第15章 リージェントC
「大佐の言う、D-m3の開発も十分わかるが、今の状態を維持していく方法を、もっと模索しても良いのではないだろうか?きちんとあの、デスホールを分離した社会を構築し、しっかりと管理を行っていくシステムを先に考えた方がより、市民に対して献身的に映るのじゃないのか」
住環境省の高岡謙二も安定的な発言をかわした。
もちろん、大佐を含め自ら解決策を打ち出す事は、D-m3の回収以外ない事は誰もが知っていた。
「大佐、我々はデスホールの十一区内で各区より選抜を選び、建設中の第二十三セクションのセンターホールで施設を見せながら説明すれば納得がいく内容かと思います」
「そうだな、各区からは二人だ、それから一から五区は特に気性の荒い連中がいる、区長にも十分説明をするが、お前達も状況をしっかりと把握して参戦者を見極めるんだ、いいな」
FB班率いるエリック隊長もすぐに、BS班、LFS班と合流し、まずは墜落した大型機の回収と捜索にあたった。
もう一方の隊を率いるSG班の隊長ウィルは話をこう切り出した。
「いいかお前達、今回の掃討作戦はジーク一団を壊滅に追い込むのではなく、D-m3の回収を了解させる事が任務だ。
多少の犠牲は出すだろうが、しかし、何があっても我々は一人として仲間を失う事のないよう、心してかかれ、いいな」
CR班のウォルガー隊長も同様にうなずいた。
我々CR班は後方支援として包囲網を作り、一人も外へ逃さないように鉄壁のいばらを作り援護するいいな」
それぞれの班は役割分担を終えると、次の日の早朝、密かに森の中へと消えていった。
かつて一世紀程前まで街が存在していた場所が、いくつも深い森の中に点在していた。
朽ちた高層ビル群もあれば広大な商業施設跡のような場所等、樹木に覆われ今となっては原風景をとどめない程の市街地に出くわす。
いざ、そのような場所を根城にするジークの集団を見つけ出す事は容易な事ではなかった。
肝心の移動手段であるエアフラクターも夜間は稼働する事ができず、拠点を決めながら日のある内の捜索に限られるという長い時間を要する戦いを強いられた。
エリック隊長率いるFB班と、ノーマッド率いるBS班は旧型空輸用へりをようやく稼働させる事ができ、二機ずつ四機に分乗すると墜落現場の捜索へと向かった。
捜索は一班十五名の計三十名ですべてを回収し、捜索に当たらねばならなかった。治安部隊の施設から飛び立ち、二時間もフライトすると現在地が確認できた。
そこには百メートルに渡って飛行機の残骸が散在しており、機体をすべて回収するのは容易な事ではなかった。
まずは小さい破片にナンバリングをし、慎重に機体の損傷状況を調べるため回収に当たったが、隊長以下、隊員達も既に誰かが墜落現場を荒らした事に気づいていた。
「すごいなこの状況は、生存者は皆無だろうな、しかしこの荒らされようはひどいな、盗賊だなまるで」
と隊員の一人が声を上げていった。
回収した破片をネットの袋へ詰め込むと第一便のヘリ二機が基地へ空輸を始めた。胴体の一部は大きすぎて運ぶ事ができず、その場で解体され運び出され、十分の一の回収が終わるのに早朝から開始し既に今、日が暮れようとしていた。
「今日の作業はこれまでだ、一旦戻って明日再開する」エリック隊長は疲れを押し殺し、墜落機に一礼を捧げるとヘリに乗って厚い雲の上空へと消えていった




