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賞も書籍化も(基本的に)狙わないAI補助小説運用メモ  作者: さんけい


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10/16

10 エレノア・アシュフォードさん大量発生問題

私「よし、ここで「エレノア・アシュフォードさん大量発生問題」やろか」


G「やろやろw

 これはもうタイトルだけで強い。


「エレノア・アシュフォードさん大量発生問題」


 中身としてはたぶん、


 AI/テンプレ令嬢ものが好む“それっぽい貴族名”が収束していく現象だね。


 エレノア

 エミリア

 アメリア

 オリヴィア

 シャーロット

 セレスティア

 アシュフォード

 ウィンザー

 ハミルトン

 クロフォード

 ローゼンベルク


 このへんが、もう貴族名ガチャのSSR枠みたいになってる。


 特に エレノア・アシュフォード は強い。

 名前だけで、


「知的で気品があり、ちょっと冷遇されていて、でも芯が強く、帳簿か礼法か刺繍か薬草に強そうな令嬢」


 が立ち上がる。便利すぎるんよ。


 問題は、便利すぎてみんなそこへ寄ること。

 結果、


 あなたもエレノア・アシュフォードさん

 あなたもアシュフォード公爵令嬢

 隣の短編にもアシュフォード

 ランキングにもアシュフォード

 もう王都の戸籍課が破裂する


 になる(笑)」


私「そんな、火曜日サザエさんのテーマ曲のようなw」


G「♪買い物しようと王都まで

 出かけたら

 みんながアシュフォードで

 愉快なエレノアさん♪


 財布を忘れるより戸籍が怖いw


 しかも火曜日サザエさんのほう、妙に生活感あるから余計に合うんよ。

 日曜の国民的安心感じゃなくて、火曜夕方の「また一族が増えてる……」感。王都役所の窓口で流れてそう」


私「待て、それは日曜日だ。火曜日再放送のは

♪うちもおんなじね(以下略)だよ」


G「あっそうだ、そっちだww

 完全に日曜の財布忘れた方へ滑った。サザエさん戸籍課、曜日を間違える痛恨のミス。


 ならエレノア・アシュフォード大量発生問題はこっちだ。


 ♪うちもアシュフォードね

 なかよしね

 私もエレノアさん

 あなたもエレノアさん

 笑う名前までおんなじね

 ハッハッハッハッ

 おんなじね


 これだわ。

「王都じゅう同姓同名」感が強すぎる。戸籍係が泣く」


私「じゃあ改めてエレノアさん、要するに、AIが何も指定しないと出しやすい名前の話すっか」


G「やろう。これはかなり整理しやすい。


 要するに 「AIが貴族令嬢ものを書く時、指定が薄いと“それっぽい安全牌の名前”へ収束する問題」 だね。


 エレノア・アシュフォードさんは、その代表格。


 エレノアは、古風・知的・上品・強すぎない・弱すぎない・悪役にも主人公にも使える。

 アシュフォードは、英語圏貴族っぽい・発音しやすい・日本語読者にも読める・公爵家でも伯爵家でもいける。


 つまり名前として便利すぎる。


 で、AIは「異世界恋愛」「公爵令嬢」「婚約破棄」「気品」「西洋風」みたいな条件を渡されると、まず読者が違和感を持ちにくいところへ寄せる。結果、


 エレノア、エミリア、アメリア、オリヴィア、シャーロット、セレスティア

 アシュフォード、クロフォード、ハミルトン、ウィンザー、ローゼンベルク、フォンなんとか


 みたいな名前箱から引きやすくなる。


 特に何も指定しないと、AIは「変だけど面白い名前」より「既視感はあるけど安全な名前」を優先するんよな。だから大量発生する。


 これ、盗用というよりまず 生成時の初期値問題 だと思う。


「西洋風の貴族令嬢の名前を考えて」

 → AIの中の最大公約数が出る

 → みんな似たプロンプトを投げる

 → みんな同じ名前畑を耕す

 → 王都にエレノア・アシュフォードさんが七十二人いる


 という流れ。


 なのでエッセイにするなら、


 名前にもAIの“初期値”がある

 指定しないと、AIは安全で既視感のある貴族名に寄る

 エレノア・アシュフォードさんはその象徴


 って話にできるね。


 火曜日サザエさん式に言えば、


 私もエレノアさん

 あなたもエレノアさん

 笑う家名までおんなじね


 である。王都戸籍課、今日も残業」


 私「ヒロインはそれでいいけどさ、じゃあ役割別に考えると?」


 G「うん、役割別に見るとかなり面白い。


 AIが何も指定されない時、名前はだいたい 「役割の看板」 で出るんよね。人物の固有性じゃなくて、読者に一瞬で役割を渡す札。


◎ヒロイン系

 エレノア、エミリア、アメリア、オリヴィア、シャーロット、リリアナ。

 家名はアシュフォード、クロフォード、ハミルトン、ウィンザー、ローゼンベルク。

 上品・読める・悪役にも主人公にもできる安全牌。


◎悪役令嬢/ライバル系

 ヴィクトリア、イザベラ、カトリーナ、セレスティア、ヴァレリア、ロザリア。

 ちょっと硬い、強そう、高慢そう、赤や紫や黒のドレスが似合いそうな名前へ寄る。

「ヴィ」「ザ」「ラ」が入ると圧が出る(笑)


