第14章 エネルギー
そこにはジークの手下が二人、ちょうどスノーヴィを捕らえているところだった。あの青い炎は最低限の光を確保するために松明を三本燃やして、五メートル四方くらいに立ててあり、その中心で大きなガラスの筒の中にスノーヴィを閉じ込めているところだった。
その容器の様な物はかつてのトランジスターラジオの中にはいっていた真空管のような形の物だった。
スノーヴィを初めて観た神風たちは、それがいったいなんなのかは初めわからなかったが、薄明かりに照らされた透明状の小さな一メートル足らずの生物がスノーヴィだとわかるまではそう長い時間はかからなかった。
「あれってスノーヴィ?ほら、あのガラス管に入っている生き物?」
「ああ、多分な」神風の目はその現場に向けられたまま、三人に向けられる事は無かった。
「あいつらスノーヴィ捕まえてどうするきだ?」
「そうか、わかったぞ、あいつらが捕まえたスノーヴィは、エンジンマウンテンへ連れて行かれるんだよきっと。
さっきネネってばあさんが山ん中にスノーヴィがいっぱいいるって言ってたろ、横にエアフラクターがあるけど、あいつら治安部隊の奴らじゃないな、まだ他にも森の中に誰かがいるってことだ」
神風は誰に目を向けるでも無く、声を殺して静かに語った。
「神さん、どうする」
「どうするって、今考えてる」
「どうなるんだ?あのスノーヴィ」凪とピーターが心配そうにそうに話した。
「さーな、多分売り飛ばすんだろうな」
神風が言った。
「なぁ、みんな、俺いい考えがあるんだけどさ」突然神風が振り返り、三人に笑いかけた。
「なんだよ、気味悪いな」サブローが訴えた。
「あいつらおびき出してさ、餌にしてやるのよ!」
「餌って何だよ」
「ほら、あのカエルの沼に誘い込むのさ。
そうすればスノーヴィを助けられるだろ」
「助けてどうすんだよ」
「そんな事わかんねーけどよ」
「みすみすあんなガラスにつめられて売り飛ばされんの見過ごす訳には行かないだろう」神風はもっともらしい事を言った。
「まーそれもそうだな」
「多分あいつら、あの様子じゃー一晩中ああやって捕まえているはずだ」
「だから、戻ってエアフラクターでおびき出すんだよ、あの青白い光でわざと道しるべつくってやれば明かり目指してやってくるはずだ。
サブとピーターは先回りして沼の入り口を照らしておいてくれ!
俺と凪は奴らと追っかけっこと行くか?」
「よっしゃー、後は成り行きってやつで」
四人は静かにもと来た道をもどり、一度廃墟へ戻ると、リンの粘液を街灯から少しいただき、自分たちの乗って来たエアフラクターを始動させた。
「じゃー二人は沼へ行って待機してくれ、くれぐれも喰われないようにな!」
四人は二手に別れ、凪と神風はスノーヴィを捕まえていた場所へ向かった。
エアフラクターを夜の闇の中で走らせるのは、少々技術が必要だった。
迫り来る大木をよけても、まだ目の前に迫り来る木々に、スピードを上げて進む事もできず、フルスロットルで走ればそれだけファンの音も大きくなるので気づかれしまうからだ。
二人は慎重に進んだ。
「気をつけろよ凪、ぶつかったら俺たち終わりだからな」
「ああ、わかってるて」
「ここからはゆっくり、確かあの辺だぞ」二人はライトを消して浮遊しながら前にゆっくりと進んでいった。
極力風を切るファンの音を小さくするために、スピードを緩めた。




