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Vtuberになったのに裏方をしてます  作者: 東海林


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57/82

57話

深夜過ぎ。

久瀬伊織宅。


夜食後、しずくはソファでかなり眠そうになっていた。


「……ねむ」


「寝ればいいじゃないですか」


「まだ寝ないです……」


絶対数分後寝るやつ。

真琴が食器を片付けながら少し笑う。


「伊織、飲み物取ってください」


「はいはい」


かなりいつもの空気。

その時、Discord通知。


鬼灯ガク


「……嫌な予感」


通話に出る。


『クローー!!』


「うるさ」


『何してんのー!?』


「家です」


『配信見たぞ!』


後ろ、ノアの笑い声まで聞こえる。


『また人増えてんじゃねーか』


「増えてません」


『しずくちゃん居たじゃん!』


その瞬間ソファ。

しずくが小さく手を振る。


『こんばんは……』


『居るーーー!!』


ガク爆笑。


『ほんとに居るんだ!?』


『しかも眠そう!』


「眠いです……」


『犬じゃん』


「最近みんなそれ言います……」


真琴まで吹き出していた。


『で?』


ノアがニヤニヤした声で聞く。


『真琴さんも居るんだろ?』


「居ますよ」


「こんばんは」


『やっぱりセットだった』


『安心感すごいな』


『クロの家なのに治安良い』


「どういう意味です?」


『クロ一人だと生活終わってそう』


「終わってます」


真琴が即答。


『本人否定しろよ!?』


通話が笑いに包まれる。

その時、ガクが急に言う。


『そういや今日StellaLiveのレイと会ったんだって?』


「しずくが喋りましたね」


『いや切り抜き見た』


『なんで普通に知り合いなんだよ』


「昔大会一緒だったので」


『クロの交友関係ほんと謎』


『でもなんか分かるわ』


ノアが笑う。


『お前、人付き合い少ないのに変なとこ広いよな』


「勝手に増えるんですよ」


『イケメンか?』


「違います」


その瞬間、しずくと真琴が同時に小さく笑った。


「……?」


『なんで笑ったの?』


「別に?」


「特に」


絶対何か思っただろ。


『しかし』


ガクがしみじみ言う。


『クロほんと変わったよな』


「何がです?」


『昔、人家に呼ぶとか絶対しなかったじゃん』


一瞬、少し静かになる。

たしかに昔は完全に閉じていた。


仕事、配信。

それだけ。


『今なんか普通に人居るもんな』


『しかも楽しそう』


またそれだ。

最近は本当に色んな人に言われる。


「……別に普通ですよ」


『普通の奴は深夜に後輩とマネージャーと飯食わねーのよ』


「言い方」


しずくが少し笑う。


「でも」


「?」


「楽しいですよ」


その言葉、かなり真っ直ぐだった。

真琴も静かに頷く。


「ですね」


通話越し。

ガク達が少し笑っていた。


『なんかもう』


『クロの周りだけ空気違うんだよな』


『分かる』


『落ち着いてるのに賑やか』


不思議な感覚だった。

でも悪くなかった。


その時ソファ側。


「……すぅ」


「寝てる」


しずく。

完全に寝落ち。

猫のぬいぐるみ抱えたまま。


『はやっ!?』


『ほんと犬だ』


「だから違いますって……」


寝ながら小さく否定していた。


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