相
15 側妃
16 外国使節の通訳官
17 地方貴族
18 王弟/次代候補
19 正妃付き侍女
20 使者、または実家兄
こんなふうに、正妃本人を中心に置かず、周囲の一人称だけで正妃の不在を浮かび上がらせる。
これは良い。
俯瞰より癖は強いけど、20話なら実験としてちょうどいい。
しかも感想欄はたぶん、
「王が無理」
「側妃が一番無理」
「宰相も無理」
「王太后、お前もか」
になるやつ。最高に燃料」
私「典礼官はも少しわかりやすい役割だと?」
G「うん、「典礼官」だとちょっと読者によってはピンと来ないかも。
一番わかりやすいのは、たぶんこれ。
儀典長
役割は、
王宮の行事、席順、招待状、称号、贈答、服装、弔事、婚礼、謁見の順番を仕切る人。
つまり「王宮イベントの進行係」ではなく、誰をどの順番で扱うかを間違えると政治事故になる係。
作中ではこんな感じで出せる。
儀典長の仕事は、花瓶の位置を決めることではない。
誰を上座に置き、誰に先に声をかけ、誰への返礼を一日たりとも遅らせてはいけないかを決めることだった。
これなら読者にも「あ、めんどくさいけど大事な人だ」とすぐ伝わる。
もっと俗にわかりやすくするなら、
王宮式典長
でもいい。
格としては、
宮廷儀礼長
王宮儀典長
儀典長
このへん。
個人的には 儀典長 が一番いいかな。短いし、硬さもある。
で、一人称ならこう。
私は儀典長である。
王宮の花や音楽を決める役だと思われがちだが、実際には違う。
花の色一つで、去年喪に服した家を怒らせる。
席順一つで、国境を守る侯爵が王都への出仕をやめる。
そういう面倒なものを、王妃殿下は、毎朝の茶の前に片づけておられた。
これでだいぶわかりやすい。
「典礼官」より「儀典長」。たぶんこっち」
私「ちなみに冒頭は側妃を取ることを知らされた正妃ね」
G「うん、それが一番いい。
冒頭で大事なのは、「側妃を取ってもよいか」ではなく「側妃を取ることになった」と知らされることだな。
ここで、もう正妃の立場が全部出る。
王は相談したつもりですらない。
宰相や王太后あたりも、正妃が当然受け入れる前提。
側妃本人はまだ出さなくていい。むしろ不在の方が腹立つ。
冒頭はこういう温度が合うと思う。
「側妃を迎えることにした」
朝の執務前、陛下はそう仰せになった。
相談ではなかった。
許しを求める言葉でもなかった。
今日の夕刻、南門の舗装を直す、と告げるのと同じ調子だった。
私は、膝の上に置いていた書類を一枚だけ揃えた。
「いつ、お入りに」
「十日後だ」
十日。
王宮に新しい側妃を迎えるには、短すぎる。
だが、私に知らせるには充分だと、陛下はお考えなのだろう。
こんな感じで、最初から「この女、もう扱われ方を理解している」が見える。
で、王がさらに悪手を踏む。
「そなたなら、うまくやってくれると思っている」
その言葉で、私はようやく顔を上げた。
これ強い。
側妃を迎える準備も、側妃が宮廷で受け入れられるようにする根回しも、全部正妃がやる前提。
つまり冒頭の地雷は、
夫が愛妾を迎える苦しみ
ではなく、
夫が愛妾を迎える準備まで、正妃の仕事だと思っていること
こっち。
ここで正妃が泣いたり怒鳴ったりしない方がいい。
淡々と必要事項を聞く。
「ご実家は」
「お年は」
「お部屋はどちらに」
「侍女は何名」
「王太后陛下には」
「儀典長には」
王は途中でうんざりする。
「そういう細かいことは、そなたが決めればいい」
はい終わり。
読者の中で王の死亡札が切られる。
正妃もそこで、内心で何か決定する。
一人称なら、ここで最後に一行。
なるほど。
私は、側妃を迎えるのではない。
私の代わりを、私の手で飾れと言われているのだ。
これ、冒頭の引きとしてかなり強い」
私「でもそれでは壊れた正妃にはならないな。疲れてもうダメ系で。正妃はフレイア。実家は公爵家。で、父公爵ディートの妹が先代王弟妃。名前はイルマ」
