第16章 森の捜索
それは、治安部隊やすべての無線を傍受できるものだった。
「あ、それって衛生無線?」
「そうだ、こういうときは旧式の衛星通信機が役に立つのさ」
「それからもう一つ問題がある」
「まだ、あるの?」
ピーターが思わずぼそっと声を出した。
「治安部隊が明日中にここへやってくるだろう、しかし我々は問題ない、既にここで暮らしている事は周知の通りだからな、問題は君たちだ、ネネさんと翼さんは無事に保護されるだろうが、君たちはどう説明をするかね」
健三郎は立っていた四人を隣のソファーへと座るように促すと、自ら立ち上がりお茶を入れながら語りだした。
「今ここでそんな事を急に言われたって、今から逃げる訳にいかないし」
サブローがふてくされた顔で腕組みをした。
「奴らの乗り物いただいてきちまったしな〜、どうしろって言ったって、朝一番でここを出るしかないってとこかな」
神風もサブロー同様に腕組みをすると頭をもたげて天井の空を見つめた。
「それもいいかもな、しかし戻るルートは皆塞がれているよ」
「じゃーどうしろって言うんだよ」
サブローが腕組みをやめ、ソファーを両手でたたくと何年か分の堆積したホコリが宙をまった。
「まーま、そういきり立つな、殺される訳じゃないんだから、時を待て、私がなんとか話をつけてみる、私は元々政府お抱えのエンジニアだ、いろいろな部署にも顔が利く、とは言っても私も開発途中で裏切って逃げてきた人間だがな」
健三郎は、自分で話した事に苦笑した。
四人を残し、健三郎達が出て行った後、神風はいろいろな出来事が錯綜し始めた事に、何か思う事を考え始めていた。
ここ数日の間に起った自分への外的要因と変化について、これから自分は何をすべきなのかを考えていた。
「なあ、サブ、なんでそんなにエネルギーエネルギーって目の色変えて集めなきゃならないんだ?
その、リージェントCって奴をつかってD-m2って奴を集めてどうすんだよ?」「さーな、俺たちには関係ねーって思っていたけど、あのエアフラクターって奴だってその、D-m2ってエネルギーを使ってんだろ、きっとそんなもんいっぱい集めりゃーでかい飛行機だって飛ばせるさ」
「なるほどね、わかってきたぜ、さっき回収しているって言ってただろう、あの墜落機もD-m2を使って飛んでたんだよ、でもなんでそんなのが落ちるんだ?」
「わからね〜な、俺の頭じゃ」
「健三郎って人がそれ以外にもD-m1とかD-m3とかあるって言ってたよね?」
凪も同様の疑問を抱いていた。
「さーな、そんな事いってたっけ?」
「その、D-m1 , D-m2, D-m3が集まると一体何が起るんだ?」
「さっぱりわかんね!」
サブローが横になりながら、天を見上げて理解不能な事には首を突っ込みたくなさそうにけだるい態度で返事を繰り返した。
「知りたくないのかよ、D-m1,2,3が一緒になったらどうなるかを」
「さーね、きっとそんなエネルギーがすべてくっついて固まっちまったらこの地球が吹っ飛んじゃうんじゃないかな!」
もはやサブローは半分眠りにつきながら興味なさそうに答えるだけだった。
「いや、きっと何かがある、その三つが合わされば何か反応が起るはずだ、でも誰が何の目的で・・・」
神風は、健三郎の話を良く思い出しながら話を理解し始めていた。




