第18章 挑戦
第18章 挑戦
一区では誰が行くかは既に決まっていた。
「何を探せだって、D-m3だって、ふざけやがって探させて何しようってんだよ」セナは怪訝な顔で区長の話を聞いていた。
「この一区は昔から何も変わらねえさ、しかも今や十一区まで増えたくずどもがうじゃうじゃいやがる、何が変わるってんだ」
手に持っていた缶ビールを一気に飲み干し左手でクシャっと紙くづを握ぎるようにペシャンコにすると、円形状の階段の下で演説をしている区長に向かって投げつけた。
当たる程は遠くへ飛ばなかったが、カランカランという音が一瞬周りの人の気を止めた。
「セナ、お前どうする?」
「どうするって、こんなガキの集まりに参加なんかするかよ」
セナの仲間のケイが詰め寄った。
「なー、あいつら出るみたいだぜ、十一区のアホタレ共が」
「何、神風か?クッソたれが」「あいつらもこのエネルギーを狙ってるって噂だぜ」
「へっ、あんな新参者に探し出せるわけねーだろ」
「ケイ、そのエネルギーを奪うのと神風どもをぶっつぶすのと二つの楽しみができたぜ」
そういうと、ケイを連れてセナは階段をゆっくりと降りた。
「今我々は変わらなくてはいけない、これからの皆さんの生活のために名乗り出るのはいないのかね、一区の未来がかかっているんだぞ」
区長が大声で壇上から演説をしているさなかだった。
聴衆者はわずかに三十人弱といった所で、見渡す限り仕事がないごろつきと、既に年を取りすぎた老人が聞いているだけだった。
聞いていた老人の一人が「後十年若けりゃな、俺がいくんだけどよ!」と笑いながらヤジを飛ばした。
セナは残り十段ぐらいの所まで階段を下りると、先程自分が投げた握りつぶされたビール缶を再び拾い上げると、区長が演説する壇上の裾に放り投げた。
カラン、と音を立ててぶつかると一瞬の間辺りが静まり返った。
階段を下りるセナに区長は気づき「君参加してくれるのかね、未来がかかってるんだ」と演説を中断しセナに話しかけた。
「俺が出る、そしてここから必ず脱出する、何も変わらないこんなクソだめから俺は必ず出てやる」
そう告げると再び壇上から降り、階段を上り始めた。
聴衆者はあっけにとられていたが、一人二人がぽつぽつと拍手を始めると一気にみんなが拍手を始めた。
「いいぞ、若いの!、がんばれよ!」
「俺もついてくぞー早くここから出してくれ〜」と、だれかれとかけ声が飛び交い、セナが階段を上がりきってホールの出口を出るまで、拍手の音は鳴り止まなかった。
二区から十区でも一週間の期限を切った頃、二人の選出者が相次いで現れた。
それぞれが自分の心情と生活の向上掛けたエネルギー探しに、熱意を燃やし始めていた。
「セナ、それでどうやって探すんだ」
「さー、そんな事まだわからねえ、歩く訳にはいかねーだろう」
「まー後五日も経てばいろんな事がわかってくるだろうよ」
「それまでにあいつら(神風)を始末する計画でも立てるとするか。




