第15章 リージェントC
なんて事だリージェントCをばらまくとは」
リージェントCは別名キルスパイダーと呼ばれ、エアフラクター等に積まれたD-m2や、建設現場で使われる反重力重機に積まれたD-m2までも回収しようとし、邪魔をする者は殺傷能力の強い猛毒で殺されるという事件がかつて起ったからだ。
しかし、リージェントCは昼間の明るいうちは太陽エネルギーで充電されているため、夜間活発に活動するとされ、地表にいる限り治安部隊の活動は明るい時間帯に限られてしまうのだ。
「こうなってはしかたがあるまい」
大佐は奇しくも納得すると、保安省・治安局のイルクマー二本部長へ再び連絡を入れた。
「本日十五時、各セクションリーダー全員を集めるよう申し伝えてくれ」
本部長は了解し、緊急性を要する重要事項がある事を皆に伝えた。
「諸君、急な要請にも関わらずお集まりいただいた事に感謝する」
「緊急性を要する重大事項が発生した」
「重要事項は二つだ」
大佐は局長クラスが全員集まっている席を一望すると、眉間にしわを寄せながら真剣な面持ちで話を始めた。
「一つは、ふたたびD-m2を回収するためにリージェントCがばらまかれる」
「これから各々が対策を考え、述べていただく話をここにいる全員で共有し、作戦に当たってほしい」
「第二に、D-m3を回収せよとの命令が下った」第二のアイデアは、我々保安省が責任をもって意思の疎通を図りたい。
「どういう事だ、そんなものばらまかれたら我々、森林保護省の野外管理活動はどうなる?」
「既に森林管理のもと、各エリアで活動している者を統べて引き上げろというのか?」
森林保護省のトップ、エドワード・ミッジが訴えた。
「いつまで続くんだ、リージェントCの活動は?」
「期限や活動詳細がわからなければ我々だって話し合えないだろう!」
「第二十三、ディザシティーの建設だって二十四時間態勢で現在外壁工事中なんだぞ」
今度は、土木開発省の土田誠二が語りかけた。
「どーせ、気まぐれのエゾ様の発案だろ、ばらまいた分すべて回収するまで続くだろうよ」
「そりゃー大変だな、大佐、あんたの所が一番苦労しそうだな」
「まったくなんて事だ、我々エネルギー省の中に入り込んだらたまったもんじゃないぞ、おちおち暗くして寝てもいられないじゃないか」
「リージェントCはお宅らのところで造ったんじゃないのかね」
「何を言ってる、あれは特殊機関の製品だ、我々の物ではない、侵害だぞ」
二十二名のリーダーたちは喧々諤々だった。
「まー聞いてくれ、まず、私がこれから実行する案を話そう」
「第一の策定案としては主に我々の治安を守るために、廃墟を根城にしているゲリラ集団のジーク率いる winter daybreak「冬の夜明け」を一掃する事だ。
ただし、今回は一掃ではなく譲歩を引き出すため打撃を与える程度にとどめる。
そのために奴らの本拠地を探し出し、交渉の場を設ける。
「その前に、こちらが全滅されたらどうするんだ」
「まー、聞いてくれ」剛田大佐は、不機嫌な顔を押し殺し声を張り上げた。




