51話
数日後。
午後六時、LIVENTO公式X
新しい投稿
【新メンバー公開】
LIVENTO 5期生、始動。
デビュー配信
今週土曜日 20:00~
添付画像。
シルエット、三人。
『新人きたあああ!!』
『5期生!?』
『久々だ!』
『誰だ!?』
『クロ先輩になるじゃん』
「……」
事務所。
編集室。
俺はスマホを見ながら小さく息を吐く。
「もう5期なんですね」
隣に七瀬真琴。
「伊織、かなり先輩側ですよ」
「嫌な言い方」
でも事実だった。
デビューして数年。
登録者100万。
事務所トップ層。
気付けばかなり古株になっていた。
ガチャ。
「クローーー!!」
「うるさ」
星宮アリスが飛び込んできた。
「見た!?」
「新人ですね」
「ついに後輩だよ!!」
「今までも居ましたよ」
「もっと後輩!!」
意味が雑。
その後ろ。
ルナ、ミオ。
全員少しテンション高い。
「今回かなり気合い入ってるらしいですよ」
ミオが言う。
「へぇ」
「3D準備も早いみたいですし」
「デビュー前から?」
「らしいです」
運営本気だな。
その時、ルナがニヤニヤしながらこちらを見る。
「クロ、先輩しないとね」
「嫌ですよ」
「即答」
「だって面倒じゃないですか」
「でも絶対懐かれるタイプ」
「犬集めてるみたいに言うな」
しずくの事だろうなぁ。
その時、編集室のドア。
コンコン。
「失礼します」
男性スタッフ。
「久瀬さん、ちょっといいですか?」
「はい?」
「5期生の初配信、少しだけ編集周り相談したいらしくて」
「……俺ですか?」
「クロさんがいいって」
嫌な予感。
アリス達がニヤニヤし始める。
「うわ」
「もう始まった」
「絶対新人に人気出る」
「やめてください」
真琴が少し笑う。
「伊織、面倒見良いですから」
「真琴まで言う」
その時、スタッフが苦笑する。
「あと」
「?」
「新人達、クロさん居るって知ってかなり緊張してます」
「なんで?」
「いや……トップ層なので……」
その瞬間、編集室静止。
「……」
「……」
「え?」
アリスが真顔になる。
「クロ、自覚無いの?」
「またです?」
「いや普通に怖いからね新人からしたら」
「登録100万」
「事務所古株」
「大会優勝」
「しかも裏方も出来る」
ルナが指折り数えていく。
「なんかラスボス感ある」
「嫌すぎる」
その時、真琴が小さく笑った。
「でも実際、伊織優しいので大丈夫ですよ」
「懐かれる未来しか見えない」
「やめろってほんと……」
でも少しだけ昔を思い出していた。
自分も最初は緊張していたから。
配信者として生きる事に。
だから少しくらいなら、手伝ってもいいかと思ってしまった。
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