28話
午後六時。
Re:Burst公式X。
投稿。
告知
Re:Burst主催
VALORANT大型カスタム開催決定!
参加メンバーはこちら!
・鬼灯ガク
・天狼シュウ
・黒羽ノア
・神崎レン
・白瀬カイ
そして特別ゲスト――
『クロ』
数秒。
そしてTLが爆発した。
『またクロ居る!?』
『固定メンバーで草』
『もうRe:Burst所属だろ』
『ゲスト枠の常連』
『FPSも強いのかよ』
通知が鳴り止まない。
「……早いなぁ」
自宅。
俺はソファへ沈み込みながらスマホを見る。
そしてDiscord。
当然のように通話通知。
「はいはい」
入る。
『クローーー!!!』
ガク。
うるさい。
『発表されたぞー!』
「見ました」
『反応やばいな』
『めっちゃ歓迎されてる』
『クロさん完全に身内扱いで草』
通話が騒がしい。
「お前らが勝手にやってるんだろ」
『だって馴染むし』
『もう違和感ない』
『リスナーにも定着してる』
怖いなぁ。
でも少しだけ嬉しい自分が居るのも面倒だった。
その時、スマホ通知。
LIVENTO公式
「……あ」
嫌な予感、開く。
告知
LIVENTO夏の大型箱企画開催!
参加メンバーはこちら!
・星宮アリス
・水瀬ルナ
・白雪ミオ
・夜城レイ
・朝比奈ユウ
他多数!
「……」
そこにクロの名前は無かった。
数秒後。案の定。
『あれ?』
『クロ居なくね?』
『なんで??』
『Re:Burstには居るのに!?』
コメント欄がざわつき始める。
『また箱企画逃げた?』
『クロってLIVENTO所属だよな……?』
『他箱には出るの草』
「……言われると思った」
小さく呟く。
『いやお前さぁ』
ガクが笑い始めた。
『自箱居ないのに他箱居るのおもろすぎるだろ』
「仕方ないじゃないですか」
『なんで出ないんだ?』
「その日編集作業です」
一瞬、通話が静かになる。
『……あー』
『また裏方か』
『クロさんほんと何なんだよ』
シュウが笑っていた。
実際そうなのだ。
LIVENTO夏企画。
参加しない代わりに、裏側担当、編集、進行確認、配信監視。
そっちへ回されている。
いや半分自分から行ってる。
『リスナー絶対荒れるぞ』
「まあ多少は」
『多少かなぁ!?』
普通に騒がれていた。
TL、コメント欄、切り抜き。
【クロ、自箱イベント不参加】
【他箱イベントには居る男】
【裏方説、また濃厚になる】
「やめてくれ……」
頭を抱える。
『いやでも』
ノアが笑いながら言う。
『LIVENTOリスナー、もう慣れてません?』
『クロならありえる感ある』
『信用が終わってる』
「お前ら失礼だな」
でも否定しづらい。
実際、箱企画へあまり出ない。
その代わり気付けば裏側居る。
そんな事が多すぎた。
その時、Discord通知。
七瀬真琴。
『予想通りですね』
絶対見てたな。
俺は短く返す。
『騒がれてます』
数秒後。
『伊織ですし』
「どういう意味だよ……」
『真琴さんなんて?』
ガクが聞いてくる。
「伊織ですしだそうです」
一瞬、通話が静かになる。
そして。
『あーーーー』
『納得』
『それはそう』
『説明終わってる』
「なんなんだよ!」
爆笑、好き勝手である。
でも騒がしい通話の中、俺は少しだけスマホ画面を見る。
Re:Burst大会。
LIVENTO夏企画。
片方には名前があるが片方には無い。
なのにどちらにも自分の仕事がある。
「……ほんと何やってるんだろうな俺」
小さく呟く。
でもそんな今が、少しだけ嫌じゃなかった。
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