第十三話 影響拡大
※本作品はフィクションです。
登場する人物・団体・企業・鉄道・駅名・路線・車両などはすべて架空のものであり、実在するものとは一切関係ありません。
空港線の運転見合わせから、しばらく時間が経過した。
台風はさらに海陽地方へ近づき、雨と風は強さを増していた。
舞洲鉄道運転司令室。
大型モニターには、舞洲本線と舞洲東線、その他各路線の運行状況が表示されている。
『司令長、舞洲本線から報告です。』
担当司令員が声を上げる。
『どうしました?』
『京橋駅から新舞洲駅の間で、風速が規制値に近づいています。』
司令長はモニターを確認する。
『現在の列車は。』
『下り列車が一本、京橋駅を発車したところです。』
『速度規制の準備をしてください。』
『了解。』
司令員が列車へ連絡を入れる。
『こちら運転司令。前方区間で風速が上昇しています。速度規制を実施する可能性があります。』
『了解しました。』
列車は速度を落としながら、新舞洲駅へ向かっていく。
その頃、舞洲東線でも異変が起きていた。
『司令長!舞洲東線から報告です!』
『報告を。』
『線路沿いの雨量計が警戒基準を超えました。』
『現場の状況は?』
『現在、列車の運転に支障はありません。ただ、今後さらに雨が強くなる可能性があります。』
司令長は少し考える。
『舞洲東線も警戒態勢を強化してください。』
『了解。』
司令室では、次々と情報が入ってくる。
『舞洲本線、風速がさらに上昇しています!』
『舞洲東線、雨量が増えています!』
『空港線は引き続き運転見合わせ中です!』
司令長は三つの路線を順番に確認する。
一つの路線だけを見ていればいい状況ではない。
すべての路線を安全に運行させる必要がある。
その時だった。
『司令長!』
『どうしました?』
『舞洲本線、新舞洲駅付近で規制値を超えました!』
司令長はすぐに指示を出した。
『新舞洲駅周辺の列車は直ちに抑止してください。』
『了解。』
『現在走行中の列車は、最寄りの安全な駅まで運転してください。』
『了解しました。』
新舞洲駅では、駅員が利用者へ案内を始める。
『台風の影響により、舞洲本線では一部区間で速度規制を実施しております。今後、運転を見合わせる可能性があります。』
ホームにいた利用者からは、驚きの声が上がる。
一方、司令室。
『司令長、気象担当から最新情報です。』
『台風の進路は?』
『海陽地方への最接近時刻が、さらに早まる可能性があります。』
司令長はモニターを見つめる。
空港線はすでに止まっている。
舞洲本線も速度規制が始まった。
そして舞洲東線も、雨量の増加によって警戒が必要な状況になっている。
『……各路線の状況を常に確認してください。』
『少しでも危険がある場合は、無理に運転を続けないでください。』
『了解!』
司令室に司令員たちの声が響く。
外では、さらに強い風が吹き始めていた。
海陽地方を襲う台風。
その影響は、確実に舞洲鉄道全体へ広がり始めていた。
第十三話を読んでいただき、ありがとうございました!
今回は、ついに台風の影響が舞洲本線や舞洲東線にも広がり始めました。
第十二話では空港線が運転見合わせとなりましたが、今回は舞洲本線でも速度規制が始まりました。
ここからさらに雨や風が強くなっていく中、舞洲鉄道はどのような判断をするのか。
台風接近編、まだまだ続きます!
次回もぜひお楽しみに!




