第18章 挑戦
一週間はあっという間に過ぎ去り、期限ギリギリになっても八区からの選出だけ間に合わなかった。
八区で暮らす年の若い連中は、もともと少ない上にほとんどがエンジンマウンテンに出稼ぎに行き、そのまま連絡が途絶えている状態の者が多くいたのだ。
一週間の告知の後、集まったのは八区をのぞく一から十一区の人間だった。
月曜の朝九時きっかりに、第二十三区の建設現場に集まった。
時刻がすぎる頃には、各セクションからも続々と人が集まって来た。
参加する二名以外にも噂を聞いた女の子や、はちまきをして応援する集団まで、まるで大きな祭典が開催されるかのようなにぎわいを見せ始めた。
神風とサブローは、既に十分前に二十三区建設中のスタジアムへと足を運んでいた。
セナとケイは十五分遅れて入って来た。
なかなか参加者はそろわず、結局四十五分遅れて、剛田大佐がスタジアムの中に集まった聴衆に向けて話を始めた。
「諸君、今日の日を迎えられた事を誇りに思う、我々は今後未来永劫人類の繁栄と国づくりの発展を行わなくてはならない、そのためにも新たなエネルギーが必要なのだ。
既に承知かと思うが、あのエンジンマウンテンの麓、D地区には百年の歳月を眠り続けている偉大なエネルギーが存在している、今後人類の発展にはとても重要なエネルギーだ。
ただ、未だかつてこのエネルギーを探し出した者はいない。
よってこの数十年我々はD地区への立ち入りを禁じ開発を封印してきた。
しかし今後皆の反映をより強く促すには新たなエネルギーが必要なのだ。
今日集まってもらった諸君にはそのD-m3を探してもらう。
期限は三十日、三十日以内にち帰ってもらう。持ち帰ったセクションの住民には、現在建設中のこの広大な二十三区の永住権を与えよう、生涯未来永劫だ」この話が出た途端、参加者を見に来ていた観衆が一斉に歓喜した。
「お前に俺も未来がかかってんだぞ!」
「死んでも探してこい」などと、大声の歓声とともに混じり合って怒号までもが飛び交った。
「いいか、三十日だ、三十日後の正午きっかりにこの場へ立ち入る門は閉ざす」
その後、参加者の名前が告げられた。どのように探すかはそれぞれにの各チームにゆだねられた。
必要最小限の情報は与えられたが、期待していた処遇は何一つ与えられる事はなかった。
十番目の神風とサブローの名前が呼ばれ、これが参加者の最後かとおもわれた時、十一番目の人物が呼ばれた。
「十一番、ジーククリーク、ココロ ミヤカワ」それはジークの参加を告げるコールだった。
今まで騒がしかった歓声は静まり返り、十一区以外にも参戦する者がいる事に興味と不安の顔色をのぞかせながら、お互いを見つめ合ったり辺りをキョロキョロと見回すが、その姿は何処にも確認できなかった。
「なあ、今の聞いたか、ココロってあのココロの事か?」
まさか、あいつ、俺たちの区出身だぜ」サブローが半笑みを浮かべながら言った。「でも、ココロなんて名前そうは聞かねーからな、聞き間違えじゃねーのか?」
神風もサブローも目を疑いながら辺りを見回すが呼ばれた人物らしき人影は見当たらなかった。
神風はほっとしたように肩の力を抜いた。




