第16章 森の捜索
「え、俺、何か?」
神風は訳が分からず素のままに答えた。
「お前たちは何処から来たのかと聞いているのだ、そして何故ここにいる?」「あ、そういう事ね、あっちから来ました」
神風は理解した振りをすると、ソファーに座り直し窓の外を指差した。
「ふざけてんのか小僧」
隊長は怒鳴り声をあげると左の拳を固く握りしめた。
その声に驚いて三人も一斉に飛び起きた。
「何だよ、何なんだよ、この人たち?」
ピータが寝起き直後に辺りを見渡すと、ぐるりと四人を囲うように十数人の隊員が見つめていた。
後ろの方にいた隊員の一人が突然「こいつ、こいつですよ、現場で乗り逃げしたやつ」とピーターに指をさしながら声を上げた。
治安部隊に合流した先発隊の班だった隊員の一人がピータの顔を見て声を荒げた。「なるほど、お前たちが墜落した現場で我々のエアフラクターを盗んだ奴らか、で、どっから来たんだ、あんな深い森の中へ」
隊長が神風の目から視線をそらすこともなく、鋭い眼光で睨みつけると神風は「え、何の事かさっぱり」
とさらにとぼけたまねをした。
「ふざけるな!」
隊長はもう一度怒鳴り声をあげた。
今度は四人が一斉にびくっと唾を飲んだ。
「いや〜そんな事言われても・・あ・・あれ、皆さんのだったんですか?なんか捨ててある物かと・・・」
神風がとぼけながらさらに話をはぐらかしている最中に一人の隊員が奥から隊長の元へ走りよると耳打ちをした。
「なるほど、わかった」
隊長はにやりと笑うと、四機が見つかったぞ、こいつらを拘束しろ」
「ちょっと、ちょと待ってよ、何かの間違いだって、きっと」
神風は訴えたがすぐに後ろにいた数名に囲まれ後ろ手に腕を回されると、手錠をかけられたのだ。
「痛てーよ、おい、俺は体がかてーんだよ」
サブローが大声を上げた。
この状況には健三郎もネネも翼も何も言えず、現状を見守るしかなかった。
「ちょっと待ってくれ、彼らは・・・」
健三郎が隊長に詰め寄ると、「あなた方は静かにここで暮らしたいのじゃないのかね、ならば我々を受け入れる事だ」と隊長は静かに諭すように語りかけた。
「あの山から抜け出して強制送還されなかったのは誰のおかげだね?
大佐がいればこそだろう、ならば口を挟むな、いいか」
健三郎は自分たちの生活のためにはしかたがなかった。
エンジンマウンテンで働いていた時から大佐との間柄があり、健三郎たちは強制的にデスホールへ送還されずにすんでいたのだ。
「あなた方三人は安心してください、ここからディザシティーまで送迎致しますから」
「あのー、、四人はどうなるの?」
翼が少し不安げな口調で隊長に話しかけると、静かな声で「何、心配する事はないですよ、少し灸を据えて家に帰しますから」と笑顔でウインクしてみせた。
「痛ってーなこのやろう、何処へ連れて行くんだよ」
「離せっていってんだろ、おい」サブローは後ろ手に手錠をかけられながらも意気ををまいた。
「ふざけるな、はこっちの台詞だ」
「ふふ、お前ら死刑台へ直行だ」
隊長は悪ふざけをして、話を大きく盛り上げた。
「ふざけんな、あんな陳家な物盗んでなんで死刑にされなきゃいけねーんだよ」
さらに、サブローが噛み付いた。
しばらく言い争いは続いたが四人は隊員に連れられ健三郎達が出てきた奥の建物へ連れて行かれると、ビルの中庭に一機の輸送ヘリが待機していた。




