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第十二話 警戒態勢

※本作品はフィクションです。


登場する人物・団体・企業・鉄道・駅名・路線・車両などはすべて架空のものであり、実在するものとは一切関係ありません。


海陽地方へ接近する台風は、予報どおり勢力を保ったまま北上を続けていた。


雨は朝から降り続き、海沿いでは風も徐々に強まっている。


舞洲鉄道運転司令室では、各路線の状況を映し出す大型モニターを前に、司令員たちが慌ただしく情報を確認していた。


『司令長、最新の気象情報です。』


担当司令員が報告する。


『台風は現在、海陽地方の南約二百キロを北上中。夕方には最接近する見込みです。』


『各路線の状況は。』


『舞洲本線、舞洲東線ともに平常運転です。空港線では海上橋付近の風速が上昇しています。』


司令長はモニターへ目を向けた。


『現在の風速は。』


『規制値まであと一メートルです。』


司令室の空気が少し張り詰める。


『空港線全列車へ警戒指示を。』


『了解。』


担当司令員は無線を取る。


『こちら運転司令。空港線全列車へ。海上橋付近で風速が上昇しています。今後、運転規制を実施する可能性があります。最新の指示に備えてください。』


『了解。』


各列車から応答が返る。


その頃、空港線。


舞洲空港へ向かう列車は海上橋を走行していた。


窓の外では白波が立ち、横風が車体を揺らしている。


その直後、司令室に警報音が鳴り響いた。


『司令長!』


『海上橋付近の風速が規制値を超えました!』


司令室が一気に慌ただしくなる。


司令長は落ち着いた口調で指示を出した。


『空港線は運転を見合わせます。』


『了解!』


『現在、海上橋を走行中の列車は。』


『二本あります。』


『その二本は舞洲空港駅まで運転してください。橋梁上で停車させないように。』


『了解。』


『空港線直通の列車はすべて運転見合わせしてください。』


『了解!』


『こちら運転司令。海上橋を走行中の列車は舞洲空港駅まで運転してください。到着後は旅客を降車させ、駅構内で待機してください。』


『了解。』


『台風接近の影響により、空港線は運転を見合わせます。空港をご利用のお客様にはご迷惑をおかけいたします。』


利用者からは不安そうな声も聞こえていた。


一方、舞洲空港駅では橋を渡り終えた列車がホームへ到着する。


『この列車は当駅で運転を終了します。台風の影響により、運転再開の見込みは現在未定です。』


乗客を降ろした列車は駅構内で静かに待機を始めた。


司令室では新たな報告が続く。


『司令長、舞洲本線でも一部区間の風速が上昇しています。』


『舞洲東線では雨量が警戒基準に近づいています。』


司令長は大型モニターを見つめたまま言った。


『空港線だけでは終わりません。全路線の監視を強化してください。』


『了解。』


その直後、気象担当から新たな情報が入る。


『司令長、最新の予報です。』


『台風の速度が上がっています。舞洲地方への最接近は当初の予想より一時間ほど早まる見込みです。』


司令室に再び緊張が走る。


司令長はゆっくりと立ち上がり、司令員たちを見渡した。


『ここからが本当の勝負です。』


『安全を最優先に、引き続き対応してください。』


『了解!』


司令室には力強い返事が響いた。


大型モニターには、舞洲地方へ迫る台風の進路が映し出されている。


舞洲鉄道の試練は、まだ始まったばかりだった。


第十二話を読んでいただき、ありがとうございました!


そして、久しぶりの投稿になりました!


今回は台風の影響で、ついに空港線が運転見合わせとなってしまいました。


台風はまだ海陽地方に最接近していません。


舞洲本線や舞洲東線、その他各線もこれからどんな影響が出てくるのか。


久しぶりの投稿でしたが、これからまた少しずつ更新していきたいと思います!


次回もぜひお楽しみに!

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