表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
シュガードール×エンドロール  作者: nami
シオン戦
PR
49/63

断章

 マザーボードへ来てからと言うもの、訓練を怠ったことなど一日たりとも無いと断言することが出来る。あくまで、戦闘で負った傷を治す為、療養していた期間を除いて──ではあるけれど。


 訓練は決して生易しいものではない。それどころか、一日を終える頃には歩くことさえ億劫になるほど、疲れ果てて部屋へと戻る。それでも、翌日の朝には機械の身体に鞭打って、訓練へと向かった。


 毎日毎日、訓練訓練訓練……

 正直言ってキツいけれど、訓練漬けの毎日から逃げ出したいと思うことは、きっともうないだろう。

 私には此処でやるべきことがある。ユリサやみんなを守れるくらい強くなりたい。失った記憶を、大切な思い出を取り戻したい。そして出来ることなら──人間たちとの無益な戦争を、私の代で終わらせたい。理想論かもしれないけれど、どちらかが滅びるという形ではなく、和解できれば一番良い。


 いくらコアという自由意志を持っていても、人間にとって私たちAIは「道具」でしかないのかもしれない。それでも、互いに歩み寄り、理解し合うことができたなら──AIと人間が、共に生きる未来だって見えてくるはずである。

 今の私では到底成し遂げられそうもない、大きな目標。だけど、絶対に諦めたりしない。ユリサがいつも一緒にいてくれるし、それに……


 私の中には、もう一つの大きな存在がある。それは私自身のことなのかもしれない。だけど、少し違うような気もする。

 誰かと戦う時、その存在は私の意思とは反対の行動を取ろうとする。私は誰も傷つけたくない。それが例え、ウイルスや人間であったとしても。


 それなのに、私の中に身を潜めているその存在は、どうやら戦うことが大好きらしい。私の目に映るもの全てを、敵も味方も関係なく始末しようとする。それはこの「私」さえも、殺そうとしているのかもしれない。だって、いつも私の意識を奪い取ろうとするの。


 それが「私」なのか「私」でないのか、私自身でさえ、もう何が何だかわからなくって……

 だけど、すぐに答えの出そうにないことを、いつまでも思い悩んでいたって仕方がない。悩むことにも疲れたから、そう考えることにしたのだ。


 私の中のままならない存在──本能。攻撃的なフラン。どっちが本当の私なのかはわからないけれど、私は私の使命が、傷つけることではなく救うことなのだと、そう信じて戦いたい。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