第15章 リージェントC
第十五章 リージェントC
「副隊長、やられました」
「あのくそガキめ」
「四機もって行かれました」
「何処から来やがったあいつら、まさか、あいつらがバレーで二人を襲った奴らか」
「しかし、奴らはまだガキのようでしたけど」
「もし二人を殺して一機のエアフラクターを奪っていれば、それに乗ってきたとも考えられますが、四人で四機持っていかれましたので・・・」
「ここで話をしていてもらちがあかない、早く別の部隊に応援要請を促せ、まったく、救護班が救護されてどうするんだ、隊長に顔向けできんだろ」
「あぁ、俺は首かも」あまりにも不覚な出来事に、副隊長は面目丸つぶれ状態だった。間もなくすると、他四名も到着し、現場の様子をつぶさに確認し、残る荷物をかき集め、EMI(電子表示マーカー)を立て、GPSに位置登録をすると日が暮れるまでに一旦本部へ戻る事にした。
本部では大掛かりな回収と、テロ対策に乗り出す準備を検討し始めた。
大会議室では、現在建設されている二十二の施設のトップ、二十二名による会議が始まっていた。
「大佐、機体の回収と共に、忌まわしい奴らを一掃してはいかがと思いますが」
第十一施設責任者でグリーンパラディウムの参謀、高畑源一郎が意見を述べた。
「そんな事より、ばらまかれたD-m2をどうやって回収するのかね」
早期に回収しなければ奴らの手にでも渡ったらそれこそ収集がつかんのじゃないのか?」
第一エネルギー開発施設の責任者、島崎肇が訴えた。
何を言っておる、SSRの捜索が先だろう、この中の家族も乗っていたんじゃないのかね」
この会議には、翼の父、海潮議員(金融施設長)も会議に出席していた。
「私の娘も乗っていたんだ、しかしまだ死んだとは思っていない、治安部隊を総動員して捜索に当たってほしい、一刻も早くだ!」
海潮は強い口調で訴えた。
「いいだろう、ではこうしようではないか」
大佐が語りかけた。
「明日、谷の墜落現場に百名、テロ対策に五十名を北側地区の森に向かわせる、その後順次、必要に応じて数百名を準備させる、飛散したエネルギーの回収には、エゾ様の研究チームへ要請するよう、これから連絡し手配を順次行う、意見が無ければそれぞれの任務を遂行してくれ」
「大佐、それでは答えになっていない、エネルギーを回収するのは我々の役目だぞ」
「わかっている、わかってはいるが広範囲に広がった以上、エゾ様に一度ゆだねなければなるまい」
「その程度の事で、エゾ様が動いてくれるのかね?」
「お伺いを立てるまでだ」
大佐は会議を二十分足らずで切り上げると、エゾの秘書に取り次いだ。
「もう既に一報は入っているかと思うがエゾ様につないでいただきたい」
「例の墜落機の件で、是非お願いしたいと申し上げてくれ」
「大佐、承知致しました。しかし、今はラボの方へ出向いております」
秘書はいない事を告げた。
「では、戻ったらわたくしへ後ほど連絡を入れてほしい」
秘書は無表情のまま、瞬き一つせずに答えた。
「承知致しました。少々お時間をいただけますでしょうか?」
「ただし、エゾ様のご都合次第ですので、あまり期待をなさらないでください」
秘書は無表情のまま状況をストレートに告げた。




