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Vtuberになったのに裏方をしてます  作者: 東海林


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33/56

33話

深夜。

Discord通話。


『やばい』


鬼灯ガクの第一声だった。


「どうしました」


『一人飛んだ』


「……はい?」


Re:Burst主催大会。

開催数日前。

ここに来て。


『体調不良で欠員』


通話の空気が少し重い。


『どうする?』


『今から人探す?』


『でも大会近いぞ』


シュウ達も少し困っている様子だった。

俺は椅子へ座りながら考える。


「代打探すしかないですよね」


『誰か居る?』


『クロ、交友広いだろ最近』


「言い方」


でも少しだけ考える。

FPS、配信慣れ、空気読める。

大会でも緊張しすぎない。

そして最近かなり懐いてる。


「……しずくとか」


一瞬、通話停止。


『あー』


『あり』


『めっちゃあり』


『空気合いそう』


反応が早い。


『実力どう?』


「普通に上手いですよ」


『なら決まりじゃん』


「いや本人確認を」


『呼べ呼べ』


『クロの知り合いなら安心感ある』


完全に任せる流れになっていた。


「……分かりました」


俺は小さくため息を吐く。

そして雨音しずくへDM。


『急なんですけど』


『大会出ません?』


数秒、既読。

そして。


『……はい?』


そりゃそう。

十分後、通話追加。


『こんばんは!?』


しずくの声。

かなり混乱している。


『えっえっ待ってください!?』


『Re:Burstさん!?』


『本物!?』


『こんばんはー』


『いつもクロがお世話になってます』


「親か?」


通話が笑いに包まれる。

しずく、完全にテンパっていた。


『いや待ってくださいほんとに大会って!?』


『欠員出ちゃってさ』


ガクが説明する。


『クロがお前どう?って』


『……クロさん?』


「いや人居なくて」


『でもでもでも!』


しずくが慌てる。


『私、個人勢ですよ!?』


『問題ある?』


『えっ』


ノアが普通に言った。


『大会なんて楽しければいいじゃん』


『クロも居るし』


『いやクロさん企業勢トップですよ!?』


「関係ないでしょ」


『あるんですよ普通は!?』


必死である。

でもRe:Burst側はかなり歓迎ムードだった。


『しずくちゃん配信慣れてるし』


『クロと相性良さそうだし』


『声かわいいし』


『最後やめろ』


俺が止めるとしずくが小さく笑った。

少し緊張が解けたらしい。


『……ほんとにいいんですか?』


『もちろん』


『むしろ助かる』


『クロの知り合いって時点で安心』


その言葉でしずくが少し静かになる。


「嫌なら断って大丈夫ですよ」


俺が普通に言う。


「急ですし」


数秒、沈黙。

そして。


『……出たいです』


小さな声。

でもかなり嬉しそうだった。


『よっしゃ!!』


『決まりー!』


『新メンバー歓迎!』


通話が一気に明るくなる。

しずくはまだ少し混乱していた。


『えっほんとに私、あの大会出るんですか……?』


「そうなりますね」


『うわぁぁぁ……』


嬉しさと緊張が混ざってる声。

分かりやすい。


『クロさん』


「はい?」


『責任取ってくださいね』


「何の」


『緊張で死にそうなんですけど!』


通話が爆笑に包まれる。

その時、別窓通知。

七瀬真琴。


『しずくさん、大会出るんですね』


情報早いな。

俺は短く返す。


『欠員です』


数秒後。


『伊織、最近かなり人増えましたね』



「……」


少しだけ返事に困った。

でも通話越しに楽しそうな声が響いていてそれが、少し悪くないと思ってしまった。

もし「面白かった」「続き読みたい」と思ってもらえたら、ブックマークや評価(☆☆☆☆☆→★★★★★)してもらえるとめちゃくちゃ嬉しいです!次の更新のやる気になります。

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