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Vtuberになったのに裏方をしてます  作者: 東海林


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55/56

55話

夜。

久瀬伊織宅。


「お邪魔しまーす!」


しずくが元気よく入ってくる。

その後ろに七瀬真琴。

もうかなり慣れた空気だった。


「適当に座っててください」


「はーい!」


しずくはそのままソファへ。

猫のぬいぐるみまでしっかり抱えている。


「それ気に入ったんですね」


「かなり!」


真琴が小さく笑う。


「名前付けそうですね」


「あっ」


一瞬止まる。


「……クロくん?」


「やめてください」


なんで俺の名前付けようとした。

しずくが笑っていた。


「で」


俺は冷蔵庫を開けながら聞く。


「今日は何するんです?」


「配信します!」


「元気だなぁ」


「休日テンションです!」


なるほどしずくは自分のノートPCを開く。

配信準備、マイク、設定。

そして。


「……あれ」


「?」


「アプデ入ってる……」


「終わりましたね」


「えぇぇ……」


しずくが机へ突っ伏す。


「今日やるゲームこれなのに……」


かなり長そうだった。


「別ゲーします?」


「うーん……」


悩む。

そしてしずくはゆっくり顔を上げる。


「……クロさん」


「嫌です」


「まだ何も言ってない!?」


でも大体分かる。


「代わりに何か配信付き合ってください!」


「やっぱり」


真琴が横で吹き出していた。

結果何故かしずくの配信場所、クロの家で開始。


【雑談】休日でした!!!【雨音しずく】


『きたー!』


『しずくちゃん!』


『今日は遅めだ』


『ぬいぐるみあるw』


しずくが元気に挨拶する。


『こんばんはー!』


『今日はですね!』


『お出かけしてました!』


コメント欄盛り上がる。


『誰と?』


『友達?』


『まさか』


しずくが少し笑う。


『クロさんと真琴さんです!』


コメント欄爆発。


『また!?』


『仲良すぎる』


『真琴さん込みなの安心感ある』


『もう保護者』


その時画面外。


「誰が保護者ですか」


『あ』


『居る!?』


『クロ!?』


『普通に居るの!?』


コメント欄加速。

しずくが笑う。


『今後ろ居ます!』


「何故か配信始まりました」


『草』


『クロの家?』


『えっ』


数秒沈黙。


『クロの家!?!?』


『大丈夫なん!?』


『真琴さんも!?』


しずくが頷く。


『真琴さんも居ます!』


「こんばんは」


真琴の声。

コメント欄。


『安心した』


『真琴さん居るなら平和』


『もはやセット』


「なんででしょうね」


真琴が普通に返していた。


『今日はですね!』


『ゲーセン行きました!』


『クロさんクレーンゲーム上手かったです!』


「普通です」


『音ゲーもやばかった!』


『えっ』


『音ゲー!?』


『クロ出来るの!?』


「昔やってたので」


『何でも出来るなこの男』


『スペック高い』


『なのに裏方』


「それよく言われるんですよね」


コメント欄が笑いで流れる。

その時しずくが急にこちらを見る。


『あとですね』


「嫌な予感」


『StellaLiveの朝霧レイさんに会いました!』


コメント欄停止。


『は???』


『なんで!?』


『クロ交友関係どうなってんの』


「偶然ですよ」


『しかも普通に仲良さそうだった!』


「昔大会一緒だったので」


『ほんと謎の人脈してる』


しずくがかなり楽しそうだった。

休日テンションがまだ続いている。

その横で、真琴だけが穏やかに笑っていた。


そして俺はソファへ座りながら小さく息を吐く。


「……なんで俺、人の配信出てるんだろ」


コメント欄。


『草』


『自然すぎる』


『クロほんとしずくに甘い』


「違います」


でも否定が少し遅かった。


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