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Vtuberになったのに裏方をしてます  作者: 東海林


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17/29

17話

午後十時。

配信終了後、自宅。


「……疲れた」


俺――クロこと久瀬伊織は、椅子へ深く沈み込んだ。

今日の配信はソロ雑談。

なのにコメント欄は終始。


『Re:Burstまた出ないの?』


『ガクさんと仲良いんだね』


『クロさん楽しそうだった』


こんなのばっかりだった。


「お前ら大会好きすぎだろ……」


小さく呟きながら、Discordを開く。

通知数が酷い。


Re:Burstサーバー。

個人DM、メンション。

なんかもう増えてる。


「……なんで俺ここ入ってるんだ」


自分でも分からない。

数日前まではほぼ交流無かったのに。

すると通知。


鬼灯ガク。


『今暇?』


嫌な予感。

だがなんとなく断る気にもならなかった。


通話へ入る。


「はい」


『クローー!!』


うるさい。


『配信お疲れー!』


「お疲れ様です」


『雑談見てたぞ』


「監視?」


『リスナーだが?』


「怖……」


笑い声。

すると別の声。


『あ、来た』


天狼シュウ。


『クロさんちーっす』


「どうも」


『今日の配信コメント欄Re:Burstだらけで草だった』


「お前らのせいですよ」


『人気者じゃん』


その時、更に通話参加音。


『こんばんは』


黒羽ノア。

普通に増えていく。


「なんで集まってるんです?」


『なんとなく?』


『居たから』


『雑談』


軽い、距離感が軽い。

他箱とは思えない。


『というかクロさん』


シュウが笑いながら言う。


『今日ソロ配信なのにめっちゃ楽しそうでしたね』


「そんな変わりました?」


『分かりやすかった』


『声ちょっと柔らかかったよな』


ノアまで頷く。

……そんなにか?


『LIVENTOだともっと落ち着いてるイメージ』


『なんか今日テンション高めだった』


「お前らがコメント欄居たからでは?」


『嬉しかった?』


「黙れ」


通話が笑いに包まれる。


『で』


ガクが急に言った。


『今からゲームするけど来る?』


「急だなぁ」


『VALO』


「……」


『あ、迷ってる』


『クロさんFPSもやるんだ』


「まあ多少」


『多少で強そうなのやめて』


シュウが呆れた声を出す。

正直、少し悩む。


明日も仕事。

配信、編集。

普通なら断る。


でも。


「……少しだけなら」


『うお来た!!』


『やったー』


『確保成功』


「お前らさぁ」


なんだこの空気。

でも嫌じゃない。


気楽だった。


変に気を遣わなくていい。

ただゲームするだけ。

昔みたいに。

 

数十分後。


『クロさん後ろ!』


「見えてます」


『うわ今のカバー上手』


『何で撃ち勝つ!?』


『絶対多少じゃない!!』


通話が騒がしい。

そして普通に楽しい。


『クロさんって』


ノアがぽつりと言った。


『思ったより人付き合い悪くないですよね』


「失礼だな」


『いやもっと一匹狼タイプかと』


『分かる』


シュウも笑う。


『実際は普通に喋るし』


『ノリも良いし』


『なんで今までコラボしなかったんだ?』


「面倒だからです」


『そこだけは一貫してるなぁ』


ガクが笑った。

その時スマホが震える。


画面を見る。

七瀬真琴。


『まだ起きてるんですね』


少し笑う。

たぶん配信終わったの見てたな。


俺は短く返す。


『ゲームしてます』


数秒後。


『珍しい』


それだけ。

でもその返事が妙に落ち着いた。


『クロさん?』


「はい?」


『今ちょっと笑いました?』


シュウが聞いてくる。


「気のせいです」


『絶対違う』


『今日なんか機嫌良いよな』


『分かる』


……そんなに分かりやすいか俺。

少しだけ困りながら。

でも結局、俺はそのまま深夜まで通話へ残っていた。


もし「面白かった」「続き読みたい」と思ってもらえたら、ブックマークや評価(☆☆☆☆☆→★★★★★)してもらえるとめちゃくちゃ嬉しいです!次の更新のやる気になります。

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