62話
翌日、LIVENTO本社。
会議室。
「――というわけで」
運営スタッフが資料を映す。
「Re:Burst VS LIVENTO対抗戦、正式始動です」
モニターには大会ロゴ。
かなり本格的。
「ゲームタイトル候補はこちら」
「おぉー」
アリス達が盛り上がる。
FPS、協力ゲーム、レース。
色々並んでいた。
「で」
蓮が笑いながら聞く。
「誰出るんです?」
「現在調整中です」
その瞬間、空気。
少しだけクロへ向く。
「……なんです?」
「いや?」
「別に?」
「見てませんよ?」
「絶対見てる」
真琴が横で小さく笑っていた。
「実際」
運営スタッフが言う。
「久瀬さん問題がありまして」
「問題」
「クロさん、Re:Burst側とも交流深いんですよね」
「まあ」
大会やイベント。
通話、普通に仲良い。
「だからSNSでも」
《クロどっち側?》
《裏切り者枠?》
《スパイ?》
《そもそも出るの?》
「扱いが酷い」
アリスが笑う。
「クロならあり得るのが悪い」
「なんで」
その時、真琴が静かに手を上げる。
「はい?」
「第三勢力作ればいいのでは?」
一瞬、会議室停止。
「……はい?」
運営が固まる。
真琴は普通に続ける。
「Re:BurstでもLIVENTOでもない」
「クロ単独勢力です」
「何言ってるんです?」
「例えば」
真琴。
ホワイトボードへ。
《クロ》
《しずく》
《その他問題児》
「やめてください」
アリスが吹き出した。
「待っておもろい」
「第三陣営!?」
「なんかボス感ある!」
「嫌すぎる」
でも周囲スタッフが少し考え始める。
「……いや」
「話題性はある」
「かなりあるな」
「SNS絶対盛り上がる」
「やめてくださいって」
クロだけ本当に嫌そう。
「しかも」
真琴が続ける。
「伊織、どっち側でも違和感ありますし」
「それはそう」
ルナが頷く。
「LIVENTOなのに箱企画ほぼ居ないし」
「Re:Burstとも仲良いし」
「なんか中立なんだよね」
ノアまで笑っていた。
「野良ボス感あります」
「なんですかその扱い」
ジンがニヤニヤする。
「大会中に乱入してきそう」
「FPSだけ異様に強い枠」
「絶対嫌です」
でも空気が少し変わっていた。
冗談だったはずなのに運営側は、普通に考え始めている。
「……待って」
スタッフが口を開く。
「第三勢力ありでは?」
「え?」
「クロさん+個人勢+他事務所交流枠」
「箱対抗なのに!?」
「逆に面白い」
アリス達は爆笑。
「ほんとに第三勢力になりそう!」
「クロ軍団!?」
「嫌ですって……」
その時、真琴が小さく笑う。
「伊織」
「はい」
「もう諦めません?」
「なんでです?」
「こういう時、絶対巻き込まれるので」
「……」
否定が出来なかった。
その頃、SNS。
《第三勢力クロ説》
《クロだけ独立して欲しい》
《むしろラスボス》
《しずく入りそう》
勝手に盛り上がっていた。
クロはスマホを見ながら、本気で疲れた顔をしていた。
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