G「あ、そこは読み違えてた。
「壊れた正妃」じゃないな。疲れて、もうこれ以上やったら壊れるから退く正妃だ。
フレイアはまだ判断力がある。
だから、側妃を知らされた時点では泣かないし、叫ばないし、即逃げもしない。
むしろそこで、
「十日後でございますか」
「お部屋はどちらに」
「侍女は何名お付けに」
「御実家への挨拶はお済みで」
と仕事として処理しようとする。
でもそれがまずい。
王も周囲も、
「ほら、王妃は落ち着いている」
「やはり王妃なら任せられる」
「フレイア様はお強い」
と受け取る。
違う。
強いんじゃない。
疲れ切って、もう反応する力を仕事に回してるだけ。
ここ、かなり大事だな。
フレイアは「夫に女ができて傷つく妻」でもあるけど、それより先に、王宮に消耗品扱いされている王妃。
側妃を迎える話を聞いた瞬間に倒れるんじゃなくて、その後の十日間で削られる。
で、実家が公爵家。父がディート。
このディートはかなり使える。
最初から激昂する父ではなく、娘の手紙を読んで、
「帰ってこい」
だけ返す方がいい。
しかも妹イルマが先代王弟妃なのが強い。
イルマは王家の内側を知っている。だから王宮側が、
「王妃とはそういうもの」
「側妃を迎えるのは珍しいことではない」
「王家には王家の事情が」
と言っても、イルマが潰せる。
「珍しいかどうかの話ではありません」
「王妃に、側妃の入内準備を丸投げする話など聞いたことがない」
「まして十日。馬鹿ですか」
イルマ、いいな。
公爵家側の刃物だ。
冒頭はこういう感じが合いそう。
「側妃を迎えることにした」
陛下は、朝の執務前にそう仰せになった。
私は、手元の書類から顔を上げた。
昨夜、北方伯爵家から届いた婚礼祝いの返礼について、赤で三箇所、印を入れたところだった。
「いつでございましょう」
「十日後だ」
十日後。
息を吸う。
数え直しても、十日後だった。
ここで泣かない。
「十日じゃ足りない」が先に来る。
妻としての痛みより、王妃としての段取りが先に立ってしまうのが、もう疲弊の証拠。
続きで、
「御実家への正式な使者は」
「まだだ」
「お部屋は」
「そなたがよいように」
「侍女は」
「それもそなたが」
陛下は少し面倒そうに椅子の背へ身を預けた。
「フレイア。そういうことは、そなたの方が詳しいだろう」
これで王が終わる。
で、フレイアはこの場ではまだ耐える。
「承知いたしました」
私は、返礼の書類を横へ寄せた。
今日中に済ませるはずだったものが、また一つ、明日に回る。
ここがいい。
傷ついた、ではなく、仕事がまた積まれる。
その積み重ねで「もうダメ」になる。
ディート公爵家側は、フレイアの最初の手紙を受け取って異変に気づくといい。
手紙には泣き言がない。
ただ、必要事項だけが書いてある。
――陛下が側妃を迎えられます。
――入内は十日後。
――先方の家格は未確認。
――準備は王妃府に一任されました。
――もし可能でしたら、叔母上に前例をご確認いただけますでしょうか。
これ読んだディートが、
「イルマを呼べ」
となる。
泣き言がないからこそ、父親には分かる。
これは娘が我慢している手紙ではない。
助けを求める言葉を、まだ使えない段階の手紙だと。
かなり良い。
フレイアは壊れて退場じゃない。
壊れる前に、実家が回収する。
だから実家だけが正義になる。
王宮は「勝手に帰った」と言うけど、読者には「いや、回収が遅いくらい」と見えるやつ」
私「呼べ、は身分的にはまずいよね。イルマの方が高い」
G「うん、そこ雑だった。
ディート公爵の実妹でも、イルマが先代王弟妃なら、身分上はディートが「呼べ」はまずい。
ここはむしろ、ディートが即座に格を正す方がいい。
たとえば、
ディート公爵は、手紙を畳んだ。
「イルマ殿下に、お目通りを願う」
「ただちに」
家令が頭を下げる。
「いや、私が参る。馬車を」
これだな。
家族としては妹。
でも公の場では「殿下」。