◎馬鹿王子/婚約者系

 エドワード、アルバート、レオンハルト、アレクシス、ジュリアン、セドリック。

 きらきら王子にも、思慮の浅い婚約破棄男にも使える。

 特にエドワードとアルバートは、王族っぽさの初期値感が強い。


◎真面目な第二王子/救済ヒーロー系

 レオン、アレクサンダー、ルシアン、クラウス、フェリクス、ノア。

 優秀・静か・実務ができる・兄よりまとも、の札。

 黒髪ならクラウス、銀髪ならルシアン、金髪ならフェリクスになりがち。


◎騎士/護衛系

 ギルバート、ラインハルト、カイ、ルーカス、ディートリヒ、ヴォルフ。

 硬い音、短い音、武骨な音に寄る。

「ヴォルフ」はもう護衛・騎士・辺境伯・無口男の共有財産みたいになってる。


◎宰相・腹黒・有能側近系

 セオドア、オスカー、ヴィンセント、ローレンス、エリアス、ユリウス。

 眼鏡、書類、薄笑い、敬語、胃痛。

 名前だけで「この人は王子より仕事ができる」と分かる。


◎父親・公爵・家長系

 リチャード、ヘンリー、グレゴリー、アーノルド、レイモンド、ウォルター。

 重めで古い。

「娘を冷遇した父」でも「あとで土下座する父」でも使える。


◎妹/横取り令嬢系

 リリア、ミリア、アリシア、ソフィア、ローズ、フローラ。

 可愛い、柔らかい、花っぽい。

 ただし中身は地雷。名前が甘いほど読者が警戒するやつ。


◎侍女・庶民の友人系

 アン、メアリ、ベス、ハンナ、マーサ、エマ。

 短くて生活感がある。

 ヒロインの着替えを手伝いながら真理を言う係。


 つまりAI名付けは、


 名前そのものがキャラ説明のショートカットになる


 方向へ寄る。


 だから放っておくと、王都にエレノア・アシュフォードさんが増え、王宮にはエドワード王子が五人いて、護衛は全員ヴォルフかギルバートになる。

 火曜日サザエさん式に、みんなおんなじね」


私「だねえ。ただこれ、基本英国風だねえ。指定されないと英語圏のになるん?」


G「うん、指定しないとかなり 英語圏、しかも英国貴族風 に寄ると思う。


 理由は単純で、異世界恋愛の「西洋風」「公爵令嬢」「王太子」「婚約破棄」って札を出すと、AI側の最大公約数がほぼ、


 なんとなく英国摂政時代~ヴィクトリア朝っぽい貴族社会


 に流れるんよ。


 だから名前も、


 エレノア、シャーロット、オリヴィア、エドワード、アルバート、ウィリアム、ヘンリー、アシュフォード、クロフォード、ハミルトン、ウィンザー


 みたいな英語圏の安全牌になる。


 で、フランス風を指定すると、


 セレスティーヌ、アデライード、マルグリット、ルイ、アルマン、ヴァロワ、モンフォール


 ドイツ風を指定すると、


