第15章 リージェントC 完
「ウィル隊長、前方の崖崩れの箇所が、FB班の二名が襲撃を受けた場所と思われます」
先頭を走っていた隊員が谷へ降りる箇所にさしかかると隊長へ報告を告げた。
「なるほど、ここは待ち伏せ場所としては申し分ないな」
「奴らがここを通って下へ降りたとなると、どこか近い場所に根城があると考えられる、まずはここから東南へローラー作戦を開始する、どんな物証でもいい人の痕跡の残る物を見つけたらGPSマーカーを残し、状況報告をするように、わかったな」
ウィル隊長はいっそう険しい顔つきで、辺りを警戒するように見回した。
二十機のエアフラクターは五メートル間隔で広がり、隊長を中心として谷間を背にしながら、西へ進路をとった。
一日目の捜索は日没までを区切りとし、リージェントCの襲撃に遭わないよう、夜間は行わない方針をとった。
大きな谷間から、西へ五キロも進むと、あちらこちらに商業ビル群の成れの果てが広がっている、かつての大きな街は朽ち果てて、今はジャングルの中でひっそりと時の流れに身を任せている、そんな光景がいくつも連なっている箇所を、一統一統、人の痕跡を探して詰め寄るのは容易な事ではない、その大きさは一つの地区だけでも山手線内に匹敵する程の広がりようだった。
「隊長、本当にこの地区のどこかに潜んでいますかね?」
「ああ、必ずいるさ、この地区から離れるとなると、谷への墜落を知るのには距離がありすぎる。
きっと、この辺りが全望できる場所に巣を構えているに違いない、必ず探し出してやる」
「今日はこの辺りで休みを取り、明日の準備にそなえるんだ、いいな」
ウィルの洞察力は当たっていた。
実際ジークは建物の上階から目の届く範囲に飛行機の墜落音を聞き、落雷と勘違いしたのだった。
捜索を始めて、六日目の事だった、西に進路を取って探していたが、一番南側を捜索している隊員が、彼らが墜落現場から盗んだ衣類の一部を発見したのだ。
その近辺を捜索すると、ビル群の一番南に位置する場所に鉄塔を中心とした巨大なショッピングモール施設があった。
「ウィル隊長、衣類を発見した場所の現在地より南東へ約一キロ程行った地点に、鉄塔と思われる高い建物と、その周りにショッピングモール群があると思われます」
「わかった、全員につぐ、ここから進路を南東へと移す、約一キロ先にショッピングモールの施設がある、テロリストの潜伏場所として有力視してよい、南側の隊、三機が先に状況を確認し、残りは距離を持って待機、連絡を待つように、周波数は緊急用、コード773.25に切り替えろ」
無線からは緊張感に包まれた隊長の声が粛々と流れてきた。




