68話
翌日、
LIVENTO公式。
一本の告知が投稿された。
《Re:Burst VS LIVENTO》
LIVENTO出場メンバー決定!
出場メンバー:8名
「来ましたね」
LIVENTO本社。
休憩スペース。
クロはスマホを見ていた。
隣には真琴。
「ですね」
公式投稿、画像を開く。
そこにはLIVENTOのロゴと八人のVtuber。
「……」
クロは、上から順番に名前を見ていく。
天音ルナ
白雪ミオ
灰堂蓮
星宮アリス
夜崎ノア
狗神ジン
水瀬ルナ
天城レオ
「八人」
真琴が言う。
歌や雑談が中心のメンバーもいるが今回の大会は複数ゲーム。
個人のゲーム力だけでなく企画力やチームワークも必要になる。
かなりLIVENTOらしい選抜だった。
そしてクロの名前は当然ない。
コメント欄では
《クロいないのか》
《まあ第三勢力説あるし》
《LIVENTO所属なのに敵になる可能性あるの草》
《クロ、どこ行くんだよ》
《LIVENTO公式なのにクロがいないのちょっと面白い》
《SPECIAL TEAM、クロ説が濃くなったな》
「……」
「なんか」
「はい」
「俺、所属どこでしたっけ」
「LIVENTOです」
「ですよね」
「間違いなく」
真琴が笑う。
「でも」
「?」
「LIVENTOの大会メンバー発表で一番話題になってるの、伊織ですよ」
「俺、発表されてませんよ」
「だからですよ」
意味が分からない。
その頃LIVENTOのグループ。
大会出場メンバー
『よっしゃあああああ!』
最初に騒いだのはアリス。
『クロを倒す!!』
すぐ蓮。
『まだ正式にクロ出るって発表されてないだろ』
『でも絶対出るじゃん!』
『あいつ、どこでチーム作ってんだよ』
『クロ先輩、本当に敵なんですか……?』
『……敵』
少しだけしょんぼり。
『大会ですから』
『普段と変わりませんよ』
『いや、普通に変わるでしょ』
『クロと同じチームじゃないんだよ?』
『クロが自分で人集めしてるのが一番びっくりなんだけど』
『それな』
『何人集めたんだ?』
『絶対変なメンバー』
『でも……クロ先輩の友達ですから』
『それが一番怖い』
クロのスマホは通知がかなり鳴っていた。
「……」
「伊織」
「はい」
「一言くらい返したらどうです?」
「まだ仕事中です」
「休憩中ですよ」
「……」
反論出来ない。
クロはグループを開く。
『おめでとうございます』
それだけ送る。
すぐ
『他人行儀!!』
『お前も出るんだろ?』
『多分』
『何その返事』
『まだ正式発表されてないので』
『誰と出るの!?』
『秘密です』
『ずるい!!』
『ほら、なんか楽しんでる』
『楽しんでないです』
『楽しんでる人の返しです』
「なんでです?」
クロは思わず声に出した。
真琴が笑う。
「全員にバレてますね」
「何がです?」
「少し楽しんでることです」
「楽しんでません」
「はいはい」
適当に流された。
その後社内の廊下。
「クロ先輩!」
後ろから声。
振り返ると天城レオ。
「おめでとうございます」
「ありがとうございます!」
少し緊張している。
「でも」
「今回は……敵なんですよね」
「多分」
「多分じゃないですよ」
クロが少し笑う。
「そうですね」
レオも笑った。
「負けませんよ」
「俺も」
短い会話。
しかし大会に向けた空気が少しずつ出来始めていた。
その頃公式投稿はさらに伸びていた。
その中でもSPECIAL TEAMが存在だけ発表済み。
しかしメンバーは不明。
《SPECIAL TEAM誰なんだ》
《クロがいるならどんなメンツ?》
《他事務所混合って本当?》
《まさか皇アリアとか?》
《いやシオン来たら熱い》
《海外勢いるかも》
好き勝手な予想。
もちろん正解しているものも少しだけあった。
クロはそれを見ながら。
「……」
「どうしました?」
「意外と予想されてます」
「八人目以外は?」
「そうですね」
「じゃあ、もう少し秘密にしておきましょう」
「俺もそう思います」
次はRe:Burstの八人。
そしてSPECIAL TEAM。
こちらも八人。
大会は全三チーム。
合計二十四人。
ようやく全員が揃い始めていた。




