第十七話 試運転
※本作品はフィクションです。
登場する人物・団体・企業・鉄道・駅名・路線・車両などはすべて架空のものであり、実在するものとは一切関係ありません。
台風が海陽地方を通過して半日が経過していた。
舞洲鉄道では、各路線で安全確認が続けられていた。
運転司令室の大型モニターには、各路線の点検状況が表示されている。
『司令長、報告します。』
担当司令員が資料を手にする。
『舞洲本線、線路設備の点検が完了しました。』
『異常は?』
『ありません。倒木も撤去済みです。』
司令長はうなずいた。
『信号設備は?』
『こちらも異常ありません。』
『よし。試運転の準備を進めてください。』
『了解!』
ついに、台風によって止まっていた舞洲本線で、最初の列車を動かすことになった。
新舞洲駅。
留置線に停車していた列車の前照灯が点灯する。
運転士が乗り込み、出発の準備を進めていく。
『こちら試運転列車。出発準備完了しました。』
司令室から無線が入る。
『試運転列車、新舞洲駅を出発してください。』
『了解。』
列車はゆっくりと留置線を出る。
ポイントを通過し、本線へ進入する。
『司令長、試運転列車が新舞洲駅を出発しました。』
『進路、確認してください。』
『進路確認。問題ありません。』
列車は低速で舞洲本線を走行していく。
台風が通過した後の線路。
普段なら何気なく走っている区間だが、今回は一つ一つの設備を慎重に確認する必要がある。
『試運転列車から報告です。』
『どうぞ。』
『線路状態、問題ありません。』
『了解。』
さらに列車は進んでいく。
『信号、青です。』
『ポイントも正常に動作しています。』
司令室では、試運転列車の位置を確認しながら各設備を監視していた。
そして――。
『司令長、試運転列車が舞川駅を通過しました。』
『異常は?』
『ありません。』
『了解。引き続き確認してください。』
やがて列車は京橋駅を通過し、舞洲駅へ向かう。
そして数分後。
『司令長!』
『どうしました?』
『試運転列車、新舞洲駅に到着しました!』
『異常は?』
『ありません!』
司令室に少しだけ安堵した空気が流れる。
しかし、まだ全線が復旧したわけではない。
『舞洲本線は試運転を継続します。』
『了解。』
一方、空港線ではまだ安全確認が続いていた。
『司令長、空港線海上橋の点検状況です。』
『報告を。』
『橋梁そのものに大きな異常はありません。ただし、周辺設備の確認がまだ完了していません。』
『了解。無理に再開しないでください。』
『了解しました。』
舞洲空港駅では、運転見合わせ中の列車が静かに待機している。
駅員たちは引き続き利用者へ案内を続けていた。
そして司令室。
『司令長、舞洲本線の試運転、異常ありません!』
司令長は大型モニターを見つめる。
そして、静かに指示を出した。
『よし。舞洲本線は営業運転再開に向けて準備を進めてください。』
『了解!』
止まっていた舞洲本線に、再び列車が走り出す時が近づいていた。
しかし、まだ舞洲鉄道の全線が復旧したわけではない。
空港線、そして舞洲東線。
復旧を待つ路線は、まだ残されていた。
第十七話を読んでいただき、ありがとうございました!
今回は、台風によって運転を見合わせていた舞洲本線で、ついに試運転列車が走り始めました!
台風が通過した後も、線路や信号設備などに異常がないか確認してからでないと、営業運転を再開することはできません。
そして試運転の結果、舞洲本線では大きな異常がないことが確認されました。
しかし、まだ空港線と舞洲東線、その他各路線は運転見合わせ中です。
果たして、舞洲鉄道の全線が再び動き出す日はいつになるのか……。
次回はいよいよ営業運転再開へ!
次回もぜひお楽しみに!