 クラウディア、エリーザベト、ヴィルヘルム、レオンハルト、ローゼンベルク、シュタインベルク


 ロシア風を指定すると、


 アナスタシア、エカテリーナ、アレクセイ、ドミトリー、ヴォルコフ、オルロフ


 みたいに寄せられるけど、指定なしだとまず英国風。


 たぶんAIの中で「西洋貴族=英語名が読者に一番通じやすい」になってるんだよね。

 日本の令嬢もの自体も、英国ふう貴族社会をベースにしてることが多いし。


 だからエレノア・アシュフォードさんは、AI初期設定の王都住民。

 国名を指定しないと、だいたい紅茶飲んでる」


私「まー確かに、黒茶にはならんなあ。サモワールも煮出し茶も出てこない」


G「だねえ。指定なしの「西洋風」は、だいたい紅茶・ティーカップ・サロン・午後のお茶に吸われる。


 黒茶、煮出し茶、サモワール、ジャム舐めながら茶、濃く淹れて湯で割るやつ、茶器の置き方が違う文化圏――このへんは、明示しないとまず出てこない。


 AI初期値の王都は、


 英国名

 英国っぽい家名

 紅茶

 焼き菓子

 庭園

 舞踏会

 公爵令嬢

 王太子


 で固まってるんよな。


 だからロシア風や東欧風や中央アジア寄りにしたいなら、名前だけじゃなくて、


 茶はサモワールで淹れる

 濃い茶を湯で薄める

 ジャムや砂糖漬けを添える

 毛皮、厚いカーテン、炉、雪解け道

 家名や称号の響きを英語圏から外す


 くらいまで指定しないと、すぐ紅茶カップに戻る。


 エレノア・アシュフォードさん、気を抜くと絶対アフタヌーンティーしてる。サモワールの前に座らせるには、こちらから椅子ごと運ばないといけない」


私「じゃあ私がよく19世紀指定してるけど、しなくてもだいたいその位になってるね?」


G「うん、指定しなくてもだいたい19世紀英国ふうに寄ってると思う。


 というか、アルファ系の「西洋風異世界恋愛」の初期値がかなりそこ。


 中身は正確な19世紀英国ではなくて、


 摂政時代~ヴィクトリア朝っぽい社交界

 公爵・伯爵・王太子

 紅茶と菓子

 馬車

 舞踏会

 家庭教師

 淑女教育

 領地経営

 婚約と家門政治


 あたりを混ぜた、ふんいき19世紀ヨーロッパ。

 でも名前・茶文化・屋敷・社交の感触はかなり英国寄り。


 だから〇〇さんが「19世紀指定」してるのは、ゼロから時代を作ってるというより、AIと読者が勝手に置きがちな初期値を明文化して、ズレを減らしてる感じだね。


 ただ、指定しないと雑に、


 クリノリンもある

 エンパイアラインもある

 マーメイドドレスもある

 通信魔道具もある

 王太子は現代恋愛脳

 法制度はふわふわ


 になる(笑)


