41話
大会終了後。
優勝配信。
『いぇぇぇぇぇい!!』
鬼灯ガクのテンションがうるさい。
「優勝しましたー!!」
『おめでとー!!』
『最強!』
『クロ強すぎた』
『しずくちゃん初大会優勝やばい』
コメント欄は完全にお祭り状態だった。
そして。
『いやぁー』
ガクが笑いながら続ける。
『優勝者特典あるからな!』
『お?』
『来た』
『グッズ!?』
「……あ」
俺は小さく止まる。
そうだった。
この大会、毎回優勝チーム限定グッズが作られる。
Re:Burst公式記念グッズ。
かなり人気。
そして今回の優勝メンバー。
Re:Burst所属鬼灯ガク
LIVENTO所属クロ
個人勢雨音しずく
「……どうするんです?」
俺が普通に聞く。
一瞬通話が静かになる。
『……あっ』
『そうじゃん』
『クロ他箱だ』
『しずくちゃん個人勢だ!?』
コメント欄もざわつき始める。
『どうなるの?』
『権利関係?』
『公式グッズ作れんの?』
ガクが笑いながら頭を掻いた。
『いや運営も困ってる』
『だろうなぁ』
ノアが吹き出していた。
『前例無いもん』
『優勝チームがこんなバラバラなの』
『クロのせいでは?』
「なんで」
『お前が他箱来るから……』
否定出来ない。
しずくも少し慌てていた。
『えっ私どうしたら!?』
「落ち着いてください」
『だってグッズって大丈夫なんですか!?』
『しずくちゃんかわいい』
『混乱してるw』
するガクが笑いながら言った。
『まあ最悪』
『クロとしずくちゃん、Re:Burst所属にする?』
「嫌です」
即答。
『早いなぁ!?』
『拒否速度』
『でも一瞬でも迷わなかった』
コメント欄爆笑。
その時大会運営Discord。
通知
Re:Burst運営。
『協議中です』
『少々お待ちください』
「ほんとに困ってるな……」
するとしずくが小さく言った。
『……私、別に無くても』
「いや優勝特典ですし」
『でも私個人勢ですし……』
「関係ないですよ」
一瞬しずくが静かになる。
『クロさん』
「はい?」
『そういうとこですよ』
「何が」
『優しい』
コメント欄。
『出た』
『また犬が懐いてる』
『クロほんと面倒見いい』
「お前らさぁ……」
その時さらに通知。
Re:Burst運営。
『許可取れれば普通に全員分出します』
『おっ』
『行ける!?』
『神運営』
ガクが笑う。
『問題はLIVENTO側と、しずくちゃん本人だな』
「俺は事務所次第ですね」
『私!?』
『個人勢だから自分で決めれるじゃん』
『あっ』
しずくが止まる。
『……ほんとだ』
『かわいい』
『今気付いた』
通話が笑いに包まれる。
「まあ」
俺は少し息を吐く。
「普通に記念ですし、出来るならやればいいんじゃないですか」
『クロさんは?』
「許可出れば」
『絶対欲しい』
『クログッズとかレアすぎる』
『箱企画出ない男のグッズ』
「言い方」
でもコメント欄の盛り上がりはかなり凄かった。
『このチームまた見たい』
『空気良すぎた』
『優勝おめでとう!』
『クロしず助かる』
「略すな」
しずくが笑っていた。
かなり緊張も抜けたらしい。
『……なんか』
『楽しかったです』
「なら良かった」
『また出たい』
その言葉に通話の空気が少し柔らかくなる。
そして俺も自然に笑っていた。
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