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Vtuberになったのに裏方をしてます  作者: 東海林


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11/29

11話

『うおおおおおおお!!』


『きたああああ!!』


『Re:Burst杯!!』


『待ってた!!』


夜八時。

Re:Burst公式チャンネル。


大型配信企画。

《第一回 Re:Burst マリオカート杯》。


配信開始直後からコメント欄の勢いが凄かった。

俺はその画面を、自宅モニター越しに見ている。


「……人多」


参加者は全部で十二人。

Re:Burst所属Vtuberのみ。

……本来なら。


『はいどーも!!』


通話内で、鬼灯ガクの声が響く。


『今日はRe:Burstマリカ杯って事で!』


『楽しみー!』


『負けねぇからな!』


『絶対優勝する』


騒がしい。

LIVENTOよりかなり騒がしい。

でも嫌じゃなかった。


Discord通話、待機画面。

大会前特有の空気。

少しだけ懐かしい。


『んじゃ参加者紹介いくぞー!』


ガクが進行を始める。

画面には参加メンバー、一覧。


名前が順番に映る。


『まずは天狼シュウ!』


『勝ちます』


『黒羽ノア!』


『今日は静かに勝ちます』


『嘘つけ』


『うるさい』


コメント欄も盛り上がっていた。


『Re:Burstしか居ねぇ!』


『箱大会感良い』


『楽しそう』


そして。


『次、クロ!』


普通に流れた。

本当に普通に特別紹介も無い。

ゲスト扱いでも無い。

まるで最初から所属してるみたいなテンション。


一瞬、コメント欄が止まる。


『……は?』


『え?』


『クロ?????』


『今クロって言った???』


『は???????』


数秒後、爆発した。


『なんで居るの!?!?』


『クロ!?!?!?』


『外部!?』


『えっ待って!?!?』


『マジ!?!?!?』


配信画面のコメント速度が一気に上がる。

俺は小さくため息を吐いた。


「だから嫌だったんだよなぁ……」


『クロ!?!?』


シュウが笑っていた。


『コメント欄壊れてんじゃん』


『そりゃ壊れるだろ!』


ガクも笑う。


『いやー、借りがあるんで呼びました』


『雑な理由すぎる』


『クロ喋った!!』


『本物だ!!』


『え、マジで出るの!?』


俺はマイクをONにした。


「どうも」


その瞬間、更にコメント欄が爆発した。


『うわ本物だ』


『普通に居る』


『なんでRe:Burstに!?』


『クロ大会とか珍しすぎる』


『幻覚?』


「幻覚ではないです」


『喋ったぁぁぁ!!』


騒がしい、本当に。

でも少しだけ笑ってしまった。


『というわけで!』


ガクが進行を続ける。


『今日は全員本気だからな!』


『クロも?』


『いやコイツ絶対強いだろ』


『ゲーム上手そうなんだよな』


「まあ普通です」


『信用ならねぇ』


『ソロ勢の普通は怪しい』


ノアが笑う。


『クロさんって配信だと静かなイメージあったけど』


「今も静かでは?」


『周りがうるさいだけ』


『否定出来ねぇ!』


確かにRe:Burst勢、基本テンションが高い。

FPS文化というか、ストリーマー寄りというか。


LIVENTOとはまた違う空気感だ。


『じゃあ一戦目いくぞー!!』


部屋作成、参加、キャラ選択。

コメント欄はまだ騒いでいた。


『クロのマリカとか初じゃね?』


『コラボ自体珍しい』


『しかも他箱』


『事件だろこれ』


『LIVENTO側知ってんのかな』


……知らない。

正確には真琴しか知らない。

たぶん今頃、LIVENTO側が気付いて騒いでいる。


想像出来る。


『クロさん』


ノアが通話で聞いてくる。


『なんで今回出ようと思ったんです?』


一瞬考える。


「借り返しですね」


『義理堅』


『ガク何したんだよ』


『昔ちょっと』


ガクが笑う。


『まあ俺ら仲良いんすよ』


『意外すぎる組み合わせ』


『クロ友達いたんだ』


「失礼だな」


『否定出来る?』


「……」


『黙るな』


通話が笑いに包まれる。

なんだろうな。


普段の配信とは違う空気。

でも悪くなかった。


『よーしレース開始!!』


カウントダウン。

エンジン音。

マリオカートが始まる。


そして。


『クロ速っ!?!?』


『ちょ待っ!?』


『お前普通って言ったよな!?』


「普通ですよ」


『嘘つけぇぇぇ!!』


コメント欄がまた爆発した。

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