第十六話 安全確認
※本作品はフィクションです。
登場する人物・団体・企業・鉄道・駅名・路線・車両などはすべて架空のものであり、実在するものとは一切関係ありません。
台風が海陽地方を通過してから、数時間が経過した。
雨は次第に弱まり、風も徐々に落ち着きを取り戻していた。
しかし、舞洲鉄道の列車はまだ一本も動いていない。
運転司令室では、台風による設備への影響を確認するため、各担当者への指示が続いていた。
『司令長、保線担当から連絡です。』
『報告を。』
『舞洲本線の線路点検を開始します。』
『了解。安全を確認してから作業に入ってください。』
『了解しました。』
保線担当の社員たちは、点検用の車両に乗り込み、線路の状態を確認しながら進んでいく。
一方、電気担当も動き始めていた。
『信号設備と架線設備の確認を開始します。』
『よろしくお願いします。』
司令室のモニターには、各部署の点検状況が表示されていた。
舞洲本線。
舞洲東線。
空港線。
その他各路線。
すべての路線で、安全確認が進められている。
その時だった。
『司令長、舞洲本線から報告です!』
『どうしました?』
『線路上に倒木を確認しました。』
司令室の空気が変わる。
『場所は?』
『京橋駅と新舞洲駅の間です。』
『列車の運転再開には影響しますか?』
『撤去が必要です。このままでは運転できません。』
司令長はすぐに判断した。
『撤去作業をお願いします。』
『了解。』
『安全確認が終わるまで、運転再開はしません。』
『了解しました。』
その後も、次々と報告が入ってくる。
『舞洲東線、線路設備に異常ありません。』
『了解。』
『信号設備も異常ありません。』
『了解。』
『舞洲空港駅、駅設備に異常ありません。』
『了解しました。』
そして、新舞洲駅からも報告が入った。
『新舞洲駅留置線、異常ありません。』
『留置車両は?』
『すべて異常ありません。』
司令長は少し安心したようにうなずいた。
しかし、舞洲本線の倒木が残っている。
『司令長、倒木の撤去作業を開始しました。』
『作業員の安全を最優先にしてください。』
『了解。』
しばらくして――。
『司令長!』
『どうしました?』
『倒木の撤去が完了しました!』
『了解。では、その区間を再度点検してください。』
『了解しました。』
舞洲鉄道の復旧作業は、少しずつ進んでいた。
しかし、まだ運転再開の時ではない。
司令長は大型モニターを見つめる。
『すべての点検が終わるまで、列車は動かしません。』
司令員がうなずく。
『了解。』
台風によって止まった舞洲鉄道。
その列車が再び走り出すまでには、もう少し時間が必要だった。
そして、司令室には新たな報告が入る。
『司令長、全路線の点検状況がまとまりました。』
司令長は資料を受け取る。
『確認します。』
運転再開へ向けた最終確認が、始まろうとしていた。
第十六話を読んでいただき、ありがとうございました!
今回は台風が通過した後の、舞洲鉄道の復旧作業を描きました。
線路や信号、架線、駅設備など、列車を動かすためにはたくさんの設備を確認する必要があります。
そして今回は、舞洲本線で倒木が見つかるという出来事もありました。
台風が通過したからといって、すぐに運転再開できるわけではありません。
安全確認を一つずつ進めて、ようやく列車を動かすことができます。




