表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Vtuberになったのに裏方をしてます  作者: 東海林


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
24/29

24話

時刻は午後十一時半。


「……あ」


雨音しずくがスマホ画面を見て止まった。


「終電」


静かに呟く。

部屋が少しだけ静かになる。


「……逃しました?」


俺が聞くと。


「……はい」


しずくがしょんぼりした顔で頷いた。

完全に機材話へ集中しすぎていた。


設定、音作り、マイク比較。

気付けば数時間経っていたのだ。


「ホテル取ります!」


慌ててスマホを操作し始める。

だが。


「この時間空いてるかな……」


かなり微妙そうだった。

すると。


「泊まります?」


真琴が普通に言った。


「えっ」


「えっ?」


今度は俺が声を出した。

しずくも止まる。


「いやだって」


真琴が落ち着いた声で続ける。


「今から移動大変でしょう」


「そ、それは……」


「伊織の家、変に広いですし」


「言い方」


だが事実ではある。

一人暮らしにしては少し広めだ。


配信機材置く都合もある。


「……いいんですか?」


しずくが恐る恐る聞いてくる。


「伊織が嫌じゃなければ」


二人ともこちらを見る。

俺は少し考えて。


「別にいいですよ」


「やったぁ……」


しずくがかなり安心した顔になった。

そんなに困ってたのか。


数十分後。


「お風呂借りました……」


しずくが少し眠そうな顔で戻ってくる。

既に部屋着、オーバーサイズTシャツ。


かなりラフだった。


「クロさん家、なんか落ち着きますね」


「そうです?」


「生活感あるからかな……」


ソファへ座りながら、しずくが小さく欠伸する。

完全に眠そうだ。

その横で真琴は普通にキッチンでコップを洗っていた。


しずくがまたそっちを見る。


「……真琴さん」


「はい?」


「ほんとに自然ですね」


「何がです?」


「この家に居るの」


一瞬、真琴が少しだけ止まる。

でもすぐ普通に答えた。


「慣れてるので」


「へぇぇ……」


しずくがニヤニヤし始めた。

やめろその顔。


「で」


俺は部屋を見回す。


「寝る場所どうします?」


ベッド一つ。

ソファ一つ。


床は……まあ無理ではない。

すると。


「私ソファで大丈夫です!」


しずくが即答した。


「いやそれは」


「お客さんですし」


普通に床は悪い。

すると。


「じゃあ」


真琴が自然に言う。


「私と伊織ベッド使います?」


「……はい?」


「えっ」


しずくが固まる。

俺も止まる。


「いや待ってください」


「なんです?」


「なんでそんな自然なんです?」


「昔からたまにありますよね」


「……まあ」


否定出来ない。

徹夜作業後とか事務所泊まりとか。

昔、ホテル足りなかった時とか。

たしかに無かったわけではない。


でも他人の前で言うな。


「……」


しずくがゆっくりこちらを見る。


「クロさん」


「はい?」


「ほんとに何も無いんです?」


「無いです」


「即答」


真琴が少しだけ笑っていた。


「伊織、変な所真面目なので」


「フォローなのかそれ」


「事実です」


しずくが吹き出した。

そして深夜一時。


電気が落ちる。


「おやすみなさい……」


ソファのしずくが小さく言う。


「おやすみ」


「おやすみなさい」


静かな部屋。

そのまま俺はベッドへ横になる。

隣、真琴。


「……狭いですね」


「言いましたよね」


「でもソファだとしずくさん寝れないかなって」


「まあ」


それはそう。

しずく、小柄とはいえ二人でならソファ狭かったし。


数秒沈黙。


「伊織」


「はい?」


「今日、楽しそうでしたね」


「……今日?」


「しずくさんと話してる時」


一瞬考える。

でも。


「まあ、後輩って感じで気楽なんですよね」


「ふふ」


真琴が少し笑う。


「最近、人付き合い増えましたね」


「Re:Burstのせいですよ」


「良い事じゃないですか」


静かな声だった。

暗い部屋。


隣から微かに聞こえる呼吸音。

昔から慣れすぎていて。

今更変に意識する事もない。


「……寝ますか」


「ですね」


そう言って俺達は普通に眠りについた。

本当に、何事もなく。


もし「面白かった」「続き読みたい」と思ってもらえたら、ブックマークや評価(☆☆☆☆☆→★★★★★)してもらえるとめちゃくちゃ嬉しいです!次の更新のやる気になります。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