第14章 エネルギー
「事の始まりはこうだ」
「かつて世界中のゴミが集められてあの巨大な山が出来上がった。
まだ私の生まれるずっと前の頃からだよ、いつからかあの山で働く住人は廃棄物から再生処理技術を学び、今の巨大な山になるまでに、様々なエネルギーが取り出され、それによって今の街が少しづつ形成されていった。
初めは住む所も、あのデスホールと呼ばれる地下でみんな暮らしていたんだ。
その理由は、地上に降り注いだ放射能によって街では暮らす事が困難になり、仕方なくみんな地下へ住むようになったのさ。
ある時、エネルギーを開発していたエゾと言う科学者が、古い一枚のCDーROMをエンジンマウンテンの再処理施設で見つけたのさ。
そのCD-ROMの中は過去のエネルギーに関する膨大な秘密が隠されていたらし。
しかし、そのROMのデータをすべて読み込む事はできず、完成されていた謎のエネルギー体については未だに謎のままだった。
しかし、そのエゾがあるときから暴走し始め、その秘密の内容から、次々に新エネルギーを作り出し、またこれによって人々は潤い始めた。
初めはみんなエゾを賞賛していたさ。
しかし、次第にエゾは独裁者になっていった。
みんなが協力して作った街にルールを作り、ルールに従えなくなった者は、デスホールへと送り、エンジンマウンテンで強制労働をさせ、作り出されたエネルギーは、エゾが新たな新技術を生み出すためのエネルギーへと変わっていく。
そういうサイクルを作ったのさ。
それから、数十年、格差は広がり続け、デスホールに送られた人間は、二度とグリーンパラディウムには戻れない。
我々もエンジンマウンテンで働く同じ技術者だったが、今はかなりエゾの力に支配されている。
ただ元々いた先住民だけはそんな事お構いなしに働いているがね」ここまで話すと今度はネネが話に加わって来た。
「私も話していいかしら、そのエネルギーについて」
「いいさ、今更隠しても何もなるまい」
「私ももう数十年あの山の中でエネルギーの管理をしていたのよ。
初めは廃棄物をそれぞれのエリアごとにわけて管理していて、そのエリアからは同じ物質ばかりを取り出していたわ。
例えば、金や銀、銅といったコンピュータや家電に多く使われているよく知られた金属物質やそれ以外にも、レアアースと呼ばれる、サマリウムやネオジム、ユウロピウムなどの希土類元素の酸化物や塩化物、それにもちろん石油やガソリンなど生成品もあったわ。
しかし、それだけじゃないの、この森では独自に進化していった生き物がいたわ。名前をスノーヴィといってね、死んだ人間に寄生して生まれてくる生物で、この地表に降り注いだプルトニウムやストロンチウムを餌として生きてる生物がいるの。彼らは見た目は半透明でクラゲのような生物だけど、我々人類にとって害になるような物質を食べてくれて、人には危害を加える事もないわ。
話す事はできないけれど、人の脳に寄生して生まれてくるから言葉のような、テレパシーを使ってお互いが会話する事もできるのよ。
とてもおとなしくて賢い生物なの。
しかし、それを利用しようと考えたのがエゾ。
初めは私も彼らの仲間だったわ。
もちろん墜落する前もずっと仲間でい続けた。
でも、それは表面的なものだけで、彼がスノーヴィの名付け親なのだけれど、彼らをエゾはエネルギー体として使う事を考えたのよ。
つまり、安全な原子力ってわけ。彼らのエネルギーは簡単に体内からは放射しない事を知ったエゾが、彼ら自体を一つのエネルギー体として使い始めたの。
今でも何日か事に捕まえられたスノーヴィはガラス管のような物に入れられて、エネルギーを放出させられているのよ。