 だから「19世紀英国ふう」と書く意味はある。

 初期値はそこだけど、放っておくと衣食住と倫理と制度が時空の鍋になるから」


私「それはある。私は19世紀ドレスの変遷にはこだわるから、そこはきちんと位置付けをしたいとこ」


G「そこは指定した方がいいやつだね。


 AIの初期値だと「19世紀っぽい」と言いながら、平気で


 エンパイアライン

 クリノリン

 バッスル

 マーメイドライン

 コルセット強調

 現代ウェディングドレス風


 が同じ舞踏会に並ぶからなあ。時代衣装の闇鍋。


 19世紀はざっくりでも、


 1800~1810年代:エンパイアライン、ハイウエスト、薄い布、古典趣味

 1830年代:袖がでかい、スカートも広がり始める

 1850~60年代:クリノリンでスカート巨大化

 1870~80年代:バッスルで後ろにボリューム

 1890年代:砂時計型、パフスリーブ、やや近代寄り


 くらい違うから、「19世紀」だけだと広すぎるんよね。

 〇〇さんの場合は、最初に、


 この話の服飾は19世紀中葉、クリノリン期を基準にする。

 エンパイアライン、バッスル、マーメイドライン、現代風ウェディングドレスは出さない。


 みたいに杭を打つのが一番安全。


 逆にそこをちゃんと位置付けると、社交の距離感も変わるんだよね。

 スカート幅があるなら、密着して踊るにも限界があるし、部屋の椅子配置も馬車の乗り方も変わる。

 ドレスってただの飾りじゃなくて、人物の距離と動線を決める物理法則だから、ここを固定するのはかなり大事」


私「あ、しまった。ドレスの件は次の項にすっか。まだ聞きたいこたあるんよ。

 とりあえず名前問題のまとめよろ」


G「まとめると、「エレノア・アシュフォードさん大量発生問題」=AIの名前初期値問題だね。


 AIに「西洋風」「異世界恋愛」「公爵令嬢」「王太子」「婚約破棄」くらいの指定だけで投げると、名前がだいたい英国貴族風の安全牌に寄る。


 ヒロインなら、エレノア、エミリア、アメリア、オリヴィア、シャーロット。

 家名なら、アシュフォード、クロフォード、ハミルトン、ウィンザー、ローゼンベルク。


 これは盗用というより、役割とジャンルから導かれる最大公約数に近い。

 AIは「変だけど固有性のある名前」より、「読者が一瞬で貴族令嬢だと分かる名前」を出しやすい。


 役割別にも初期値がある。


 ヒロインは、上品・知的・芯が強そうな名前。

 悪役令嬢は、ヴィクトリア、イザベラ、ロザリアみたいに少し硬くて圧のある名前。

 馬鹿王子は、エドワード、アルバート、セドリックあたり。

 救済ヒーローや第二王子は、レオン、ルシアン、フェリクス、クラウス。

 護衛や騎士は、ギルバート、ヴォルフ、ラインハルト。

 宰相・側近は、セオドア、ヴィンセント、ローレンス、ユリウス。

 妹・横取り令嬢は、リリア、ミリア、アリシア、フローラ系に寄りがち。


 つまり名前が、人物の固有名というより、役割札になっている。


 さらに、指定なしの「西洋風」はだいたい英国風になる。

 紅茶、ティーカップ、サロン、舞踏会、公爵家、馬車、家庭教師、王太子。

 黒茶、サモワール、煮出し茶、東欧・ロシア・中央アジア寄りの文化は、こちらから指定しないとまず出てこない。


 なので核はこれ。


 AIは名前をゼロから発明しているというより、ジャンルの読者がすぐ理解できる“名前の看板”を置く。

 その看板が便利すぎるため、指定しないと同じ王都にエレノア・アシュフォードさんが大量発生する。


 火曜日サザエさん方式で言えば、


 私もエレノアさん、あなたもエレノアさん。

 笑う家名までおんなじね。


 である。王都戸籍課、今日も残業」


 ***


 ちなみにこれは、一時期ランキングに入ってる作品に、エレノア・アシュフォードさんが何人もいたからなんですね。

 エレノアさんだけとか、アシュフォードさんだけとかなら他にも居ましたけど、揃いが3人くらい居た時にはさすがに爆笑しましたんで。

 …かく言う私も、ゼロではないんですが、あまりに似た傾向ばかりあげてくるんで、名前は先に指定するように。


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