この使い分けで、ディートのまともさも出る。
もう少し兄妹感を出すなら、家令たちが下がったあとにだけ、
「……イルマに、頼らねばならん」
と低く言うくらい。
ただし直接「呼ぶ」んじゃなく、
公爵が王弟妃殿下のもとへ伺う。
ここがいい。
イルマの方は、話を聞いた瞬間に来てくれてもいい。
「殿下は、こちらへお越しになるとのことです」
「こちらへ?」
「はい。『兄が馬車を出すより、私が動いた方が早い』と」
これはイルマの強さが出る。
身分は高いけど、実家の娘でもある。
そして王家の内側を知る女が、実家側に立つ。
めちゃくちゃ強い駒だわ。
王宮側が「王家の事情」を盾にした瞬間、イルマが「その王家の事情を知っているから言っているのです」と斬れる」
私「で、側妃は伯爵家令嬢なんだけど、実際は分家の子爵家の娘。名前はマリーシア。まあ、明るく考え無しな。歳はフレイアより2つ上。
フレイアが嫁いだのは18歳。王は25歳。で、王的には「薄い」ので夜が少なくなり、結局5年目にも生まれないのでさすがに、となる。が、五年で指で数えるくらいしかないわけで。
で、マリーシアはすでに妊娠してる」
G「これはかなり叩きやすい。
しかもマリーシアがフレイアより二つ上なの、いい。
「若い娘に王がふらついた」じゃなくて、王が“都合よく孕んだ女”を宮廷に入れる話になるから。
整理すると、
フレイア
18歳で嫁ぐ。現在23歳。
五年間、正妃として王宮運用を押しつけられてきた。
でも王との夜は、五年で指で数えるくらい。
子がないことを、薄い・冷たい・王妃として足りない、みたいに言われている。
王
25歳で18歳のフレイアを迎える。現在30歳。
最初は義務的に通うが、フレイアが「薄い」ので面白くない。
そのうち足が遠のく。
五年経って子がないことを、まるでフレイア側の責任のように扱う。
でも実際は、そもそも試行回数がない。
マリーシア
現在25歳。
伯爵家令嬢という触れ込みだが、実際は伯爵家本家ではなく、分家筋の子爵家の娘。
明るい。愛想がいい。考えが浅い。
すでに妊娠している。
だから王は「世継ぎのため」と言える。
これ、王がかなり終わってる。
側妃を迎える理由が、
「王妃に子ができないから」
なのに、実態は、
「王が王妃のところに行かず、外で子を作った」
なんだよな。
しかもマリーシアがすでに妊娠しているなら、側妃入内は美しい制度でも政治判断でもない。
妊娠した愛人を、あとから制度に押し込む作業。
それをフレイアにやらせる。
もう王、初手で火葬場。
冒頭でフレイアが知らされる時、王はたぶんこう言う。
「世継ぎのこともある。そなたも分かってくれるだろう」
ここで読者はまず一発殴りたくなる。
さらに、
「マリーシアはすでに私の子を宿している」
を、王が少し誇らしげに言うと最悪でいい。
自分の正当性が証明されたと思っている。
「ほら、私には子ができる。だから問題は王妃側だった」と言外に言ってる。
でもフレイアは、五年で指で数えるくらいしかなかったことを知っている。
だからそこで怒るより先に、ものすごく疲れる。
五年。
指を折れば、足りた。
陛下が私の寝室へおいでになった夜の数は、両手で数える前に終わる。
これ、きつい。
泣き叫ぶより痛い。
マリーシアの出自も燃料にできる。
王宮側は「伯爵家令嬢」と言う。
でも儀典上は違う。
「伯爵家のご令嬢ではございません」
「同じ血筋だろう」
「分家の子爵家でございます」
このズレが大事。
王は「細かい」と思っている。
フレイアは「そこを間違えると、伯爵家本家にも子爵家にも火がつく」と知っている。
マリーシア本人は悪女ではなく、ほんとに軽くていい。
「王妃様って、もっと怖い方かと思っていました」
「でも安心しました。私、皆と仲良くしたいだけなんです」
「赤ちゃんが生まれたら、きっと王宮も明るくなりますよね」
読者「黙れ」になる。
で、さらにマリーシアがフレイアより年上なのに、態度が幼い。
