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Vtuberになったのに裏方をしてます  作者: 東海林


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60話

LIVENTO会議室。

5期生顔合わせ終了後。


先輩達は少しずつ解散していた。


「じゃ、またねー!」


アリスが騒がしく出ていく。


「新人ちゃん達頑張って!」


ルナも手を振る。

蓮は困ったら連絡しろよと笑いながら去っていった。

そして残ったのは5期生三人、七瀬真琴。

そしてノートPCを開いたまま編集を始めてるクロ。


カタカタ。

静かに作業音だけが響く。


「……」


「……」


5期生達。

なんか話しかけづらい。

その時、真琴が少し笑った。


「大丈夫ですよ」


「え?」


「伊織、作業入ると静かなだけなので」


「は、はぁ……」


5期生達はまだ少し緊張している。

真琴はそんな様子を見て、少し考えてから言った。


「……せっかくですし」


「?」


「伊織の扱い方、教えましょうか」


「扱い方!?」


本人はイヤホン付けたまま作業してるので聞こえてない。


「まず」


真琴が指を立てる。


「伊織は基本、面倒くさがりです」


「そこからなんですね」


「なので」


「誘う時は勢い大事です」


「勢い」


「考えさせると断ります」


5期生達がメモ取り始めた。

なんで。


「例えば」


真琴が普通に続ける。


「『今から行きます』は通ります」


「えぇ……」


「『どうします?』だと逃げます」


その時、クロがイヤホン片方外す。


「何の説明してるんです?」


「伊織の攻略法です」


「やめてください」


でもまた作業戻った。

慣れてる。


「あと」


真琴が少し笑う。


「伊織、頼られるの弱いです」


「そうなんですか?」


「かなり」


「普通ですよ」


また反応した。

聞いてるじゃん。


「だから」


「困ってる感じ出すと助けます」


「犬じゃないですか」


「しずくが増えそう」


5期生達が少し笑う。

空気がかなり柔らかくなっていた。


「あとですね」


真琴が少し考える。


「意外と寂しがりです」


「違います」


即答。


「でも一人にすると編集しかしません」


「仕事だからです」


「放っておくと生活壊れます」


「……」


否定しにくい。

5期生達が困ったように笑っていた。


「そういえば」


一人が小さく聞く。


「あの……」


「?」


「七瀬さんって、久瀬さんとずっと一緒なんですか?」


一瞬、真琴が少し止まる。


「……そうですね」


静かな声。


「新人時代から」


「かなり長いです」


「へぇ……」


5期生達が少し驚く。

その横、クロは静かに編集していた。

でも少しだけ耳は向いてる。


「昔の伊織」


真琴が小さく笑う。


「今よりもっと尖ってましたよ」


「えっ」


「人付き合い嫌い」


「コラボ嫌」


「配信終わったら即消える」


「やめてください」


クロが即反応。


「でも」


真琴は穏やかに続ける。


「今はかなり柔らかいです」


その言葉、少しだけ静かだった。

5期生達がクロを見る。


クロは少し困った顔で息を吐いた。


「……最近みんなそれ言うんですよね」


「事実なので」


真琴が笑う。

そして5期生達も、少し安心したように笑っていた。

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