第十四話 運転見合わせ
※本作品はフィクションです。
登場する人物・団体・企業・鉄道・駅名・路線・車両などはすべて架空のものであり、実在するものとは一切関係ありません。
台風はさらに海陽地方へと接近していた。
雨と風は時間が経つにつれて強くなり、街中でも傘を差すことが難しいほどの風が吹いている。
舞洲鉄道運転司令室。
大型モニターには、舞洲本線、舞洲東線、空港線、その他各路線の運行状況が表示されていた。
空港線はすでに運転を見合わせている。
舞洲本線では速度規制が実施され、舞洲東線でも雨量の増加により警戒が続いていた。
『司令長、舞洲本線から報告です。』
担当司令員が声を上げる。
『京橋駅から新舞洲駅の間で風速がさらに上昇しています。』
『現在の列車は。』
『上り列車が一編成、新舞洲駅へ向かっています。』
司令長はモニターを確認する。
『その列車は新舞洲駅まで運転してください。』
『了解。』
しばらくして、再び報告が入る。
『司令長!』
『どうしました?』
『京橋~新舞洲間の風速が運転規制値を大きく超えました!』
司令室の空気が変わる。
司令長はモニターを見つめた。
空港線はすでに止まっている。
そして今、舞洲本線も安全に運転を続けることが難しい状況になっていた。
『……舞洲本線は全線で運転を見合わせます。』
『了解!』
司令員たちが一斉に動き始める。
『舞洲本線全列車へ連絡。現在走行中の列車は、最寄りの駅まで運転してください。』
『駅到着後は旅客を降車させ、運転を終了してください。』
『了解しました。』
その頃、舞洲駅。
ホームには列車が到着していた。
『台風の影響により、この列車は当駅で運転を終了します。お客様には大変ご迷惑をおかけします。』
乗客が次々と降車する。
駅員たちは利用者へ今後の運転状況を説明していた。
一方、司令室。
『司令長、舞洲東線からも報告です。』
『報告を。』
『雨量が規制値を超えました。』
司令長はすぐに判断した。
『舞洲東線も運転を見合わせます。』
『了解!』
『現在走行中の列車は、安全を確認しながら最寄り駅まで運転してください。』
『了解しました。』
舞洲東線でも一斉に案内が始まった。
駅係員は車内から降りてきた利用者を安全な場所へ誘導する。
そして、運転を終えた車両の一部は、新舞洲駅に併設された留置線へ移動していった。
『新舞洲駅留置線、現在三編成収容しています。』
『引き続き順次収容してください。』
『了解。』
一方、舞洲空港駅。
空港線の列車は、運転見合わせから時間が経った今も駅構内で待機していた。
駅員たちは乗客への案内を続けている。
司令室では、舞洲鉄道すべての列車が運転を終了したことが確認されていた。
『司令長、報告します。』
『はい。』
『舞洲本線、全列車運転終了。』
『舞洲東線、全列車運転終了。』
『空港線も全列車運転見合わせ中です。』
『その他各路線も全列車運転終了。』
司令長は大型モニターを見つめた。
そこには、普段なら動き続けている列車の表示がほとんどなくなっていた。
舞洲鉄道の列車が、静かに止まっている。
『……これで、舞洲鉄道の営業列車はすべて運転を終了しました。』
司令長はそう言った。
司令室に、しばらく静寂が広がる。
しかし、まだ終わったわけではない。
台風は、まもなく海陽地方へ最接近する。
そして鉄道会社にとって、本当の仕事はここからだった。
『各担当、引き続き警戒を続けてください。』
『了解!』
外では、さらに強い風が吹き始めていた。
舞洲の街を、台風が包み込もうとしていた。
第十四話を読んでいただき、ありがとうございました!
今回はついに、舞洲本線と舞洲東線、その他各路線も運転を見合わせることになりました。
第12話で空港線、第13話で舞洲本線などへの影響が広がり、そして今回、舞洲鉄道の営業列車がすべて運転を終了しました。
新舞洲駅の留置線も初めて登場しました。
しかし、台風はまだ最接近していません。
列車が止まったからといって、鉄道会社の仕事が終わったわけではありません。
次回はいよいよ台風が海陽地方へ最接近します。
ここから台風編の大きな山場に入っていきます!
次回もぜひお楽しみに!