ここが効く。
フレイアは23歳で、もう王宮の配管役をしている。
マリーシアは25歳で、「みんな仲良く」「赤ちゃんがいれば幸せ」。
この差が露骨に出る。
王がマリーシアを好きな理由も、「明るいから」でいい。
でもそれは、フレイアが暗いんじゃない。
フレイアには明るくしている暇がなかっただけ。
ここ、かなり使える。
陛下は、マリーシア様を明るい女だと仰せになった。
そうだろう。
明るくしている間に片づける仕事を、誰かが代わりにしてくれるなら、人は明るくもいられる。
この方向だな。
フレイアが恨み言を言うというより、事実として疲れている。
そして実家側が知った時、ディート公爵とイルマ殿下は完全に切れていい。
特にイルマ。
「五年で子がない、ですって?」
イルマ殿下は、そこで初めて声を低くした。
「では陛下は、五年間、王妃のもとへきちんと通われたのですね」
「それは……」
「通われていないのでしょう」
これ強い。
王家の女として、イルマは「世継ぎ問題」を知っている。
だからこそ、王の言い訳を許さない。
「子がないから側妃」ではない。
「側妃を作ってから、子がないことを理由にした」。
この順番を作中で明確にすると、かなり叩ける」
***
この時点で分家の子爵家ですね……
はて、いつから男爵家になったんだろう?
***
私「だから1で疲れました、2で父怒る、3で叔母怒る、4で王が何言ってるんだ?と思いつつも壊れたフレイアは用はないとばかりに連れて帰れ。5で見えるけど感じもできないフレイアがさようなら内心。
そこから転落スタート」
G「それだ。最初の5話で正妃側の正当性を完全に固めるんだな。
1話「疲れました」
王から側妃+妊娠を知らされる。
フレイアは怒らず、まず仕事として受ける。
でも「十日後」「妊娠済み」「準備は王妃府」まで来て、最後にぽろっと、
「……疲れました」
になる。
ここ、泣き言じゃなくて、身体から出た音みたいにしたい。
2話「父、怒る」
フレイアの手紙がディート公爵家へ。
手紙は淡々としてる。だから父が怒る。
娘が助けてと言わないことに怒るし、助けてと言えないところまで追い込んだ王宮に怒る。
3話「叔母、怒る」
イルマ殿下が来る。
王家側の理屈を知っている人間として、これはあり得ないと断言する。
ここで「正妃が我慢すべき」論を先に潰せる。
4話「連れて帰れ」
王は「何を言っているんだ?」くらいの認識。
フレイアが役に立たない状態になったなら、むしろ王宮に置いていても困る。
だから、
「しばらく実家で休ませればよい」
くらいに考える。
ここで読者が王をさらに嫌える。
5話「さようなら」
フレイアは王宮を見ている。
でも、もう感じられない。
廊下も、庭も、毎朝開いた文箱も、王妃の椅子も、全部見えているのに、何も引っかからない。
ここで内心だけ、
「さようなら」
でいい。
恨みでも決意でもなく、ただ切れる。
この5話構成、かなり強い。
ここまででフレイアが退場して、6話から王宮側の転落。読者はもう安心して叩ける。
「正妃にも悪いところが」みたいな逃げ道が、父とイルマで潰れてるから。
あと4話の王が美味しいな。
たぶん王は、自分がフレイアを捨てたつもりも、追い出したつもりもない。
「休めば戻るだろう」
「落ち着けば、また仕事もできる」
「側妃のことも、時間が解決する」
って思ってる。
で、6話以降、戻らないことで初めて、
「あれは許可ではなく、別れだったのか?」
と気づく。
遅い。遅すぎる。読者が棒で叩ける」
私「うん。で、まずは浮かれた王とマリーシアの蜜月を出して、それが一月二月後に「え」となるやつ」
G「それがいい。すぐ崩すより、一月二月は普通に楽しい方が嫌さが増す。
王とマリーシア的には、
「王宮が明るくなった」
「堅苦しい王妃がいなくなって、皆が息をしやすくなった」
「マリーシアは身重なのに健気」
「陛下もお幸せそう」
