第14章 エネルギー
この山の何処かにとんでもないエネルギーが眠ている事を、そしてスノーヴィの事も話した。
この森の中にいるスノーヴィという存在に初めは不快な思いをしていたが、それぞれがエネルギーの話を聞くうちに興味を持ち始めていったのだ。
「行って見ようぜ」
話の途中に突然サブローが口走った。
「だってさ、そいつって人間じゃないけど、人間に寄生して生まれてくるんだろ、人間と何か他の動物をくっつけたような毛むくじゃらの体してんじゃねーのかな?取っ捕まえてみてーよな」
「いや、毛むくじゃらじゃないと思うんだけど、クラゲのようなってことは半透明なんじゃないかな?」ピーターが話の流れをさかのぼって考えてから発言した。「クラゲって歩けるのか?足はいっぱいあって火星人みたいな奴だと思うけど」今度は凪が語った。
「まーまてよ、俺らにはわからないから面白いけど、そのスノーヴィを捕まえてエネルギーにしている奴らの方がやばいってことだろ。
そいつらってブラック•ナインの奴らか?」
不安げに凪が聞いた。
「わからねーけど、もっと危ねー奴らかもしれないと思った方がいいな」
神風はいつになく慎重に語った。
「聞けば聞く程この森は何かありそうだぜ!」
「俺たちもそのエネルギー探さないと」
「奴らだけのもんじゃないさ、探し出した奴が勝つんだ」
今度は俺たちがトップに立ってやる。
「どうするよ、これから行こうぜ、まずはそのスノーヴィって奴を探しに」
サブローは興奮した口調で話した。
「そうだな、探しに行くか森の中へ」
四人は今日の夜、スノーヴィを探しにいく事を決めた。
スノーヴィとは何ものかを、この目で確かめるために四人は出発した。
もちろん、ココロの事も気にかけながら彼の足取りも探していたのだ。
「森へ行くって何処へ行ったらいんだ?」
神風の言葉に凪が答えた。
「ん?そうだな、とりあえず昨日のでかいカタツムリがいた辺りかな?行って見ようぜ」四人は日が暮れるのを待って出発した。
小さなヘッドライトの明かりを頼りに今度は歩いて散策を始めたのだ。
暗闇の中に青白いリンが灯る街灯の廊下を通り、朽ちた建物の入り口の階段を降りると、頭上に広がる夜空は厚い雲に覆われ、月の陰すら見えない。
時折流れる雲の間から、うっすらと月明かりが照らし出されたが、それは一瞬の出来事で、またあっという間に雲に覆われ、足下は闇に包まれた。
頼りになる懐中電灯の小さな光は神風とピーターが持つ小さな物だけだった。
「真っ暗だな」
「怖いな、夜の森は、なんか出てきそうだな」
ピーターの持つ懐中電灯の手がふるえているのがわかった。
「僕だって怖いよ、月明かりも無いから、真っ暗だし」凪がピーターにしがみつきながら話した。
神風は、怖さよりも好奇心が先にたち、ずんずんと森の奥へと進んでいった。
まるで、何かに取り付かれたように、大木をよけ、根元ごと倒壊したビルのコンクリートでゴツゴツとした岩山のような大地を軽々進んでいく。
時折ゴーッという建物の崩れる音が響いたかと思ったら、また森は静まり返り、小さな虫がたまに鳴く程度だった。
「なあ、あれ明かりじゃねーか?」
「昨日の建物か?」
「いや、違う」
すかさず神風は自分の明かりを消すと、ピーターに懐中電灯を消すように言った。「何か動いているぞ、人だよきっと」
「シッ、静かに、行って見よう」
四人は明かりを消して静かに遠くに見える青いリンが燃えるような光に近づいていった。




