第16章 森の捜索
第十六章 森の捜索
神風達はココロの事を心配していた。
「一体何処行っちまったんだよ、もう一週間だぜ」
「手がかり無しじゃ、どうにもならねーな」
サブローが冷たくつぶやいた。
「もしかしたらもう、戻ったのかな?今頃、飲茶食ってたりしないかな?」
今度はピーターがつぶやいた。
二機のエアフラクターに乗った四人は暗がりの中を飛びながら健三郎達の住処に戻ろうとしていた。
「あいつならさっさと取る物とって戻ったかも知れないな」
「確かに、俺たち焦りすぎたのかな?」
神風達は取り越し苦労の心配を始めた。
「明日一度戻って立て直そう、カイチもうまくやって戻ったみたいだし」
「そうだな、あ〜あ俺、風呂はいりてーよ」
サブローが相変わらずのでかい声で叫ぶと、みんなが一斉に笑った。
「四人は裏手にエアフラクターを止めると健三郎の元へと向かった」
広間を通りぬけ、ソファーのある広間の扉を開けると、そこにはネネと翼と健三郎、それと見慣れない顔ぶれ三人の計六名が深刻な話をしている。
「あは、すみません、また戻ってきちゃいました」
神風は扉を開けるなり目が合うと笑顔で挨拶をした。
六人は一斉に神風の方を向くと、健三郎が「おお、君たち無事だったか?」
と話を切り出した。
「よかった、今ちょうど君たちの事を話しているところだったんだ」
健三郎が、ソファーに右肘を乗せて振り向きながら声をかけた。
「え、そうなんですか、どうしたんですか?何かありましたっけ?」
神風は拍子抜けした顔をして受け答えすると、「あったとも」と、見慣れない口ひげを生やした目つきの鋭い男が口を挟んできた。
「リージェントCが放たれた、君たち何か蜘蛛のようなロボットを見かけたりはしなかったか?」
その目つきの鋭い男がぶっきらぼうな表情で話を続けた。
「いえ、何も特に、何ですかそのリージェントって」
「リージェントCだ」
目つきの鋭い男が、怒ったような口ぶりで再度神風の言葉に応えた。
「かつて我々がエネルギーを回収するために何処にでも入り込める小さな蜘蛛型のロボットを開発したのさ、その名がリージェントC、リージェントとは摂政をするという事だ、つまりDm-2に関するすべての回収権限はその蜘蛛型のロボットに一任されたってことだよ」
健三郎はわかりやすく説明したつもりだったが、神風とその仲間達には通じていないようだった。
「え、さっぱり意味が、その、わからないですけど?」
「フン」、と目つきの鋭い男が鼻で笑うと「何が何でもそのエネルギーを回収するってことだよ、回収の代行屋みたいなもんだな、そのためならば君も殺す、もちろんロボットに人を選ぶなんて目は持っていないからね」
と鋭い目をしたまま口元に笑みを浮かべ話し始めた。
「なんで、そんなやばい物を作ったんですか?」
「その当時はそれがベストの選択だったんだよ」
健三郎と目つきの鋭い男の交互の話にようやく神風と他の三人は理解をした。
「じゃー、そのCって奴は何なんだよ」
サブローが口を挟んだ。
「Cは種別コードだ、AからEまである、それぞれエネルギーの種類によって、形も大きさもちがうのさ、元々私が関わったのはこのリージェントCまでだがね」
目つきの鋭い口ひげを生やした男は、右手の人差し指と親指でひげをなでる仕草をしながらさも満足げな口調で語った。
「その蜘蛛達は主に暗くなってから行動する習性がある、だからあのD-m2をエネルギー源とする乗り物を夜間乗り回すのは非常に危険な行為なんだよ」
「なるほど、でも、なぜおじさん達はそんなロボットが森の中にいる事を知っているのさ」
ピーターが疑問をなぎかけた。
「これさ」と、目つきの鋭い男が左手で小さな無線機をもちあげた。