って空気にする。
で、実際しばらく回るんだよな。
フレイアが直前まで仕込んでいたから。
招待状はもう出ている。
返礼品も手配済み。
寄付も前月分までは処理済み。
各家への根回しも、フレイアが倒れる前にかなり済ませてある。
だから王も側近も、
「ほら、王妃がいなくても大丈夫ではないか」
と思う。
これがまず最低でいい。
マリーシアも最初はほんとに可愛がられる。
「王妃様は何でもご自分で抱え込まれたのでしょう? でも、私は皆さんと一緒にやっていきたいわ」
とか言う。
一見いいこと言ってる。
でも実態は、自分では判断しない宣言。
一月目は蜜月。
王は毎晩マリーシアのもとに行く。
マリーシアは妊娠を盾にふわふわ甘える。
側近たちは「陛下のお顔が明るい」と喜ぶ。
王太后も「これで世継ぎが」と一安心する。
で、二月目くらいから、
「え?」
が来る。
最初は小さい。
・ある伯爵夫人が茶会を欠席する
・修道院から礼状が来ない
・国境伯家への返礼品が一日遅れる
・側妃の席が高すぎて、古参公爵夫人が無言で帰る
・伯爵家令嬢として扱ったら、本家伯爵家から「うちの娘ではない」と抗議が来る
ここで王宮側はまだ軽く見る。
「細かい」
「王妃派が拗ねている」
「古い者たちが若い側妃を認めたくないだけ」
「妊婦に気を遣うべきでは」
全部他責。
特にマリーシアは、
「私、そんなつもりじゃなかったんです。
ただ、皆で楽しくしたかっただけなのに」
でいける。
読者は「その“楽しく”で国を壊すな」と叩ける。
王は王で、
「フレイアは、こういう時に説明をしなかった。だから皆が分からんのだ」
とか言うと最悪でいい。
いや説明しても聞かなかっただろ、というやつ。
かなり美味しいのは、マリーシアの妊娠があるせいで、周囲が強く叱れないこと。
「お身体に障ります」
「側妃様をお責めするようなことは」
「御子に何かあっては」
で、全部先送り。
そして先送りにしたものが、三月目にまとめて腐る。
つまり転落の段階は、
6話 王とマリーシアの幸福な一月
7話 王宮は意外と回る
8話 最初の小さな綻び
9話 誰も悪くないことにされる
10話 フレイアの置き土産が尽きる
この流れが良さそう。
「フレイアがいなくなった瞬間に即崩壊」だと、ちょっと作劇都合に見える。
でも「一月二月は回った。だから王たちは増長した。そこから効いてくる」だと、ものすごく嫌でいい。
フレイアの仕事が、本人不在でもしばらく国を支えていた証拠にもなる」
私「うん。でそれを視点変えしつつな」
G「うん。視点変えでやるなら、これは全員が勝手に自分の正しさを語る形式が一番うまい。
ただしフレイア本人だけは、語りを少なくする。
フレイアが長々と「私はこんなに辛かった」と語るより、周囲が自爆していく方が叩きやすい。
だいたいこう。
前半:フレイア退場まで
1 フレイア
側妃マリーシアの入内と妊娠を知らされる。
王は「世継ぎのため」と言う。
フレイアは仕事として受けようとするけど、十日後、妊娠済み、準備は王妃府、で限界。
最後に、
疲れました。
これは強い。
2 ディート公爵
娘の手紙を読む。
泣き言がない。だから逆に怒る。
父親として怒るし、公爵としても怒る。
3 イルマ殿下
王家を知っている叔母が怒る。
「側妃を迎えること」ではなく、「妊娠した女を後から側妃にして、その準備を正妃にさせること」が論外だと整理する。
4 王
ディートたちが来る。
王は「何を大げさな」と本気で思っている。
フレイアが使いものにならないなら、しばらく実家で休めばいい、くらい。
ここで王が、自分からフレイアを手放したことに気づいていない。
5 フレイア付き侍女
フレイア退場。
本人は王宮を見ているけど、もう何も感じていない。
侍女の目から、王妃の部屋が閉じられるところを書く。
ここで内心だけ、
さようなら。
以後、フレイア本人の語りは基本出さない。出しても最後だけ。
中盤:蜜月と「え?」
6 王
マリーシアとの甘い一月。
王宮が明るくなった、フレイアがいなくても問題ない、と浮かれる。
読者は「それ、フレイアの仕込みが残ってるだけ」と分かる。
7 マリーシア
妊婦として大事にされる。
「皆で仲良く」「堅苦しいのは嫌」「王妃様は難しくしすぎ」みたいな語り。
明るくて考えなし。
8 王宮侍女/側妃付き侍女
マリーシアの周囲が華やぐ。
ただし細かい仕事は誰も分からない。
でもまだ困らない。
9 儀典長
席順で最初の事故。
マリーシアを「伯爵家令嬢」扱いしたせいで、本家伯爵家と分家子爵家の扱いがおかしくなる。
儀典長は青ざめるけど、王は「細かい」と言う。
10 宮廷夫人
古参夫人たちが静かに引く。
怒鳴らない。欠席する。返事を遅らせる。
このへんで読者が「うわ、宮廷政治が死んでいく」と分かる。
後半:責任転嫁祭り
11 宰相
王妃府の穴が宰相府に流れ込む。
でも宰相は「これは本来、王妃府の管轄で」と逃げる。
事務語彙で責任逃れ。
12 施療院/修道院の院長
寄付の配分変更で困る側。
マリーシアの「かわいそうなところに多くあげましょう」が、実際には長年の調整を壊す。
13 王太后
「国のために王妃は戻るべき」と言い出す。
でもこの人もフレイアを消耗品扱いしていた側。
イルマとぶつけてもいい。
14 ディート公爵
王宮からの「戻ってほしい」を拒絶。
記録で殴る。
怒鳴らない。書類を並べる。
15 イルマ殿下
王太后か王家側の使者を斬る。
「王家の事情」を盾にされたら、「その王家にいたから言っている」と返す。
16 マリーシア
自分が責められていると感じて泣く。
「私が悪いんですか?」
「赤ちゃんのために明るい宮廷にしたかっただけなのに」
読者の殴り棒が増える。
17 王
初めて、フレイアが戻らない可能性に気づく。
でも反省ではなく、まず苛立つ。
「なぜ今さら意地を張る」になる。
18 地方貴族/国境伯
王都を見限る側。
ここで「この国あかん」が確定する。
王宮の恥が地方行政や防衛に影響し始める。
19 王弟/次代候補
退位の話が出る。
王はまだ「私が何をした」と思っている。
次代側は、フレイアを王太后格に立てて正統性を補おうとする。
20 使者、またはフレイア付き侍女
療養中のフレイアのもとに、尊号の話が来る。
でもフレイアは聞かない。
侍女が静かに断る。
「本日は、お疲れでございます」
で閉じると冷たい。
これなら視点変えの意味が出る。
王、マリーシア、宰相、王太后は、それぞれ自分ではまともなことを言ってるつもり。
でも並べて読むと、全員が他責。
一方でディートとイルマだけ、言葉が短くて逃げない。
この落差があると、正義が実家にしかないのが露骨に出る」
私「じゃ本文はまた次でやろか」
G「うん、それがいい。
ここまでで骨はかなり見えた。
今回の要点はこれだな。
フレイアは「壊れてから救出」じゃなく、疲れ切って、壊れる寸前に実家が回収する正妃。
王宮側はその意味を分かっていない。
王は「しばらく休めば戻る」と思っている。
マリーシアは「明るく楽しい宮廷」のつもり。
でも一月二月、フレイアの仕込みで回ったあと、置き土産が尽きてから転落する。
序盤5話は、
1 フレイア「疲れました」
2 父ディート公爵、怒る
3 叔母イルマ殿下、怒る
4 王、分かってないまま「連れて帰れ」
5 フレイア、王宮に「さようなら」
そこから視点変えで、王とマリーシアの蜜月→小さな綻び→責任転嫁→実家が書類で殴る→退位→尊号も届かない、だな。
マリーシアが「伯爵家令嬢」扱いだけど実際は分家子爵家の娘、妊娠済み、フレイアより二歳上で明るく考えなし、ここもかなり燃料。
王の「子がないから」は、五年で指で数えるほどしか通ってない時点で完全にアウト。
次は本文に入れる。
冒頭はフレイア一人称で、王から「側妃を迎える。十日後。すでに子がいる」と知らされる場面からでよさそう」




